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温泉旅行(下)
第三話
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現在この旅館の中には座敷わらしの少年と凶悪な妖しかいないと言う事だが、真尋は一つ疑問を持つ。
「でもこの旅館の庭にも結構いるよね?」
旅館の敷地内の日本庭園には河童など数多の妖がいた。
「あのさ、その子が言ってるのは屋内って事でしょ?
真尋の言う庭は屋外。違う?」
利音がそう指摘すると少年は肯定するように頷いた事で、真尋はああそう言うことと納得した。
そこでふと利音は思い出す。
この旅館のオーナーに連れていかれた骨董部屋に妖の気配がした。
その時はここにも妖がいるんだなと特に気に留めなかったが、もしかしたらその気配は少年の言う悪い妖なのだろうか?
だとしても正直それどころではない。
「あ~頭痛い………」
やはり飲み過ぎた。
普段飲まない量を飲んでしまうとこうなるんだなと改めて思うと同時に、もう寝たいと布団に戻ろうとすると、真尋に引き留められる。
「ちょっと寝ないで下さいよ!!
この子見捨てるんですか!?
座敷わらしさんですよ?座敷わらしさん!!」
「……だからあんま大声出さないでってば。
俺はさ、頭痛いんだよ。
俺の事もちっとは心配してくれてもいいんじゃないの?」
頭が痛いと訴える利音に真尋は考える。
このまま座敷わらしを放って置くわけにはいかない。
座敷わらしの少年も段々と暗い顔になっていって可哀想だ。
折角幸運の象徴に会えたのに、逆に不幸が訪れそうだ。
暫く沈黙が続くと利音が口を開く。
「じゃあさ少年、対価に何くれる?」
「たいか……?」
「妖退治したらそれと同じくらい価値のある物を頂戴って事」
利音は座敷わらしに等価交換を求めた。
「ちょっとこんな小さな子から対価を支払わせるんですか!?」
「……あのさ、こっちは別に誰がどうなろうが関係無いし、頭痛いの。
何とかしろと言うなら相応の対価を求めるのは当然。命懸けなんだから………
それに小さな子って言うけど、君が生まれるよりずっと前から存在してそうだけど。
それをただのか弱い子供と言えるか?」
「…………」
利音の言ってる事は尤もで的を射てる。
何も間違ってはない。
真尋は返答に困り少年を見ると、彼は決意したような表情を見せる。
「でもこの旅館の庭にも結構いるよね?」
旅館の敷地内の日本庭園には河童など数多の妖がいた。
「あのさ、その子が言ってるのは屋内って事でしょ?
真尋の言う庭は屋外。違う?」
利音がそう指摘すると少年は肯定するように頷いた事で、真尋はああそう言うことと納得した。
そこでふと利音は思い出す。
この旅館のオーナーに連れていかれた骨董部屋に妖の気配がした。
その時はここにも妖がいるんだなと特に気に留めなかったが、もしかしたらその気配は少年の言う悪い妖なのだろうか?
だとしても正直それどころではない。
「あ~頭痛い………」
やはり飲み過ぎた。
普段飲まない量を飲んでしまうとこうなるんだなと改めて思うと同時に、もう寝たいと布団に戻ろうとすると、真尋に引き留められる。
「ちょっと寝ないで下さいよ!!
この子見捨てるんですか!?
座敷わらしさんですよ?座敷わらしさん!!」
「……だからあんま大声出さないでってば。
俺はさ、頭痛いんだよ。
俺の事もちっとは心配してくれてもいいんじゃないの?」
頭が痛いと訴える利音に真尋は考える。
このまま座敷わらしを放って置くわけにはいかない。
座敷わらしの少年も段々と暗い顔になっていって可哀想だ。
折角幸運の象徴に会えたのに、逆に不幸が訪れそうだ。
暫く沈黙が続くと利音が口を開く。
「じゃあさ少年、対価に何くれる?」
「たいか……?」
「妖退治したらそれと同じくらい価値のある物を頂戴って事」
利音は座敷わらしに等価交換を求めた。
「ちょっとこんな小さな子から対価を支払わせるんですか!?」
「……あのさ、こっちは別に誰がどうなろうが関係無いし、頭痛いの。
何とかしろと言うなら相応の対価を求めるのは当然。命懸けなんだから………
それに小さな子って言うけど、君が生まれるよりずっと前から存在してそうだけど。
それをただのか弱い子供と言えるか?」
「…………」
利音の言ってる事は尤もで的を射てる。
何も間違ってはない。
真尋は返答に困り少年を見ると、彼は決意したような表情を見せる。
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