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115話、山脈の小さな町と、素朴な家庭料理
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「はぁ~……いい景色」
「本当ね」
山の頂上から見下ろせる景色に、私とライラは舌を巻いていた。
突き抜ける青空が手を伸ばせば届きそうなくらい近くに感じ、山々が続く地平の更に先まで見通せる。
眼下には青々とした木々が生える森が広がっていて、自然美に溢れていた。
朝起きて、前日から引き続き登山を決行した私たちは、昼前になる頃にようやく山の頂上へと到達したのだった。
山の頂上には私が求めていた町があり、家屋を建てるためか、頂上を切り崩して出来るだけ平面にされていた。
頂上へと続く坂道も一部切り崩されており、段々畑が作られている。
山頂上にある町の名は、ティオス。こんな場所だから他の町とはそんなに交流が無く、食料はほぼ自給自足で賄っているのが特色の町だ。
ここはあまり標高がある山ではないが、それでも登るのに一苦労するくらいには高さがある。風は強く、段々畑に植えられている作物の葉がはたはたと揺れていた。葉っぱ部分が千切れてしまいそうだが、絶妙な所で耐えていて、植物の力強さを感じてしまう。
私も帽子を押さえ、風に飛ばされないように注意する。でも帽子より心配なのはライラの方だった。
「ライラ、飛ばされないようにね」
「分かってるわ……わ、分かってるけど、あ、ああ~」
言ってる間に、ライラは強風に煽られ私の帽子にぶつかる。そのまま彼女は帽子を這いずるようにして、私が肩がけにしている鞄の中へ潜りこんだ。
「ダメね、外に居るとうっかり飛ばされちゃうわ。しばらくここに居る事にする」
鞄の中からひょっこり顔を出しながらそう言うライラ。まるで狭い所に潜りこんで一安心する猫みたいだ。
「しかし山を登るのは大変だったけど、この景色を見る価値はあったかも」
私は再度、頂上から見下ろす景色へ目をうつす。
周りを遮る物が無いからだろうか、とてつもない開放感があった。こういう空からの景色は箒に乗ってる時も眺めていたが、自分の足で到達した場所から見るのとではどことなく心持ちが違う。
こんな高い所まで歩いて来たんだな~、という達成感がある。それが眺める景色を一変させるのだ。
ひとしきり頂上の景色を楽しんだ私は、ティオスの町を軽く観光する事にした。
観光と言っても、このティオスの街並みは基本的に平凡。山の頂上にあるという事以外、そこまで個性はない。
この町がある山の頂上、そこから見える景色そのものが観光名所と言った具合だろう。
それでも、山の頂上にある牧歌的な街並みというのはどこか新鮮に見える。
段々畑のそばでは鶏小屋があった。立地的に放牧は難しそうなので、牛や豚はいなくて代わりに鶏ばっかり居る。時折共鳴するかのように一斉に鳴きだすのがうるさかった。朝は凄い事になりそう。
こんな素朴な町だから、観光客向けの派手な料理なども全くない。食事できるお店はどこも家庭料理専門らしく、気取らず飾り気のない、現地に密着したスタイルだった。
実際現地の人が普段食べている家庭料理の方が、旅をしている私からすれば新鮮に映る事が多々ある。
時刻は昼前だし、山登りで疲れているからお腹はかなり空いていた。お店も開店しているようだし、早めの昼食へとしゃれ込もう。
素朴な外観のお店へと入り、これまた素朴な内装の中を見ながらテーブル席へと座る。
ちらほら現地の人が座っていて、軽食を食べながらお茶やコーヒーを飲んでいた。落ちつくような空気感が心地いい。
メニューを眺めると、やはり家庭料理ばかり。どれもメニュー名を読むだけでどういうものか想像でき、安心感があった。
その中で私が頼んだのは、キャベツとレンズ豆のスープに、鶏肉と長芋のハーブ炒め。付け合わせはパン。
どれもこの町で生産されている食材を使った、自給率百パーセントの料理だ。
程なくして、まずはスープとパンから運ばれてきた。
スープは薄く透き通った黄金色。その中に薄緑のキャベツと小さなレンズ豆が入っている。
パンは一見して分かるくらい硬めのやつ。千切ってスープにひたして食べる用だ。
鶏肉と長芋のハーブ炒めがまだだが、食欲に負けたので早速スープを一口飲む事に。
スプーンに透き通った黄金色のスープとキャベツ、レンズ豆を上手く入れ、ぱくっと口にいれる。
これは……思ってたよりも素朴な味。スープの味はやや薄く、キャベツの甘みが溶け込んでいるのか、ほのかに甘い。おそらくダシは鶏肉かな。あっさりとして薄めだが、奥深さが垣間見えた。
キャベツはしっかり煮込んであるのか食感がとろっとしている。その為スープをふんだんに吸っており、キャベツの甘さを強く感じつつもあっさりとした鶏ガラスープの味が楽しめた。
レンズ豆は煮込んであっても食感が残る。ぽりぽりとした食感がアクセントになっており、豆の素朴な味がたまらない。
薄味であっさりとしているが美味しい。思わずパンを食べると、強い小麦の風味がスープの後味にまじってまた堪らない。
そうしていると、鶏肉と長芋のハーブ炒めがやってきた。
匂いを嗅ぐと、焼けた鶏肉の香ばしさとハーブ特有の良い匂いが感じられる。
どうやらローズマリーをメインに、その他色々なハーブが加えられているようだ。これは期待できそう。
はやる気持ちを抑え、鶏肉と長芋を両方同時に口へと運ぶ。
口に入れるとまず、ハーブの良い匂いが広がる。そのまま咀嚼すると、塩コショウの味がやってきて、鶏肉の旨みと長芋のほろっとした食感と微妙な甘さがやってきた。
鶏肉と長芋のハーブ炒めは、意外と塩コショウが効いている。スープが薄味だった分、かなり濃い味付けに感じてしまうのだ。
しかしおかげであっさりとしたスープが更に美味しく感じられ、そのスープのおかげで味がしっかりした鶏肉と長芋のハーブ炒めがまた美味しくなる。
そこに硬めながらも小麦の風味を強く感じるパンが彩ってくれるのだから、もう堪らない。
素朴でほっと安心する、美味しい家庭料理だ。確かに毎日食べるならこういう料理の方が良い。
ライラと二人であっという間に完食し、お茶を頼んで一息つく。ちなみにこのお茶の茶葉もこの町で生産された物だ。徹底している。
「せっかくだし、デザートも食べようか」
「あら、いいわね。何があるかしら?」
ライラと二人、お茶を飲みつつメニューを眺めてデザートを探す。
昨日から必死で山を登っていたとは思えないくらい、ゆったりとした時間だった。
「……そういえばリリア、山登りが大変なのは私も十分分かったけど、下りはどうなの?」
「あっ!?」
ライラの何気ない一言で、私は思わず大きな声を出す。
そうだ……山を登った達成感で忘れていたが、登ったという事はつまり下りもある。
登るのが大変なのは当然だが、下りは下りで大変だ。下り坂は結構歩きやすいから楽に感じてしまうが、意外と足に負担がかかるし、油断しているとコケて怪我する恐れもある。
そもそも、登った時と歩く距離自体はそう変わらない。楽に感じようが、体の負担もそこまで変わらないのだ。
ゆったりとした時間が一変、帰りの事を考えて私は頭を抱える事になった。
下りは箒……乗っちゃおうかな。
「本当ね」
山の頂上から見下ろせる景色に、私とライラは舌を巻いていた。
突き抜ける青空が手を伸ばせば届きそうなくらい近くに感じ、山々が続く地平の更に先まで見通せる。
眼下には青々とした木々が生える森が広がっていて、自然美に溢れていた。
朝起きて、前日から引き続き登山を決行した私たちは、昼前になる頃にようやく山の頂上へと到達したのだった。
山の頂上には私が求めていた町があり、家屋を建てるためか、頂上を切り崩して出来るだけ平面にされていた。
頂上へと続く坂道も一部切り崩されており、段々畑が作られている。
山頂上にある町の名は、ティオス。こんな場所だから他の町とはそんなに交流が無く、食料はほぼ自給自足で賄っているのが特色の町だ。
ここはあまり標高がある山ではないが、それでも登るのに一苦労するくらいには高さがある。風は強く、段々畑に植えられている作物の葉がはたはたと揺れていた。葉っぱ部分が千切れてしまいそうだが、絶妙な所で耐えていて、植物の力強さを感じてしまう。
私も帽子を押さえ、風に飛ばされないように注意する。でも帽子より心配なのはライラの方だった。
「ライラ、飛ばされないようにね」
「分かってるわ……わ、分かってるけど、あ、ああ~」
言ってる間に、ライラは強風に煽られ私の帽子にぶつかる。そのまま彼女は帽子を這いずるようにして、私が肩がけにしている鞄の中へ潜りこんだ。
「ダメね、外に居るとうっかり飛ばされちゃうわ。しばらくここに居る事にする」
鞄の中からひょっこり顔を出しながらそう言うライラ。まるで狭い所に潜りこんで一安心する猫みたいだ。
「しかし山を登るのは大変だったけど、この景色を見る価値はあったかも」
私は再度、頂上から見下ろす景色へ目をうつす。
周りを遮る物が無いからだろうか、とてつもない開放感があった。こういう空からの景色は箒に乗ってる時も眺めていたが、自分の足で到達した場所から見るのとではどことなく心持ちが違う。
こんな高い所まで歩いて来たんだな~、という達成感がある。それが眺める景色を一変させるのだ。
ひとしきり頂上の景色を楽しんだ私は、ティオスの町を軽く観光する事にした。
観光と言っても、このティオスの街並みは基本的に平凡。山の頂上にあるという事以外、そこまで個性はない。
この町がある山の頂上、そこから見える景色そのものが観光名所と言った具合だろう。
それでも、山の頂上にある牧歌的な街並みというのはどこか新鮮に見える。
段々畑のそばでは鶏小屋があった。立地的に放牧は難しそうなので、牛や豚はいなくて代わりに鶏ばっかり居る。時折共鳴するかのように一斉に鳴きだすのがうるさかった。朝は凄い事になりそう。
こんな素朴な町だから、観光客向けの派手な料理なども全くない。食事できるお店はどこも家庭料理専門らしく、気取らず飾り気のない、現地に密着したスタイルだった。
実際現地の人が普段食べている家庭料理の方が、旅をしている私からすれば新鮮に映る事が多々ある。
時刻は昼前だし、山登りで疲れているからお腹はかなり空いていた。お店も開店しているようだし、早めの昼食へとしゃれ込もう。
素朴な外観のお店へと入り、これまた素朴な内装の中を見ながらテーブル席へと座る。
ちらほら現地の人が座っていて、軽食を食べながらお茶やコーヒーを飲んでいた。落ちつくような空気感が心地いい。
メニューを眺めると、やはり家庭料理ばかり。どれもメニュー名を読むだけでどういうものか想像でき、安心感があった。
その中で私が頼んだのは、キャベツとレンズ豆のスープに、鶏肉と長芋のハーブ炒め。付け合わせはパン。
どれもこの町で生産されている食材を使った、自給率百パーセントの料理だ。
程なくして、まずはスープとパンから運ばれてきた。
スープは薄く透き通った黄金色。その中に薄緑のキャベツと小さなレンズ豆が入っている。
パンは一見して分かるくらい硬めのやつ。千切ってスープにひたして食べる用だ。
鶏肉と長芋のハーブ炒めがまだだが、食欲に負けたので早速スープを一口飲む事に。
スプーンに透き通った黄金色のスープとキャベツ、レンズ豆を上手く入れ、ぱくっと口にいれる。
これは……思ってたよりも素朴な味。スープの味はやや薄く、キャベツの甘みが溶け込んでいるのか、ほのかに甘い。おそらくダシは鶏肉かな。あっさりとして薄めだが、奥深さが垣間見えた。
キャベツはしっかり煮込んであるのか食感がとろっとしている。その為スープをふんだんに吸っており、キャベツの甘さを強く感じつつもあっさりとした鶏ガラスープの味が楽しめた。
レンズ豆は煮込んであっても食感が残る。ぽりぽりとした食感がアクセントになっており、豆の素朴な味がたまらない。
薄味であっさりとしているが美味しい。思わずパンを食べると、強い小麦の風味がスープの後味にまじってまた堪らない。
そうしていると、鶏肉と長芋のハーブ炒めがやってきた。
匂いを嗅ぐと、焼けた鶏肉の香ばしさとハーブ特有の良い匂いが感じられる。
どうやらローズマリーをメインに、その他色々なハーブが加えられているようだ。これは期待できそう。
はやる気持ちを抑え、鶏肉と長芋を両方同時に口へと運ぶ。
口に入れるとまず、ハーブの良い匂いが広がる。そのまま咀嚼すると、塩コショウの味がやってきて、鶏肉の旨みと長芋のほろっとした食感と微妙な甘さがやってきた。
鶏肉と長芋のハーブ炒めは、意外と塩コショウが効いている。スープが薄味だった分、かなり濃い味付けに感じてしまうのだ。
しかしおかげであっさりとしたスープが更に美味しく感じられ、そのスープのおかげで味がしっかりした鶏肉と長芋のハーブ炒めがまた美味しくなる。
そこに硬めながらも小麦の風味を強く感じるパンが彩ってくれるのだから、もう堪らない。
素朴でほっと安心する、美味しい家庭料理だ。確かに毎日食べるならこういう料理の方が良い。
ライラと二人であっという間に完食し、お茶を頼んで一息つく。ちなみにこのお茶の茶葉もこの町で生産された物だ。徹底している。
「せっかくだし、デザートも食べようか」
「あら、いいわね。何があるかしら?」
ライラと二人、お茶を飲みつつメニューを眺めてデザートを探す。
昨日から必死で山を登っていたとは思えないくらい、ゆったりとした時間だった。
「……そういえばリリア、山登りが大変なのは私も十分分かったけど、下りはどうなの?」
「あっ!?」
ライラの何気ない一言で、私は思わず大きな声を出す。
そうだ……山を登った達成感で忘れていたが、登ったという事はつまり下りもある。
登るのが大変なのは当然だが、下りは下りで大変だ。下り坂は結構歩きやすいから楽に感じてしまうが、意外と足に負担がかかるし、油断しているとコケて怪我する恐れもある。
そもそも、登った時と歩く距離自体はそう変わらない。楽に感じようが、体の負担もそこまで変わらないのだ。
ゆったりとした時間が一変、帰りの事を考えて私は頭を抱える事になった。
下りは箒……乗っちゃおうかな。
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