139 / 185
139話、二日酔い吸血鬼
しおりを挟む
温泉に浸かった翌日の早朝。私はまだ起きたくないのに目が覚めていた。
目覚めた理由はひどく簡単である。ベアトリスが……なんかすごく唸ってる。うぅ……という苦しそうな声が断続的に響き、私ばかりかライラまで目を覚ましてしまっていた。
「ベアトリス、どうしたのかしら?」
「さあ……? とりあえず苦しそうだから起こしてみよっか」
毛布に頭までをすっぽり隠して眠るベアトリスを起こすべく、私は彼女の体を揺さぶった。
「う、うぅ……ゆ、揺らさないで……ちょうだい……うぇ……」
するとベアトリスは更に苦しそうな声をあげた。どうやらもうとっくに起きていたらしい。
とりあえず毛布をめくって彼女の顔を出させる。するとその下に現れた顔は普段よりも青白く血の気が無い。
「苦しそうだけどどうしたの?」
まさか、吸血鬼の発作かなにかだろうか? もう血を飲もうともしない彼女は、当然長い間血を摂取してないはずだ。もしかしたらそのせいで吸血鬼として体調を悪くしたのかも。
そんな心配をしていたら、ベアトリスはか細く苦しそうな低い声で言った。
「……二日酔いみたい」
「……」
なんだ、二日酔いか。私はめくった毛布を戻してベアトリスの顔を元通りすっぽり覆い隠した。
こんな風に毛布で頭部までを包んでいるのは、二日酔いで頭が痛いから周囲の音を遮断したかったのだろう。
そもそも二日酔いになったのは自業自得だ。昨夜ライラとばかばかお酒飲んでたもん。十杯以上いってたよあれ。
「昨日バカみたいにワイン飲むからだよ」
「誰がバカよ……」
ベアトリスが苦しそうに唸った。引っかかる所そこなんだ? ただの物の例えだよ。
「納得いかないわ……どうして私は苦しんでるのに……ライラはけろりとしているのよ……」
「え? まあライラは妖精だし……」
正直私としても、ベアトリスと同じくらい飲んだライラがけろりとしているのは驚きだ。でも妖精だしな。妙な所は全部妖精だからで解決した方が悩みが無くていい。
「よく分からないけど、私妖精だから二日酔いとかしないんじゃない?」
ほら、本人もこんなことを言ってるし。
「お、おかしい……こんなの世界が間違っているわ……」
最後に低く呻いた後、ベアトリスはなにも言わなくなった。多分喋ると自分の声が響いて辛いのだろう。
私とライラは顔を見合わせて、一端部屋から出る事にした。この状態のベアトリスと一緒にいたら、彼女の頭痛が地獄のようになると判断したのだ。
「人間ってお酒を飲み過ぎるとああなるのね。かわいそう」
「ベアトリスは吸血鬼だけどね。でもそれベアトリスに言っちゃダメだよ」
お酒飲んでもけろりとしている妖精のライラからそんな事を言われたら、多分また世界がおかしいと喚きだすから。
「とりあえず……朝だしなにか朝ごはん買ってこようか。二日酔いに効きそうな食べ物とかあるかもしれない」
「薬とかはないの? ほら、二日酔いがぱぱっと治る魔法薬とか」
「んー、二日酔いってアルコールが体内に残っているのと脱水症状のせいだったりするからなー。薬飲んでぱぱっと解決は難しいかな。それでもアルコールの分解を効率的にする魔法薬とかあるけど、結局食事で栄養と水分補給するのとやってる事は同じかも」
お酒飲む前ならそれこそ、二日酔い防止になる薬や魔法薬とかもあるにはあるけど。なった後ではどうしようもないよね。
「……結局、食べて安静にしてれば治るってこと?」
「そういうこと。やっぱり世界の真実はごはんだよごはん」
ベアトリスは世界が間違っていると言っていたが、世界は正しい。おいしいごはんを食べれば二日酔いもそのうち治る。それが世界の真理。
ということで、私とライラは旅館の売店へと来ていた。
旅館入り口には売店スペースがあり、お土産品の他飲み物や食べ物など様々な商品が売られている。旅館でごはんを注文しなくても、こちらで買ったのを食べることもできるのだ。
朝は特に軽く速く食べたいから、旅館に注文するよりもぱぱっと買った方が早い。
結構大きな旅館のおかげか、売店の食品売り場には色んな物が売られていた。
「これだけ色々あるなら、二日酔いに効く食べ物から選んで買っていけるかな」
「二日酔いに効く食べ物ってあるのね」
「そう言うと大げさだけど、結局体内に残るアルコールを分解できればいいからね。その為には栄養と水分だよ」
言いながら、私はおにぎりを見繕っていた。最初朝ごはんはパンにしようかなと思ってたけど、フウゲツやルキョウの町はごはんを握って軽食としたおにぎりが豊富に売ってあるので、そっちが食べたかった。おにぎりは惣菜パンと同じく具材が様々あるので、選ぶのも楽しい。
とりあえず三人分買うので、色々な種類を適当に買う事に。ただベアトリスの分は梅おにぎりにしておいた。二日酔いだと胃が気持ち悪くて食欲がないかもしれないから、酸っぱい物で食欲を沸かせようと考えたのだ。
朝なので食べ物はおにぎりだけでいいだろう。とすると次は飲み物。お茶を三本分と、あとカフェオレを一つ買う事に。コーヒーなどに含まれるカフェインは二日酔いの頭痛に多少効果があるけど、ブラックだとお酒で荒れた胃の刺激になる。ミルクたっぷりのカフェオレやカフェラテなら、比較的胃に優しいし、ミルクにも栄養がある。後とにかく水分補給が大事なので、お茶も飲ませよう。
とりあえずこれでいいだろう。ごはん食べて水分たっぷり取って安静にしてれば、昼くらいには調子が戻ると思う。だてに吸血鬼じゃないし。吸血鬼なら体は丈夫でしょ? 多分。
後ついでに、ウコンの粉末があったので買っておいた。ウコンは肝機能を強化する働きがあるとかないとか言われている。なので二日酔い防止として摂取する人も結構いるのだ。民間療法なのであやふやな効果なうえ二日酔いになった後で摂取して意味があるのか疑問だけど、まあ粉末を少し舐めさせる程度なら体に悪くないだろう。思い込み効果で治る可能性もある。
買う物を買ったので部屋に戻ると、ベアトリスはまた唸りだしていた。
「ドアの開け閉めの音が……頭に響くわ……私耳が良いのよ……吸血鬼だから……」
「そうなんだ」
吸血鬼って耳良いんだ? まあ人間より身体能力優れているイメージある。それも二日酔いでぐったりしている姿を見ると台無しだけど。
「とりあえずごはんと飲み物買ってきたから食べなよ。なにか食べないと二日酔いの治りも遅いよ」
「分かったわ……」
もそもそ起きてきたベアトリスに、梅おにぎりとカフェオレが入ったカップを手渡した。
「……お米とコーヒーの組み合わせはどうなの?」
……二日酔いに効くことだけ考えてたから、食べ物と飲み物の相性は一切考慮してなかった。確かに米とコーヒーってどうなんだ。でも食べろ。
ベアトリスはもそもそとおにぎりをほおばりだした。
「……あ、梅。酸っぱくておいしいわ……」
梅の酸味で多少食欲を取り戻したのか、食べるペースが上がった気がする。
途中でカフェオレを飲んだベアトリスは、なんとも言えない顔をした。
「梅おにぎりとの相性はやっぱり良くないわよ」
カフェオレはかなり甘いし、酸っぱい梅おにぎりとはやはり合わなかったらしい。二日酔いのせいではない苦々しい顔をした。
それでも全部食べ終えたベアトリスに、今度はお茶とウコンの粉末を渡した。粉末は透明な小さい袋に入っている。
「なにこの粉……やばいやつ?」
なわけないでしょ。
「ウコンだよ。多分二日酔いにも効く」
「……多分?」
「多分」
疑わしそうな目で粉末を見るベアトリスに私はこくこくと頷いた。正直本当に効くのかどうかは私も分からない。でも効く可能性あるなら舐めときなよ、と目で訴える。
「……」
やがてベアトリスは意を決して指先で粉末を取り、ぺろりと舐めた。
「……にっがっっ! あっ、自分の声で頭が……うぅぅぅ……」
あまりの苦さに驚いた声で頭痛に響くとは……かわいそうなベアトリス。
最後にベアトリスはお茶を飲んで、また布団に潜りこんでいった。毛布ですっぽり頭までを覆い、姿が隠れる。
……まあ、後は時間が解決してくれるだろう。
「あっ、これしゃけおにぎりだわ」
一方ライラは適当に買ったおにぎりを適当に頬張り、色んな味をランダムに楽しんでいた。
平和だ……。確かにこの様子を見ていると、なぜ同じ量のお酒を飲んだライラだけ平気なのかと世界に訴えたくなりそうだ。
とりあえず私が思う事は一つだけ。
お酒、弱くて助かった。それなら最初からたくさん飲もうとしないからね。下手に強い方がうっかり飲み過ぎてベアトリスみたいに二日酔いになりそう。
そんな教訓を抱きつつ、おにぎりを食べる。
私が食べたのはツナマヨだった。うん、おいしい。おにぎりにツナマヨって意外と王道だよね。マヨネーズとお米って合わなそうなのに。
……平和だなぁ。くるまった毛布から時折聞こえる苦しそうな唸り声を聞きながら、私はあらためてそう思った。
目覚めた理由はひどく簡単である。ベアトリスが……なんかすごく唸ってる。うぅ……という苦しそうな声が断続的に響き、私ばかりかライラまで目を覚ましてしまっていた。
「ベアトリス、どうしたのかしら?」
「さあ……? とりあえず苦しそうだから起こしてみよっか」
毛布に頭までをすっぽり隠して眠るベアトリスを起こすべく、私は彼女の体を揺さぶった。
「う、うぅ……ゆ、揺らさないで……ちょうだい……うぇ……」
するとベアトリスは更に苦しそうな声をあげた。どうやらもうとっくに起きていたらしい。
とりあえず毛布をめくって彼女の顔を出させる。するとその下に現れた顔は普段よりも青白く血の気が無い。
「苦しそうだけどどうしたの?」
まさか、吸血鬼の発作かなにかだろうか? もう血を飲もうともしない彼女は、当然長い間血を摂取してないはずだ。もしかしたらそのせいで吸血鬼として体調を悪くしたのかも。
そんな心配をしていたら、ベアトリスはか細く苦しそうな低い声で言った。
「……二日酔いみたい」
「……」
なんだ、二日酔いか。私はめくった毛布を戻してベアトリスの顔を元通りすっぽり覆い隠した。
こんな風に毛布で頭部までを包んでいるのは、二日酔いで頭が痛いから周囲の音を遮断したかったのだろう。
そもそも二日酔いになったのは自業自得だ。昨夜ライラとばかばかお酒飲んでたもん。十杯以上いってたよあれ。
「昨日バカみたいにワイン飲むからだよ」
「誰がバカよ……」
ベアトリスが苦しそうに唸った。引っかかる所そこなんだ? ただの物の例えだよ。
「納得いかないわ……どうして私は苦しんでるのに……ライラはけろりとしているのよ……」
「え? まあライラは妖精だし……」
正直私としても、ベアトリスと同じくらい飲んだライラがけろりとしているのは驚きだ。でも妖精だしな。妙な所は全部妖精だからで解決した方が悩みが無くていい。
「よく分からないけど、私妖精だから二日酔いとかしないんじゃない?」
ほら、本人もこんなことを言ってるし。
「お、おかしい……こんなの世界が間違っているわ……」
最後に低く呻いた後、ベアトリスはなにも言わなくなった。多分喋ると自分の声が響いて辛いのだろう。
私とライラは顔を見合わせて、一端部屋から出る事にした。この状態のベアトリスと一緒にいたら、彼女の頭痛が地獄のようになると判断したのだ。
「人間ってお酒を飲み過ぎるとああなるのね。かわいそう」
「ベアトリスは吸血鬼だけどね。でもそれベアトリスに言っちゃダメだよ」
お酒飲んでもけろりとしている妖精のライラからそんな事を言われたら、多分また世界がおかしいと喚きだすから。
「とりあえず……朝だしなにか朝ごはん買ってこようか。二日酔いに効きそうな食べ物とかあるかもしれない」
「薬とかはないの? ほら、二日酔いがぱぱっと治る魔法薬とか」
「んー、二日酔いってアルコールが体内に残っているのと脱水症状のせいだったりするからなー。薬飲んでぱぱっと解決は難しいかな。それでもアルコールの分解を効率的にする魔法薬とかあるけど、結局食事で栄養と水分補給するのとやってる事は同じかも」
お酒飲む前ならそれこそ、二日酔い防止になる薬や魔法薬とかもあるにはあるけど。なった後ではどうしようもないよね。
「……結局、食べて安静にしてれば治るってこと?」
「そういうこと。やっぱり世界の真実はごはんだよごはん」
ベアトリスは世界が間違っていると言っていたが、世界は正しい。おいしいごはんを食べれば二日酔いもそのうち治る。それが世界の真理。
ということで、私とライラは旅館の売店へと来ていた。
旅館入り口には売店スペースがあり、お土産品の他飲み物や食べ物など様々な商品が売られている。旅館でごはんを注文しなくても、こちらで買ったのを食べることもできるのだ。
朝は特に軽く速く食べたいから、旅館に注文するよりもぱぱっと買った方が早い。
結構大きな旅館のおかげか、売店の食品売り場には色んな物が売られていた。
「これだけ色々あるなら、二日酔いに効く食べ物から選んで買っていけるかな」
「二日酔いに効く食べ物ってあるのね」
「そう言うと大げさだけど、結局体内に残るアルコールを分解できればいいからね。その為には栄養と水分だよ」
言いながら、私はおにぎりを見繕っていた。最初朝ごはんはパンにしようかなと思ってたけど、フウゲツやルキョウの町はごはんを握って軽食としたおにぎりが豊富に売ってあるので、そっちが食べたかった。おにぎりは惣菜パンと同じく具材が様々あるので、選ぶのも楽しい。
とりあえず三人分買うので、色々な種類を適当に買う事に。ただベアトリスの分は梅おにぎりにしておいた。二日酔いだと胃が気持ち悪くて食欲がないかもしれないから、酸っぱい物で食欲を沸かせようと考えたのだ。
朝なので食べ物はおにぎりだけでいいだろう。とすると次は飲み物。お茶を三本分と、あとカフェオレを一つ買う事に。コーヒーなどに含まれるカフェインは二日酔いの頭痛に多少効果があるけど、ブラックだとお酒で荒れた胃の刺激になる。ミルクたっぷりのカフェオレやカフェラテなら、比較的胃に優しいし、ミルクにも栄養がある。後とにかく水分補給が大事なので、お茶も飲ませよう。
とりあえずこれでいいだろう。ごはん食べて水分たっぷり取って安静にしてれば、昼くらいには調子が戻ると思う。だてに吸血鬼じゃないし。吸血鬼なら体は丈夫でしょ? 多分。
後ついでに、ウコンの粉末があったので買っておいた。ウコンは肝機能を強化する働きがあるとかないとか言われている。なので二日酔い防止として摂取する人も結構いるのだ。民間療法なのであやふやな効果なうえ二日酔いになった後で摂取して意味があるのか疑問だけど、まあ粉末を少し舐めさせる程度なら体に悪くないだろう。思い込み効果で治る可能性もある。
買う物を買ったので部屋に戻ると、ベアトリスはまた唸りだしていた。
「ドアの開け閉めの音が……頭に響くわ……私耳が良いのよ……吸血鬼だから……」
「そうなんだ」
吸血鬼って耳良いんだ? まあ人間より身体能力優れているイメージある。それも二日酔いでぐったりしている姿を見ると台無しだけど。
「とりあえずごはんと飲み物買ってきたから食べなよ。なにか食べないと二日酔いの治りも遅いよ」
「分かったわ……」
もそもそ起きてきたベアトリスに、梅おにぎりとカフェオレが入ったカップを手渡した。
「……お米とコーヒーの組み合わせはどうなの?」
……二日酔いに効くことだけ考えてたから、食べ物と飲み物の相性は一切考慮してなかった。確かに米とコーヒーってどうなんだ。でも食べろ。
ベアトリスはもそもそとおにぎりをほおばりだした。
「……あ、梅。酸っぱくておいしいわ……」
梅の酸味で多少食欲を取り戻したのか、食べるペースが上がった気がする。
途中でカフェオレを飲んだベアトリスは、なんとも言えない顔をした。
「梅おにぎりとの相性はやっぱり良くないわよ」
カフェオレはかなり甘いし、酸っぱい梅おにぎりとはやはり合わなかったらしい。二日酔いのせいではない苦々しい顔をした。
それでも全部食べ終えたベアトリスに、今度はお茶とウコンの粉末を渡した。粉末は透明な小さい袋に入っている。
「なにこの粉……やばいやつ?」
なわけないでしょ。
「ウコンだよ。多分二日酔いにも効く」
「……多分?」
「多分」
疑わしそうな目で粉末を見るベアトリスに私はこくこくと頷いた。正直本当に効くのかどうかは私も分からない。でも効く可能性あるなら舐めときなよ、と目で訴える。
「……」
やがてベアトリスは意を決して指先で粉末を取り、ぺろりと舐めた。
「……にっがっっ! あっ、自分の声で頭が……うぅぅぅ……」
あまりの苦さに驚いた声で頭痛に響くとは……かわいそうなベアトリス。
最後にベアトリスはお茶を飲んで、また布団に潜りこんでいった。毛布ですっぽり頭までを覆い、姿が隠れる。
……まあ、後は時間が解決してくれるだろう。
「あっ、これしゃけおにぎりだわ」
一方ライラは適当に買ったおにぎりを適当に頬張り、色んな味をランダムに楽しんでいた。
平和だ……。確かにこの様子を見ていると、なぜ同じ量のお酒を飲んだライラだけ平気なのかと世界に訴えたくなりそうだ。
とりあえず私が思う事は一つだけ。
お酒、弱くて助かった。それなら最初からたくさん飲もうとしないからね。下手に強い方がうっかり飲み過ぎてベアトリスみたいに二日酔いになりそう。
そんな教訓を抱きつつ、おにぎりを食べる。
私が食べたのはツナマヨだった。うん、おいしい。おにぎりにツナマヨって意外と王道だよね。マヨネーズとお米って合わなそうなのに。
……平和だなぁ。くるまった毛布から時折聞こえる苦しそうな唸り声を聞きながら、私はあらためてそう思った。
0
あなたにおすすめの小説
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる