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出会い

麗央目線

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俺は男がことが好き…なのか?あいつのことも?なんなんだこの気持ち。

俺達はいつでも一緒だった。家が隣同士で親たちの仲も良かった。だから一緒に寝たり、風呂入ったりなんて昔はよくしてた。

だけど中学にあがってから、俺はあいつを、朔を避けるようになっていった。高校にあがっても俺たちは一緒だった。

そして、俺はこの気持ちを隠すかのように女といるようになった。でも、隣にいる女はどいつも雰囲気が朔に似ているような気がした。

………………

「「きゃーーーー♡麗央様ー!」」

はぁ、朝からうるさい。

ん?あそこにいるのは朔?どこにいようと、俺は朔を目で追ってしまう。…違う!これは好きなんかじゃなくて…

って、おい。あいつなんで顔真っ赤にしながら野郎と話してんだ、他のやつにそんな顔見せんなよ    ズキッ

あーイライラする。

モブ♀︎「麗央くん、今日空いてる?♡終わったあと…」

はぁーこっちはあいつのことでイライラしてんの、もーいやめんどくさい

「うん。空いてるよ、やろうか」

「ほんと?!やったぁ♡じゃあ、また後でねぇ♡」

あいつなんかより、朔の方が何倍も可愛いし、いい匂いするだろうし、気が利くだろうし…はぁ何考えてんだ俺。

………………
〘第2資料室 〙

ガラガラ

ん?誰か人がいるのか?

「朔…?」

とっさに、その名前を呼んでしまった

「麗央くん…」

久しぶりに聞いた朔の声、

モブ♀︎「麗央くん♡どぉしたの?♡」

うるさい。お前は黙ってろ。

「あっ、ご、ごめんなさいっ!」

「ちょっと待って」パシッ

何やってんだ俺。なんで呼び止めてんだ。でも久しぶりに触った朔はやっぱり細くて…

「……」

何か言わないとっ…どうしよう…

「っあ!いたいた!朔」

誰だ?呼び捨て?そんなに仲がいい友達なんていたのか?

「っ!橘くん…」

は?橘?誰だよ。俺以外のやつのことなんてみるな。俺以外のやつと…っ

「行こ!朔」

行くな、行くな朔…

「う、うん」

パタパタ

モブ♀︎「もーなんなの、あの人達。まぁ、関係ないけどね~ねぇ麗央くん早くしようよぉ♡」

「……。」

………………

  俺がこんな気持ちになり始めたのは、小学2年生の頃から。

ある日、俺が風邪を引いて家で寝てたら、

「麗央くん?」

「ばか、ゴホ 近くに来たら伝染るだろ  ゴホゴホ」

「麗央くん、大丈夫?死んじゃわない?」

「死ぬわけないだろ  ゴホゴホ」

「うぅぅっ」

「っ!な、なんで朔が泣くんだよ」

「だってぇ~麗央くんが苦しそうなのに僕、何も出来ないから  グスッ」

ドキッ   この時の朔の泣き顔に俺は無性にドキドキした。この時は風邪のせいとか思っていたけど、それでもほんの少しだけ体温があがった気がした。

しばらくして、このドキドキは恋なんだと気がついた。けど、この気持ちを朔に伝えたら…もしかしたら嫌われたり、友達じゃなくなったりするのかと考えると怖くなった。

だから、この気持ちには一生蓋をしておこうと心に誓った。

俺の気持ちを伝えて朔を困らせるより、俺は朔の笑顔だけがみていたい。

今でも朔のことが好きかって?あぁもちろん大好きだ!

冒頭で「俺は男が好き…なのか?あいつのことも?なんなんだこの気持ち。」とかなんとか、カッコつけて言っちゃってるけど、

好きなんだよ!ストレートに好き、大好き。

だから、高校でも影から悪い虫がつかないようにしていたのに!なんなんだっ!?あいつは!?

親しそうにしやがって。しかも呼び捨てだと!?手も繋ぎやがって…

ん?お前は女とヤリまくってんじゃねーかって?何を言っているんだい諸君。今までかかわってきた女全員、最初は朔ねらいだったんだからな。

そいつらを朔に近ずけさせないように俺は相手してやってんの。一応言っておくけど、最後まではやったことないからね。全部寸止め。ってかんじで、俺は今まで頑張ってきた

なのに、なのに…

俺が今まで、努力はなんだったんだ。辛いが、この気持ちがバレないように朔に近ずかないようにしたり、周りに殺気振りまいたり、触れたい気持ちをおさえ、ただただ朔の幸せだけを願って今日まで…

あの野郎、俺の殺気にビクともしねーし、おまけに睨み返してくるし、

今度あったら覚えてろよ、ク○野郎
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