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片割れは傍らに在り(下)
第一話
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『このままでは埒があかないから手分けして探そう』
秋人の提案で二手に分かれて探すことにした竜樹は、中々手掛かりが見つからない中で遠くに覗く茂みの奥から何か気配を感じた。
もしかしたらあそこに何かあるかもしれないとスマホを取り出し秋人に電話を掛けた。
何かあったらすぐ連絡を入れるように言われていた。
『もしもし』
「あ、秋人さん。
もしかしたら当たりかもしれないです。
場所は__」
居場所を伝えて電話を切ると茂みの方へと向かった。
入り口が見付からず何処から入ろうかと迷っていると、人の話し声と足音が聞こえた。
すると二人の男性が茂みから出てきて、その一人の顔を見て思わず声を掛けた。
「真尋君?」
すると、振り返った彼は竜樹を見て固まって何も発しない。
「真尋君…だよね?
何でここに……」
そう尋ねるる真尋はバツが悪そうに目を逸らした。
「ちがいますよ。
ひ、人違いじゃないですか?」
何故だか否定する彼だが、明らかに真尋その人である。
「いや真尋君だよね。
何でそんな嘘つくの!?」
彼の分かりやすい嘘に竜樹は思いっきりツッコミを入れる。
ツッコまれた真尋は苦い顔をしてう~と唸り頭を掻いた。
「真尋、誰?」
隣にいた利音が尋ねる。
こうなっては誤魔化せないと真尋は観念したように息をはぁ~と大きく吐いて、ぽつりぽつりと喋り始めた。
「え~と……竜樹さんです。
10歳の時からの知り合いで、お兄ちゃん的な存在で、えっとなんだっけ……
てん……て……」
「天明道?」
「そう、それです!!
そこの人?です」
先程話したのにもう名称を忘れていると利音は目を細める。
「で、こちらは利音さん。
俺の雇い主さん」
利音を紹介された竜樹は彼の口から天明道と言う名前が出てきたのを聞いて、こちら側の人間なのだとすぐさま判断した。
利音も、竜樹が天明道に所属していると分かると少し苦い顔をした。
正直天明道とは関わりたくない。
_______
秋人と竜樹のイメージ図です。
秋人の提案で二手に分かれて探すことにした竜樹は、中々手掛かりが見つからない中で遠くに覗く茂みの奥から何か気配を感じた。
もしかしたらあそこに何かあるかもしれないとスマホを取り出し秋人に電話を掛けた。
何かあったらすぐ連絡を入れるように言われていた。
『もしもし』
「あ、秋人さん。
もしかしたら当たりかもしれないです。
場所は__」
居場所を伝えて電話を切ると茂みの方へと向かった。
入り口が見付からず何処から入ろうかと迷っていると、人の話し声と足音が聞こえた。
すると二人の男性が茂みから出てきて、その一人の顔を見て思わず声を掛けた。
「真尋君?」
すると、振り返った彼は竜樹を見て固まって何も発しない。
「真尋君…だよね?
何でここに……」
そう尋ねるる真尋はバツが悪そうに目を逸らした。
「ちがいますよ。
ひ、人違いじゃないですか?」
何故だか否定する彼だが、明らかに真尋その人である。
「いや真尋君だよね。
何でそんな嘘つくの!?」
彼の分かりやすい嘘に竜樹は思いっきりツッコミを入れる。
ツッコまれた真尋は苦い顔をしてう~と唸り頭を掻いた。
「真尋、誰?」
隣にいた利音が尋ねる。
こうなっては誤魔化せないと真尋は観念したように息をはぁ~と大きく吐いて、ぽつりぽつりと喋り始めた。
「え~と……竜樹さんです。
10歳の時からの知り合いで、お兄ちゃん的な存在で、えっとなんだっけ……
てん……て……」
「天明道?」
「そう、それです!!
そこの人?です」
先程話したのにもう名称を忘れていると利音は目を細める。
「で、こちらは利音さん。
俺の雇い主さん」
利音を紹介された竜樹は彼の口から天明道と言う名前が出てきたのを聞いて、こちら側の人間なのだとすぐさま判断した。
利音も、竜樹が天明道に所属していると分かると少し苦い顔をした。
正直天明道とは関わりたくない。
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秋人と竜樹のイメージ図です。
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