126 / 169
温泉旅行(下)
第二話
しおりを挟む
目の前にいる着物を着た少年は座敷わらしなのだろうか……?
目を凝らしてみると確かに生きた人の気配はしないが、まさか自分の所に現れるとは思ってなかったので興奮した。
だって座敷わらしに会えば、幸運が訪れるとよく聞くではないか。
「あれ、でも座敷わらしって女の子じゃ………」
真尋の中では座敷わらしは女の子のイメージらしい。
しかしこの子はおそらく男の子だ。
「ねぇ、おにいさん」
すると座敷わらしらしき子供が真尋に話し掛けてくる。
「おにいさんは妖の力持ってるひとですよね?」
「え?うん………まぁ……」
少年は何だか深刻そうな顔をしている。
これは何かあるなと真尋は利音を起こす。
「利音さん起きて、座敷わらしさんが!!」
「ぅ~ん…………」
しかし利音はなかなか起きようとしない。
元々寝起きは良くない上にいつもより酒を飲んでいたので、そう簡単には起きてはくれない。
「り~お~と~さ~ん、起きて~」
「あ~もう何………」
耳元で呼ぶと漸く返事が返ってきた。
のそのそと起き上がり額を手で押さえる。
「利音さん座敷わらし!!
なんか聞いて欲しそうな感じなんです」
「ちょっとあんま大声出さないで。
頭痛い………」
現在夜中の1時。
どうやら利音は悪酔いしてしまったようで頭痛がする。
真尋は声のトーンを落として、座敷わらしの少年に何かあったの?と聞いた。
「……さいきん、変な妖がこのお家に入ってきてずっといっしょにいた女の子がたべられちゃったんだ」
「女の子が食べられた?」
どう言うことかと聞くと、その女の子も少年の話から察するに、同じ座敷わらしのようだ。
いつも仲良く、客室に遊びに行っては、お客さんやスタッフが持ち込んでくれるおもちゃで遊んでいたとのこと。
そんな中で突然知らない妖が入り込み、女の子を食べてしまったとの事。
この山の土地神のダイダラボッチに頼んでみても、聞いているのか聞いていないのか、ただただ山を徘徊してるだけ。
「他の妖は何もしないの?」
そんな悪い妖が現れたのなら他の妖が黙っていない気もするがと真尋は思う。
「ほかの妖はみんな外にいっちゃって……
お家にはおいらしかいない」
旅館の中にいる妖は現在、少年とその凶悪な妖しかいないと言う。
目を凝らしてみると確かに生きた人の気配はしないが、まさか自分の所に現れるとは思ってなかったので興奮した。
だって座敷わらしに会えば、幸運が訪れるとよく聞くではないか。
「あれ、でも座敷わらしって女の子じゃ………」
真尋の中では座敷わらしは女の子のイメージらしい。
しかしこの子はおそらく男の子だ。
「ねぇ、おにいさん」
すると座敷わらしらしき子供が真尋に話し掛けてくる。
「おにいさんは妖の力持ってるひとですよね?」
「え?うん………まぁ……」
少年は何だか深刻そうな顔をしている。
これは何かあるなと真尋は利音を起こす。
「利音さん起きて、座敷わらしさんが!!」
「ぅ~ん…………」
しかし利音はなかなか起きようとしない。
元々寝起きは良くない上にいつもより酒を飲んでいたので、そう簡単には起きてはくれない。
「り~お~と~さ~ん、起きて~」
「あ~もう何………」
耳元で呼ぶと漸く返事が返ってきた。
のそのそと起き上がり額を手で押さえる。
「利音さん座敷わらし!!
なんか聞いて欲しそうな感じなんです」
「ちょっとあんま大声出さないで。
頭痛い………」
現在夜中の1時。
どうやら利音は悪酔いしてしまったようで頭痛がする。
真尋は声のトーンを落として、座敷わらしの少年に何かあったの?と聞いた。
「……さいきん、変な妖がこのお家に入ってきてずっといっしょにいた女の子がたべられちゃったんだ」
「女の子が食べられた?」
どう言うことかと聞くと、その女の子も少年の話から察するに、同じ座敷わらしのようだ。
いつも仲良く、客室に遊びに行っては、お客さんやスタッフが持ち込んでくれるおもちゃで遊んでいたとのこと。
そんな中で突然知らない妖が入り込み、女の子を食べてしまったとの事。
この山の土地神のダイダラボッチに頼んでみても、聞いているのか聞いていないのか、ただただ山を徘徊してるだけ。
「他の妖は何もしないの?」
そんな悪い妖が現れたのなら他の妖が黙っていない気もするがと真尋は思う。
「ほかの妖はみんな外にいっちゃって……
お家にはおいらしかいない」
旅館の中にいる妖は現在、少年とその凶悪な妖しかいないと言う。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
月華後宮伝
織部ソマリ
キャラ文芸
★10/30よりコミカライズが始まりました!どうぞよろしくお願いします!
◆神託により後宮に入ることになった『跳ねっ返りの薬草姫』と呼ばれている凛花。冷徹で女嫌いとの噂がある皇帝・紫曄の妃となるのは気が進まないが、ある目的のために月華宮へ行くと心に決めていた。凛花の秘めた目的とは、皇帝の寵を得ることではなく『虎に変化してしまう』という特殊すぎる体質の秘密を解き明かすこと! だが後宮入り早々、凛花は紫曄に秘密を知られてしまう。しかし同じく秘密を抱えている紫曄は、凛花に「抱き枕になれ」と予想外なことを言い出して――?
◆第14回恋愛小説大賞【中華後宮ラブ賞】受賞。ありがとうございます!
◆旧題:月華宮の虎猫の妃は眠れぬ皇帝の膝の上 ~不本意ながらモフモフ抱き枕を拝命いたします~
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる