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緋色の罪
第十三話
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椿の攻撃を全て切り落とした真尋は再び説得を始める。
「俺は貴女を殺したく無いです。
お願いだからもう止めてください」
上空から椿を見下ろして訴えるが、椿の姿勢は変わらない。
「しつこいですね。
私はただやられたからやり返すだけです。
この世界に取って害でしかない人間を滅ぼして何が問題なの?」
「それは……」
彼女にとって人は最早憎しみの対象でしかなかった。
真尋が何を言ってもきっとその意見は変わらないのだろう。
でもこのままでは彼女も救われない。
どうしよう……
何も考えが浮かんでこない中でゆっくりと迫ってくるそれに気づけなかった。
「……っ!?」
突然足が引っ張られた。
見るといつの間にそこにあったのか、椿の木の根が真尋の足に巻き付いていた。
そして地面に引き摺り降ろされ、地面に体を叩き付けられる。
「くっ……」
真尋がすぐさま体を起こそうとするその前に地面からいくつも伸びた根は、真尋の腕や脚、胴体を押さえつけて身動きを封じた。
「残念ですね。
お人好しで可愛い貴方は結構好きですけど、愚かで学ばない貴方は虫酸が走る」
「……っ」
「せめて苦しまないよう努力します。
さようなら」
ポロリと彼女の手から落ちる椿の花の首が真尋の上に降ってくる。
無意識にあれに触れてはならないと頭に響いてくる。
しかし、地面に縛り付けられた真尋は成す術も無く目を瞑ったその時__
ぐしゃりと言う音と共にうっと言う呻き声が聞こえた。
目を開けると生暖かいものが真尋の顔に飛び散ってきて、それが椿の血であると目の前の光景で理解する。
「利音さん……」
小刀を手にした利音と腕を落とされた椿。
そして椿の花は二つに切られ枯れてしまった。
椿は失った右腕を押さえながら、距離を取るように後ろへと下がる。
椿が深手を負ったからか、真尋を縛っていた木の根が解けて地面へと潜っていった。
「俺は貴女を殺したく無いです。
お願いだからもう止めてください」
上空から椿を見下ろして訴えるが、椿の姿勢は変わらない。
「しつこいですね。
私はただやられたからやり返すだけです。
この世界に取って害でしかない人間を滅ぼして何が問題なの?」
「それは……」
彼女にとって人は最早憎しみの対象でしかなかった。
真尋が何を言ってもきっとその意見は変わらないのだろう。
でもこのままでは彼女も救われない。
どうしよう……
何も考えが浮かんでこない中でゆっくりと迫ってくるそれに気づけなかった。
「……っ!?」
突然足が引っ張られた。
見るといつの間にそこにあったのか、椿の木の根が真尋の足に巻き付いていた。
そして地面に引き摺り降ろされ、地面に体を叩き付けられる。
「くっ……」
真尋がすぐさま体を起こそうとするその前に地面からいくつも伸びた根は、真尋の腕や脚、胴体を押さえつけて身動きを封じた。
「残念ですね。
お人好しで可愛い貴方は結構好きですけど、愚かで学ばない貴方は虫酸が走る」
「……っ」
「せめて苦しまないよう努力します。
さようなら」
ポロリと彼女の手から落ちる椿の花の首が真尋の上に降ってくる。
無意識にあれに触れてはならないと頭に響いてくる。
しかし、地面に縛り付けられた真尋は成す術も無く目を瞑ったその時__
ぐしゃりと言う音と共にうっと言う呻き声が聞こえた。
目を開けると生暖かいものが真尋の顔に飛び散ってきて、それが椿の血であると目の前の光景で理解する。
「利音さん……」
小刀を手にした利音と腕を落とされた椿。
そして椿の花は二つに切られ枯れてしまった。
椿は失った右腕を押さえながら、距離を取るように後ろへと下がる。
椿が深手を負ったからか、真尋を縛っていた木の根が解けて地面へと潜っていった。
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