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縄張り争い(上)
第十五話
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利音が逃げていく中、風楽は逃げるのかと彼を追おうとすると、朱兼と芙紗が風楽にトドメを刺そうと襲い掛かる。
「半端者風情が邪魔立てするでないぞ!!」
風楽は負傷していた左腕が少し回復したようで、左腕で彼らと応戦する。
一方あの戦場から逃げる利音ら一行。
「って言うか、秋人さん……」
あの場から離れる真尋は置いてきた秋人を気に掛ける。
「大丈夫でしょ。
緋葉が妖力を与えて、竜樹さんもこっち来てたし……」
それに遠くに見えたのは天明道の連中。
あの中に見知った顔がいたので間違いはない。
おそらく援軍なのだろう。
ならば秋人は彼らに任せた方が手当てもしてくれるだろうから、これ以上自分達がここにいる理由はないと利音は考える。
そして利音の言う通り、天明道の援軍が新たに10人程やって来て、大天狗の風楽を見るなりいきなり畳み掛けるように攻撃を仕掛ける。
「風楽様!!」
「くっ………」
完全に形勢逆転となった天狗達。
ここまでやられて激昂してまだ戦う気の風楽だが、それを烏天狗達が制し、彼を抱き抱えるようにして逃げていった。
それを見た竜樹達が秋人に駆け寄る。
「秋人さん……」
息が浅く脈も弱いが、生きている。
しかしながら早く治療しなければ。
「すみません、私が手当てをしますので退いて下さい」
すると新たに現れた援軍から女性がやって来た。
そして秋人の身体に触れながら何か呪文を唱え、緑色に放つ霊力で触れた場所から傷を癒していくこの術は回復術である。
しかしこれも自己回復力を急激に高めるもので、あくまでも応急措置。
「私の出来ることはここまでです。
ですが彼は混血のようですので、十分でしょうね」
元々妖は驚異的な回復力を持っているので、秋人もある程度回復の補助をしてあげたらあとは秋人の元々持つ回復力で問題ないだろう。
「あなた方も手当てを」
竜樹も朱兼も芙紗も、負傷している。
女性は秋人だけでなく、彼らの傷も癒す。
「ところで貴公らは何故今になってここに来た?」
朱兼は援軍の中心にいた眼鏡を掛けた男性に訊ねる。
「何故と申されてましても、お上の命令としか……
我々も急にここへ行けと言われましたので」
どうやら彼らも天明道の作戦に急に組み込まれたようだった。
「半端者風情が邪魔立てするでないぞ!!」
風楽は負傷していた左腕が少し回復したようで、左腕で彼らと応戦する。
一方あの戦場から逃げる利音ら一行。
「って言うか、秋人さん……」
あの場から離れる真尋は置いてきた秋人を気に掛ける。
「大丈夫でしょ。
緋葉が妖力を与えて、竜樹さんもこっち来てたし……」
それに遠くに見えたのは天明道の連中。
あの中に見知った顔がいたので間違いはない。
おそらく援軍なのだろう。
ならば秋人は彼らに任せた方が手当てもしてくれるだろうから、これ以上自分達がここにいる理由はないと利音は考える。
そして利音の言う通り、天明道の援軍が新たに10人程やって来て、大天狗の風楽を見るなりいきなり畳み掛けるように攻撃を仕掛ける。
「風楽様!!」
「くっ………」
完全に形勢逆転となった天狗達。
ここまでやられて激昂してまだ戦う気の風楽だが、それを烏天狗達が制し、彼を抱き抱えるようにして逃げていった。
それを見た竜樹達が秋人に駆け寄る。
「秋人さん……」
息が浅く脈も弱いが、生きている。
しかしながら早く治療しなければ。
「すみません、私が手当てをしますので退いて下さい」
すると新たに現れた援軍から女性がやって来た。
そして秋人の身体に触れながら何か呪文を唱え、緑色に放つ霊力で触れた場所から傷を癒していくこの術は回復術である。
しかしこれも自己回復力を急激に高めるもので、あくまでも応急措置。
「私の出来ることはここまでです。
ですが彼は混血のようですので、十分でしょうね」
元々妖は驚異的な回復力を持っているので、秋人もある程度回復の補助をしてあげたらあとは秋人の元々持つ回復力で問題ないだろう。
「あなた方も手当てを」
竜樹も朱兼も芙紗も、負傷している。
女性は秋人だけでなく、彼らの傷も癒す。
「ところで貴公らは何故今になってここに来た?」
朱兼は援軍の中心にいた眼鏡を掛けた男性に訊ねる。
「何故と申されてましても、お上の命令としか……
我々も急にここへ行けと言われましたので」
どうやら彼らも天明道の作戦に急に組み込まれたようだった。
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