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縄張り争い(下)
第十話
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「何をしている!?
奴らを止めろ!!」
「ここを通すな!!」
いきなり本部へ襲撃してきた複数の大天狗とその眷属達。
天明道の奇襲攻撃へのお返しと言わんばかりにやって来て、次々に天明道の者を殺して行き、彼らの足元には人の遺体が無惨に転がっている。
「形勢逆転だな」
空中で羽ばたく大天狗、風楽はそう嘲笑した。
利音に切り落とされた右手はくっ付けて元に戻っている。
そんな風楽は圧倒的に天狗が優勢のこの状況に油断し、背後から迫る影に気付かなかった。
「風ノ刃」
「…………っ!?」
風楽が気付いた時には秋人が攻撃を仕掛けてきていて、咄嗟に避けようとするも風の刃は風楽の腕や脚、胴体を切付けた。
「貴様、折角生き長らえたと言うのに……
死にに来たとは」
今度は息の根を止めてやると風楽は秋人へと突っ込んで行き、秋人も錫杖で応戦する。
相手が槍を用いて突き刺そうとしてきたり、振りかざして斬ろうとしてくるのを避けながら錫杖で受け止め、相手を弾き飛ばし、斬石で反撃する。
秋人は接近戦より遠距離戦の方が得意だ。
なので詰め寄られたら錫杖で防御し、弾いたり近距離で術を繰り出してみたりして、なるべく相手との間合いを取りながら空中戦に挑む。
「…………」
風楽は戦いながら以前とは違うと感じていた。
一つ一つの攻撃がこれ程重たかっただろうか?
これ程殺気溢れたものだったろうか?
そう思うほど秋人は真尋の想いに感化され、力を増していく。
「妖火斬石」
「………っ!?」
すると風楽の周りに火を纏った鋭く尖った石が無数に現れた。
それら一つ一つに妖力が纏っている。
秋人は手に持った羽団扇を空に掲げ、そして振り下ろすと、火の石は勢いよく風楽を襲う。
「くっ………!!」
次々に風楽へ襲うその攻撃は最後に爆発を起こし、大きな衝撃が音と風圧となって広がった。
それが収まると一瞬静けさを感じた。
だがその瞬間、爆発の起きた場所から勢いよく何かが飛び出し、秋人へ向かって来たと思ったら手が秋人の首を捕らえた。
「………っ!?」
煙と共に現れたのは爆発でボロボロになった風楽だった。
「舐めるでないぞ合いの子が!!」
そう言って風楽は秋人の首を絞めながら、空中から地面へ二人は落ちて行く。
奴らを止めろ!!」
「ここを通すな!!」
いきなり本部へ襲撃してきた複数の大天狗とその眷属達。
天明道の奇襲攻撃へのお返しと言わんばかりにやって来て、次々に天明道の者を殺して行き、彼らの足元には人の遺体が無惨に転がっている。
「形勢逆転だな」
空中で羽ばたく大天狗、風楽はそう嘲笑した。
利音に切り落とされた右手はくっ付けて元に戻っている。
そんな風楽は圧倒的に天狗が優勢のこの状況に油断し、背後から迫る影に気付かなかった。
「風ノ刃」
「…………っ!?」
風楽が気付いた時には秋人が攻撃を仕掛けてきていて、咄嗟に避けようとするも風の刃は風楽の腕や脚、胴体を切付けた。
「貴様、折角生き長らえたと言うのに……
死にに来たとは」
今度は息の根を止めてやると風楽は秋人へと突っ込んで行き、秋人も錫杖で応戦する。
相手が槍を用いて突き刺そうとしてきたり、振りかざして斬ろうとしてくるのを避けながら錫杖で受け止め、相手を弾き飛ばし、斬石で反撃する。
秋人は接近戦より遠距離戦の方が得意だ。
なので詰め寄られたら錫杖で防御し、弾いたり近距離で術を繰り出してみたりして、なるべく相手との間合いを取りながら空中戦に挑む。
「…………」
風楽は戦いながら以前とは違うと感じていた。
一つ一つの攻撃がこれ程重たかっただろうか?
これ程殺気溢れたものだったろうか?
そう思うほど秋人は真尋の想いに感化され、力を増していく。
「妖火斬石」
「………っ!?」
すると風楽の周りに火を纏った鋭く尖った石が無数に現れた。
それら一つ一つに妖力が纏っている。
秋人は手に持った羽団扇を空に掲げ、そして振り下ろすと、火の石は勢いよく風楽を襲う。
「くっ………!!」
次々に風楽へ襲うその攻撃は最後に爆発を起こし、大きな衝撃が音と風圧となって広がった。
それが収まると一瞬静けさを感じた。
だがその瞬間、爆発の起きた場所から勢いよく何かが飛び出し、秋人へ向かって来たと思ったら手が秋人の首を捕らえた。
「………っ!?」
煙と共に現れたのは爆発でボロボロになった風楽だった。
「舐めるでないぞ合いの子が!!」
そう言って風楽は秋人の首を絞めながら、空中から地面へ二人は落ちて行く。
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