愛ゆえに~幼馴染は三角関係に悩む~

田鶴

文字の大きさ
11 / 49

10.好意の押し売り(*)(★)

しおりを挟む
異性間と男同士の性的な接触(挿入なし)が1回ずつあります。男性の自慰の描写もあります。苦手な方はブラウザバックをお願いします。

------

 ヨハンの謹慎中、ロゼはめげずにヨハンのところに来て背中に軟膏を塗りたがったが、ヨハンはいつも追い返していた。謹慎明け後はヨハンとロゼの勤務時間が必ずしも合わないので、こんな攻防ももう終わりだとヨハンは安心していた。

「ヨハンいる? ロゼだけど」

 ヨハンは小さく舌を打ったが、一応返事をした。

「今日は親父に軟膏を塗ってもらったからいいよ」
「軟膏のことはいいから部屋に入れて。今日で謹慎終わりでしょ? お祝いにクッキー持って来たの」

 下女のような使用人にとってクッキーはちょっとした贅沢品だ。彼女の気持ちを無にしては申し訳ないとは思いつつも、部屋に入れたら面倒だから断ることにした。

「女の子を男1人の部屋に入れるわけにいかないよ」
「部屋の前でごちゃごちゃ話してるのを見られるほうがまずいから、とりあえず入れて」

 それもそうだし、せっかくの好意を無にしてはやっぱり悪いかと思ってヨハンは扉を開けた。ロゼはクッキーだけでなく、紅茶を入れたポットとカップも持っていた。

「明日からゆっくりお茶を飲む時間もないでしょう? 一緒にお茶しようよ」

 ヨハンはせっかく持ってきてくれたのだからとロゼの紅茶とクッキーをもらった。ヨハンはフェルディナントのところで高級な紅茶を飲みなれている。ロゼの紅茶は味に深みがない割に妙に甘ったるい香りがした。2口、3口と飲んだところで口から胃まで熱くなってきた。

「おい、何を入れた!」
「ヨハン、楽しもうよ。ああ、すごい胸板……もっと触らせて」

 ロゼはヨハンにしなだれかかってシャツのボタンを器用に外して胸板に直接触り、乳首を舐めた。そしてもう片方の手をヨハンの股間に伸ばして揉み始めた。

「あら? 全然大きくならないじゃない。おかしいなぁ」
「止めろ!」

 ヨハンはロゼを突き飛ばし、部屋の前に押し出した。ヨハンのシャツのボタンは胸まで開いていて乱れており、ヨハンは顔を赤くしていた。

「ヨハン?! どうしたの?!」

 ちょうどフェルディナントがヨハンを見舞おうとして来て、服を乱したヨハンとロゼを見て目を丸くした。ロゼは雇い主の息子であるフェルディナントを見ると、顔を青くして逃げ去った。

「なんでもない、帰ってくれ」
「具合悪そうだよ。どうしたの?」

 ヨハンの顔は真っ赤で汗を大量にかいていた。

「いいからっ! 早く帰ってくれっ」

 フェルディナントはヨハンの肩を押して部屋の中へ無理矢理入った。

「駄目だ、離れてくれ!」
「どうして?……あ?!」

 ヨハンの息は荒く、シャツが汗で濡れて肌が透けて見えた。トラウザーの中心部はテント状に盛り上がり、テントの頂点には我慢汁が染み出してきていた。

「ロゼに……媚薬を盛られた……はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
「どうすればいい?」
「自分で……シコって……出したら……おさまるはず……はぁはぁはぁ……」
「手伝うよ」
「み、見ないでくれっ……」

 フェルディナントは構わずにヨハンのトラウザーの前を寛げ、いきり立って濡れた肉棒を握って扱き始めた。

「これでいいの? あのクソ実習もちょっとは役に立つな」
「あうっ……は、離してっ……ああっ……フェルっ……あううっ…」

 白濁がフェルディナントの手や顔とヨハンのシャツに飛び散った。それを見てヨハンは顔を赤くしたかと思えば、すぐに青くなり、慌てふためいた。

「ああっ! ごめん! すぐに拭いて!」
「いいよ、まだ硬いじゃないか。もっと発散しなきゃだめだろ?」
「後は自分でやるから!」
「手伝うよ」
「俺が嫌なんだ! これ以上、見られたくない!」

 フェルディナントは一瞬傷ついた顔をしたが、すぐに部屋から出て行った。

 フェルディナントが去ったのを確認すると、ヨハンはまだ天井に向かってそそり立つ剛直を握り、扱き始めた。

「……ごめん、フェル、ごめん……ああっ、フェル、フェル!!」

 ヨハンはその後、一心不乱に陰茎を扱き続けて数回射精し、やっと身体の熱が収まった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...