異世界ライフは前途洋々

くるくる

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28.魔力と相性

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 終わった後もう一度お風呂を楽しみ、ベッドでまったり。何だか凄く贅沢してる気分。まだお互い裸なのがちょっとどころでなく恥ずかしいが、ショーツを履く許可さえいただけないのだから仕方がない。ちなみに、アソコの痛みには回復魔法を使いました…初回復魔法をこんな場面で使う事になろうとはね。

 「あっ、そうだ」

  急にある事を思い出し、毛布で胸を隠しながらベッドに起き上がる。

 「どうした?」
 「これ、魔力を注いでみようと思って」

  私が出したのは布に包まれたタマゴ。神様から頂いたものだ。

  大きさはニワトリの卵と同じくらいで形も似ている。何が産まれるかはお楽しみ、という事なのでどんなのが出てくるか全く分からない。このタマゴを孵すには魔力が必要で、何日かに分けて魔力を注ぎ込むと自然に産まれるらしい。それまでは衝撃を与えても割れないのだとか。このタマゴはインベントリに入らないので、昨夜もその前も枕元に置いてはいたがまだ一度も魔力を込めていない。

 「魔力で孵るタマゴか…聞いた事ねえな…」

  レオンさんも起き上がって後ろから私を抱きしめ、肩越しにタマゴを覗く。

 「どのくらい注げば良いんだろ…?分からないけど少しずつやってみますね」

  布を取って直接タマゴを手に乗せ、もう片方の手も添えて胸の前に持ってくる。そして手の平から出した魔力をタマゴに吸わせるようにイメージする。

  するとすぐに手が暖かくなってタマゴが淡い光に包まれた。それは何だか神秘的な光景で、何が産まれるかますます楽しみになった。

 「…キラの魔力は綺麗だな…」
 「え…私の魔力?今のはタマゴの光じゃ…?」

  ボソッと呟いた彼に聞き返す。私の魔力を吸ったタマゴが光ったのかと思ったんだけど。

 「いや、今の光はお前の魔力だ。前に感じたのと同じだから確かだぜ」
 「前に?」
 「ああ、山小屋でな」

  そこまで言われて思い出した。山小屋でびしょ濡れになった時の事だと。

 「あ…雨で濡れた時の…」
 「そうだ。暖かで柔らかくて…心地良い魔力。なあ…俺の魔力も感じてみねえか?」
 「…はい、感じてみたいです…でも、どうやって?」
 「…こうするんだ…」

  彼は抱きしめていた手で私の顔だけ横を向かせ、唇を重ねた。その口から流れ込んできたのは…とても強く、熱い、彼の魔力。それを認識した途端、胸が高鳴って身体の隅々まで熱くなる。内からも外からも抱きしめられているみたいな…不思議で幸せな感覚。

 「んンっ…」

  すごく気持ち良くて、我慢できなかった声が漏れると唇が離れてしまう。

 「…あっ…」
 「どうだ…?」
 「…強くて、熱くて…き、気持ち良かったです…」

  レオンさんは嬉しそうに金の瞳を細める。あ…この表情、すっごくすき。

 「そうか…やはり俺とお前は最高に相性が良い。魔力の気配は千差万別、相性最悪だと近づくのも嫌なもんだ」
 「…相性が良いと…気持ち良いんですか?」
 「ああ、男女間で相性が良いと感じやすくなると聞いた事がある」
 「そ、そうなんですか…」

  魔力には人柄が出るって神様も言ってたっけ。なら私とレオンさんは性格も身体も相性が良いって事かな…?だったらすごく嬉しい。

 「…さっきも、気持ち良かっただろ?もう一度試してみねえか?」
 「え…」

  そう囁いて私を抱きしめていた手が両胸を鷲掴みにして揉みしだく。乳首をぐにぐにと潰しながら引っ張られて腰が跳ね、不意打ちの刺激に声を上げてしまう。

 「ぁはぁ…!あ…ンッ!」
 「イイな…その啼き声、もっと聴かせろよ…」
 「ぁふ、ン、ま…って…タマゴ…」

  彼の艶っぽい声と与えられる快感に身体を震わせたまま訴えると、片手を離してタマゴをサイドテーブルに置いてくれた。

  そして私の身体は再びベッドへ押し倒される事になった。











 翌日、宿を出た私たちは依頼をチェックしにギルドへと向かった。

  中へ入るとレオンさんが受付嬢に呼び止められる。

 「エヴァントさんから伝言があります。いつもの指名依頼でデルタ山へ行くからよろしく、との事です」
 「分かった」

  受付嬢がチラッとこっちを見る。その視線の先はガッチリと恋人繋ぎされた私たちの手。声は挙げずとも見開かれた目が充分驚きを表していた。他の冒険者の目も同じ場所に注がれている。

  …だからギルド前で離そうと提案したのに。ここでいちゃつくなんて血の気の多い冒険者たちに喧嘩を売るようなものだと思うんだけど。…でもまあ、この位ならいいかな。女冒険者のいるパーティーの中には、もっとあからさまにくっついてる人たちだっているもんね。うん、そういう事にしておこう。

  自己完結しているとクイッと手を引かれた。

 「行くぞ」
 「はい」

  私たちはボードの前に移動した。




  レオハーヴェンとキラが移動すると、それに合わせてたくさんの視線も移動する。驚くのも無理はない。今までの彼はいちゃつく連中を睨む方の立場であって、女連れで歩く姿なんて誰も見たことがない。確かにモテはするのだが女のあしらいが冷たい事で有名だ。

  そんな彼が今、ギルド内で女の手を引いて歩いている。しかもその女は絶世の美女、とくればこの注目度も頷ける。そして中級の依頼ボードをチェックしていることから、美女が冒険者だというのが判明して周囲は再度驚愕する事になるのだった。

  もちろん、他の男に対する牽制の意味合いも大きい…筈である。




  2人でボードをチェックして依頼を受け、借りたままだった本を返却した後酒場へ。カウンターに並んで座るとクレーブスさんがニヤニヤしながら私たちを迎えた。

 「よお、お二人さん。いらっしゃい」
 「…飯」
 「いやぁ、レオンが女の手を引いて歩く日が来ようとはな。何が起こるか分からんもんだ」
 「おい」
 「キラちゃん、レオンに泣かされたらいつでもおれに言えよ。きっちり叱ってやるからな」
 「…はい…い、いえ、あの…」

  レオンさんの声など聞かずに私に話すクレーブスさん。答えに困っていると隣から不機嫌そうな声が。

 「うるせえよ、泣かすわけねえだろ。余計な事言ってねえで飯」
 「へいへい、ランチな」

  クレーブスさんは私たちが酒場を後にするまでニヤニヤ顔を崩さなかった。

  その後、腕を引かれて再び彼の家へ。

  …あれ?私、ギルドの宿でまだ1泊しかしてない。
 
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