165 / 185
166話、チーズマカロニパンと虹色洞窟
しおりを挟む
今日は朝から渓谷を歩きだしていた。
いつもはゆっくり朝ごはんを食べるところだけど、野宿した近くには川が流れていて、その川が今日の朝には増水していたのでさっさと離れようとなったのだ。
さすがにこの谷全体が浸水するほどにはならないだろうけど、念には念だ。
なので朝ごはんも歩きながら食べる事になった。こんな状況なので、かなりシンプルな物だ。
今日の朝ごはんは昨日のマカロニアンドチーズの残りをコッペパンにたっぷり入れた、チーズマカロニパン。
パンとマカロニという炭水化物同士の組み合わせだが、朝はエネルギーになる物が必要なのでそんなに悪いとは思わない。チーズソースの濃い味が質素なパンの味とも合っていて、食べごたえ十分だ。
私達三人は片手にパンを持って、もぐもぐ食べながら谷底を少し登っていた。増水しつつある川岸から少しでも離れる為だ。
しかしおかげで傾斜道を歩くことになり、結構な足への負担となる。うっかり足を滑らせたら一大事だ。
そんな道中で、私達はとある発見をした。
「……ん? 洞窟?」
先行く谷中の途中に、ぽっかりと空いた洞窟があったのだ。しかも中がキラキラと微かに輝いているように見える。
「なにかしらね、あれ」
ベアトリスが興味深げに近づいていくのを見て、私は声をかけた。
「気を付けた方がいいよ。何かの魔術遺産かも」
魔術遺産とは、自然の魔力が偶然、あるいは必然的にその土地や物体へと宿り、常識からは考えられない働きを発揮する存在だ。
いわば通常からはかけ離れた独自の異空間。一言で魔術遺産と言っても、危険性の低いほんわかとした物から、うっかりすると身の危険が迫るほどの危ない物まである。
だから魔術遺産を発見したら慎重に立ち回る必要があるのだ。
「そんなに危ない物には見えないけど……なんだか輝いていて綺麗よ?」
ベアトリスはのん気に言いながら、物怖じせずに輝く洞窟の入口へと向かった。
さすがは吸血鬼ベアトリス。私の見立てでは、ベアトリスもおそらく魔術遺産かそれに近い存在。吸血鬼の伝承と言った概念が魔力によって実現して生まれたのだと考えている。多分だけど。
通常魔術遺産はその土地その物なので、意思もないし動いたりもしない。だからベアトリスはもう魔術遺産とかいう存在すら超越していると思える。
そんな彼女だからこそ、直感で危険はないと判断できるのかもしれない。その判断を信じて私も後を追いかける。
……もし危険な魔術遺産だったらベアトリスのせいにしよう。
洞窟の入り口から奥を覗くと、ライラが驚いた声を出した。
「わっ! 本当にキラキラしてるっ」
「本当だ……奥の方からかな?」
遠目だと洞窟の入口近くから輝いているように見えたけど、どうやら洞窟の奥に輝く何かがあり、それが洞窟内で反射して入口から漏れていたらしい。
近づいてみて分かったが、光はどうも七色に変化していた。まるで虹のようだ。
「奥に行ってみる?」
ベアトリスの提案に、私は考え込む。
「うーん。魔力の気配も濃いし、多分これ魔術遺産なんだよね。うっかり近づくのも危険だしなぁ……」
「でも、もしかしたら奥に宝石とかあるかもしれないわよ?」
「宝石……?」
「赤かったり青かったり、まるで宝石の煌めきのようじゃない」
なるほど、宝石かぁ。私は虹のように感じたけど、ベアトリスは色とりどりの宝石を想像しているようだ。
まさか奥に宝石があるとは思わなかったけど、もしかしたら虹色に輝く何かは存在するかも。
そんな不可思議物体、できれば一度見てみたいな。
「……ちょっとだけ入ってみよっか」
「そうよ、行きましょ行きましょ」
私も好奇心が疼いたので、三人で洞窟の中へ入っていった。
「結構広いね。自然洞窟かな?」
「どうかしらね……人工的に掘ったとしても違和感ないわ」
この奥に虹色に輝く何らかの魔術遺産があるとしたら、人工的に掘られた洞窟と考えるのがいいかもしれない。
人の感情や想いが形となって現れた魔術遺産は珍しくない。むしろその土地に人の感情が宿ったことで、呪いのようになった魔術遺産は結構あるのだ。
それでもこの洞窟に満ちる魔力からは嫌な気配はしなかった。事実がどうあれ、呪いに近い魔術遺産ではないだろう。多分だけど。
そのまま奥へと進んでいく。その途中で、私達は思わず足を止めた。
「……誰かいる?」
なんとなく人の気配を感じ、小声になる。
洞窟なので音は反響する。当然私達の足音も大きく反響していたのだが、その音に混じって別の足跡も聞こえていたのだ。
思わず立ち止まって皆して息を潜める。すると私達は誰も歩いていないのに、足跡が聞こえてきた。
その音は奥から聞こえてくるのか……大きく反響しているので全くわからない。
やがて、洞窟の奥からひょっこりと小柄な少女が現れる。
その少女の顔を見て、私は驚きに声をあげた。
「あっ!? クロエっ!?」
そこにいたのは、長い銀髪で緑色の瞳をした、魔女帽子を被った少女。幼馴染のクロエの姿だった。
「リリア……こんな所で会うとは驚いた。ライラも久しぶり」
急な再会だと言うのに、クロエはさして驚いたふうでもない。
あまりにも整った顔つきは人形のように美しく、表情もあまり変わらないのでその印象が強くなる。だけど幼馴染の私からすればそのクールな態度はいつも通りなので、むしろ安心できた。
「……そこの金髪の人は……? 前に会ったような気も……」
「ああ、クロエも前会った事あるよ。ほら、ジャムパン売ってたベアトリス。今一緒に旅してるの」
クロエがベアトリスを見て首を傾げるので、私は説明をしてあげた。
「へえ、そうなんだ。リリアがお世話になってるようで」
「いえいえ、お世話しているわ」
お互いなんだその挨拶。私お世話されっぱなしか。
「それで、リリア達はどうしてここに?」
「いや、偶然この変な洞窟発見してさ、興味あったから覗いてみたの。何かの魔術遺産かなって思ってたけど、クロエがいるってことはやっぱりそうなんだ?」
クロエは魔術遺産の研究を主にしている魔女なのだ。
こくんと頷くクロエ。
「そう。前々から発見されてたけど、まだ誰にも詳しく調査されてなかったから現地調査にきた」
「ふーん、それで何かわかった? やっぱり奥に特殊な鉱物や宝石があるの?」
私の問いかけにクロエは静かに首を振った。
「ううん、この虹色の輝きは洞窟そのものが放っている。正確には洞窟の奥の壁が」
「なんだ……宝石があるかと思ったのに残念」
ベアトリスががっくりと肩を落とす。多分珍しい宝石が欲しかったんだろうな。
「せっかくだし、一度見てみるといい。奥まで案内する」
言って先導するように歩き出すクロエに、皆でついていくことに。
「この洞窟って多分人工的な物だよね? 魔術遺産になったのと関係あると思う?」
「……今の所なんとも。どうして洞窟の奥の壁が輝くのかもよく分かってない。この付近の歴史書を呼んでも関連する逸話はないから目下謎」
論理的に成り立ちを解釈できる魔術遺産はかなりまれだ。だから魔術遺産の研究は中々に大変だと聞く。魔術遺産の研究を生業にする魔女が少ないのもその辺りが原因だとか。
そうして奥までたどり着くと、確かに洞窟最奥の壁が光り輝いていた。
洞窟奥は途中で掘るのを止めたのではなく、ここが最奥だと主張するように石の壁が設置されていたのだ。七色に輝いているのはこの石壁だ。
「綺麗だけど……なんでこんな石壁があるのか、どうしてそれが七色に光り輝くようになったのか、やっぱり謎だね」
「うん……わざわざ洞窟を掘って石壁を設置する意味もわからない」
この謎の魔術遺産を前にうーんと首をひねる魔女の私達と違って、ベアトリスとライラは興味深げに石壁を触っていた。
「へえー、このただの石壁に魔力が宿って輝いているのね。変な現象だわ」
「そういえばリリアって、前に鉱石買ってなかった? なんか魔宝石を作るとか言ってたような気がするわ」
ライラに言われ、私は思い出したようにポケットに入れていた質の悪い鉱石を取りだした。
どれもくすんだ色合いの鉱物だったが、魔女の私の近くにずっとあったせいで、今では淡く輝くようになっている。
このように魔女が鉱石に魔力を込めて作りだした宝石を、魔宝石と呼ぶのだ。
「もしかしてこの石壁もこれと同じなのかな?」
この魔術遺産。ただただ偶然に洞窟の奥の石壁に魔力が宿って出来あがったのかもしれない。
クロエは口元に手を当てて考え込みだした。
「ありえないことではない……でもこの洞窟も石壁も偶然の産物ではないと思う。誰かがここが魔力の濃い場所だと知って、わざわざ洞窟を掘り一番魔力が濃い場所に石壁を設置した……と思える」
「まさか、魔宝石を作り出すために?」
「推測だけど。だとしたら魔女の仕業じゃない。多分魔宝石の存在を知った一般人が独力でやりだしたのかも。でも自然の魔力で魔宝石を作るのは何十年もかかるから……」
「作った本人も諦めて放置してそのままって事かな」
「多分」
全部推測だけど。しかし魔女の真似をして魔宝石を作ろうとした結果、魔女でも故意には作り出せない魔術遺産と化したというのは皮肉な結果かも。
この七色に輝く石壁は、このままここに置いておくのが良い。そう判断して私達はこの洞窟を後にした。
後々クロエはこの洞窟を虹色洞窟と名付けたらしい。
いつもはゆっくり朝ごはんを食べるところだけど、野宿した近くには川が流れていて、その川が今日の朝には増水していたのでさっさと離れようとなったのだ。
さすがにこの谷全体が浸水するほどにはならないだろうけど、念には念だ。
なので朝ごはんも歩きながら食べる事になった。こんな状況なので、かなりシンプルな物だ。
今日の朝ごはんは昨日のマカロニアンドチーズの残りをコッペパンにたっぷり入れた、チーズマカロニパン。
パンとマカロニという炭水化物同士の組み合わせだが、朝はエネルギーになる物が必要なのでそんなに悪いとは思わない。チーズソースの濃い味が質素なパンの味とも合っていて、食べごたえ十分だ。
私達三人は片手にパンを持って、もぐもぐ食べながら谷底を少し登っていた。増水しつつある川岸から少しでも離れる為だ。
しかしおかげで傾斜道を歩くことになり、結構な足への負担となる。うっかり足を滑らせたら一大事だ。
そんな道中で、私達はとある発見をした。
「……ん? 洞窟?」
先行く谷中の途中に、ぽっかりと空いた洞窟があったのだ。しかも中がキラキラと微かに輝いているように見える。
「なにかしらね、あれ」
ベアトリスが興味深げに近づいていくのを見て、私は声をかけた。
「気を付けた方がいいよ。何かの魔術遺産かも」
魔術遺産とは、自然の魔力が偶然、あるいは必然的にその土地や物体へと宿り、常識からは考えられない働きを発揮する存在だ。
いわば通常からはかけ離れた独自の異空間。一言で魔術遺産と言っても、危険性の低いほんわかとした物から、うっかりすると身の危険が迫るほどの危ない物まである。
だから魔術遺産を発見したら慎重に立ち回る必要があるのだ。
「そんなに危ない物には見えないけど……なんだか輝いていて綺麗よ?」
ベアトリスはのん気に言いながら、物怖じせずに輝く洞窟の入口へと向かった。
さすがは吸血鬼ベアトリス。私の見立てでは、ベアトリスもおそらく魔術遺産かそれに近い存在。吸血鬼の伝承と言った概念が魔力によって実現して生まれたのだと考えている。多分だけど。
通常魔術遺産はその土地その物なので、意思もないし動いたりもしない。だからベアトリスはもう魔術遺産とかいう存在すら超越していると思える。
そんな彼女だからこそ、直感で危険はないと判断できるのかもしれない。その判断を信じて私も後を追いかける。
……もし危険な魔術遺産だったらベアトリスのせいにしよう。
洞窟の入り口から奥を覗くと、ライラが驚いた声を出した。
「わっ! 本当にキラキラしてるっ」
「本当だ……奥の方からかな?」
遠目だと洞窟の入口近くから輝いているように見えたけど、どうやら洞窟の奥に輝く何かがあり、それが洞窟内で反射して入口から漏れていたらしい。
近づいてみて分かったが、光はどうも七色に変化していた。まるで虹のようだ。
「奥に行ってみる?」
ベアトリスの提案に、私は考え込む。
「うーん。魔力の気配も濃いし、多分これ魔術遺産なんだよね。うっかり近づくのも危険だしなぁ……」
「でも、もしかしたら奥に宝石とかあるかもしれないわよ?」
「宝石……?」
「赤かったり青かったり、まるで宝石の煌めきのようじゃない」
なるほど、宝石かぁ。私は虹のように感じたけど、ベアトリスは色とりどりの宝石を想像しているようだ。
まさか奥に宝石があるとは思わなかったけど、もしかしたら虹色に輝く何かは存在するかも。
そんな不可思議物体、できれば一度見てみたいな。
「……ちょっとだけ入ってみよっか」
「そうよ、行きましょ行きましょ」
私も好奇心が疼いたので、三人で洞窟の中へ入っていった。
「結構広いね。自然洞窟かな?」
「どうかしらね……人工的に掘ったとしても違和感ないわ」
この奥に虹色に輝く何らかの魔術遺産があるとしたら、人工的に掘られた洞窟と考えるのがいいかもしれない。
人の感情や想いが形となって現れた魔術遺産は珍しくない。むしろその土地に人の感情が宿ったことで、呪いのようになった魔術遺産は結構あるのだ。
それでもこの洞窟に満ちる魔力からは嫌な気配はしなかった。事実がどうあれ、呪いに近い魔術遺産ではないだろう。多分だけど。
そのまま奥へと進んでいく。その途中で、私達は思わず足を止めた。
「……誰かいる?」
なんとなく人の気配を感じ、小声になる。
洞窟なので音は反響する。当然私達の足音も大きく反響していたのだが、その音に混じって別の足跡も聞こえていたのだ。
思わず立ち止まって皆して息を潜める。すると私達は誰も歩いていないのに、足跡が聞こえてきた。
その音は奥から聞こえてくるのか……大きく反響しているので全くわからない。
やがて、洞窟の奥からひょっこりと小柄な少女が現れる。
その少女の顔を見て、私は驚きに声をあげた。
「あっ!? クロエっ!?」
そこにいたのは、長い銀髪で緑色の瞳をした、魔女帽子を被った少女。幼馴染のクロエの姿だった。
「リリア……こんな所で会うとは驚いた。ライラも久しぶり」
急な再会だと言うのに、クロエはさして驚いたふうでもない。
あまりにも整った顔つきは人形のように美しく、表情もあまり変わらないのでその印象が強くなる。だけど幼馴染の私からすればそのクールな態度はいつも通りなので、むしろ安心できた。
「……そこの金髪の人は……? 前に会ったような気も……」
「ああ、クロエも前会った事あるよ。ほら、ジャムパン売ってたベアトリス。今一緒に旅してるの」
クロエがベアトリスを見て首を傾げるので、私は説明をしてあげた。
「へえ、そうなんだ。リリアがお世話になってるようで」
「いえいえ、お世話しているわ」
お互いなんだその挨拶。私お世話されっぱなしか。
「それで、リリア達はどうしてここに?」
「いや、偶然この変な洞窟発見してさ、興味あったから覗いてみたの。何かの魔術遺産かなって思ってたけど、クロエがいるってことはやっぱりそうなんだ?」
クロエは魔術遺産の研究を主にしている魔女なのだ。
こくんと頷くクロエ。
「そう。前々から発見されてたけど、まだ誰にも詳しく調査されてなかったから現地調査にきた」
「ふーん、それで何かわかった? やっぱり奥に特殊な鉱物や宝石があるの?」
私の問いかけにクロエは静かに首を振った。
「ううん、この虹色の輝きは洞窟そのものが放っている。正確には洞窟の奥の壁が」
「なんだ……宝石があるかと思ったのに残念」
ベアトリスががっくりと肩を落とす。多分珍しい宝石が欲しかったんだろうな。
「せっかくだし、一度見てみるといい。奥まで案内する」
言って先導するように歩き出すクロエに、皆でついていくことに。
「この洞窟って多分人工的な物だよね? 魔術遺産になったのと関係あると思う?」
「……今の所なんとも。どうして洞窟の奥の壁が輝くのかもよく分かってない。この付近の歴史書を呼んでも関連する逸話はないから目下謎」
論理的に成り立ちを解釈できる魔術遺産はかなりまれだ。だから魔術遺産の研究は中々に大変だと聞く。魔術遺産の研究を生業にする魔女が少ないのもその辺りが原因だとか。
そうして奥までたどり着くと、確かに洞窟最奥の壁が光り輝いていた。
洞窟奥は途中で掘るのを止めたのではなく、ここが最奥だと主張するように石の壁が設置されていたのだ。七色に輝いているのはこの石壁だ。
「綺麗だけど……なんでこんな石壁があるのか、どうしてそれが七色に光り輝くようになったのか、やっぱり謎だね」
「うん……わざわざ洞窟を掘って石壁を設置する意味もわからない」
この謎の魔術遺産を前にうーんと首をひねる魔女の私達と違って、ベアトリスとライラは興味深げに石壁を触っていた。
「へえー、このただの石壁に魔力が宿って輝いているのね。変な現象だわ」
「そういえばリリアって、前に鉱石買ってなかった? なんか魔宝石を作るとか言ってたような気がするわ」
ライラに言われ、私は思い出したようにポケットに入れていた質の悪い鉱石を取りだした。
どれもくすんだ色合いの鉱物だったが、魔女の私の近くにずっとあったせいで、今では淡く輝くようになっている。
このように魔女が鉱石に魔力を込めて作りだした宝石を、魔宝石と呼ぶのだ。
「もしかしてこの石壁もこれと同じなのかな?」
この魔術遺産。ただただ偶然に洞窟の奥の石壁に魔力が宿って出来あがったのかもしれない。
クロエは口元に手を当てて考え込みだした。
「ありえないことではない……でもこの洞窟も石壁も偶然の産物ではないと思う。誰かがここが魔力の濃い場所だと知って、わざわざ洞窟を掘り一番魔力が濃い場所に石壁を設置した……と思える」
「まさか、魔宝石を作り出すために?」
「推測だけど。だとしたら魔女の仕業じゃない。多分魔宝石の存在を知った一般人が独力でやりだしたのかも。でも自然の魔力で魔宝石を作るのは何十年もかかるから……」
「作った本人も諦めて放置してそのままって事かな」
「多分」
全部推測だけど。しかし魔女の真似をして魔宝石を作ろうとした結果、魔女でも故意には作り出せない魔術遺産と化したというのは皮肉な結果かも。
この七色に輝く石壁は、このままここに置いておくのが良い。そう判断して私達はこの洞窟を後にした。
後々クロエはこの洞窟を虹色洞窟と名付けたらしい。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
254
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる