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168話、野草のおかゆ
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お昼ご飯を食べ終えて一息ついた後、私達はローレンス渓谷をまた歩き出した。行先はクロエの調査対象である魔術遺産だ。
朝頃は渓谷下の川が増水していたけど、昼を過ぎると落ち着きを取り戻したので、傾斜道を行くよりは楽だという理由で底の川べりを歩いていた。
川べりは砂利道で大きな石ころもごろごろしていたが、しばらく進むと緑が生い茂っているのが目立ち始める。
近くに清涼な水もあり、空からも日差しが降り注ぐ良い地形だからか、花を咲かせる野草も多い。そのせいかライラは結構上機嫌で、いつもなら私の魔女帽子のふちに座っているのに、ふわふわ漂いながら花へ近づき愛でていた。
「わぁ、この小さくて白い花はなにかしら?」
「ああ、それはセリだよ」
一つの茎から小さく白い花がたくさん咲いて密集している植物を指先でつつくライラに、私はそう答えた。
「セリ?」
「湿地とか水気の多い場所によく自生する植物だね。魔法薬でもたまに使うよ、これ」
「さすが、魔法薬を生業とする魔女」
クロエからそっけないお世辞がとんでくる。
魔女にはそれぞれ得意分野がある。例えばモニカは、私もよく使う物体を手を使わずに操作したり固定するテレキネシスなどの魔術が専門で、クロエは魔術遺産などの他、魔力が宿る鉱石などの物質の性質や活用法を研究するのが専門。
そして私は魔法薬専門の魔女なのだ。披露する場面全くないけど。
魔法薬も旅の場面で便利な物はあるだろうけど、それを実際旅しながら作るとなると……大変なのだ。調合だけで数時間かかる時もあるのに、素材を集めるところからとなると……難しい。
でも植物にはそれなりに詳しいから、そういった知識は旅の最中でも役に立つかも。
「へえ~、あなたはセリって名前のお花なのね~。がんばって咲いてていい子いい子~」
ライラがセリの花に喋りかけながら花びらを撫ではじめる。ほんわかする光景だが、それを見ながら私はふと思っていた。
……そういえばセリって食べられるんだよね。
辺りを見てみると、他にも様々な野草が生えている。その中には食用に適したものがちらほらあった。
……。
「最近お肉ばっかりだったし、今日は野菜でも食べない?」
日光から逃げるように日陰から日陰に移動するベアトリスへ向けて問いかけると、彼女はいい案ね、と頷いた。
「でもあまり野菜は持ってないわよ? さすがに日持ちしないもの」
「ああ、それは大丈夫。この辺にいっぱい生えてるから」
言いながら、近くに生えていたセリを根元からぶちっと引き抜いた。
「セリのお花がーー!?」
「ごめんライラ。これ食用だから食べちゃうね……」
一応引き抜いたのはライラが可愛がってたセリとは別の個体だ。それでもいきなりセリをぶち抜いた私にライラは衝撃を受けていた。
「そう……なんだ……この子達食べられるお花なのね……」
「いや、花部分は食べないよ。食べるのは茎と葉っぱ部分。花は……押し花にでもしておくよ」
「ああ……可哀想なセリと他の草花……せめておいしく食べるわね……えいっ」
ライラもごはんの為ならばと、なんだか悲し気ながらも愛でていたセリを引き抜いていた。いや、その子は許しても良かったんじゃないかなー?
でもライラ自身が収穫したので使わないのももったいない。心の中で冥福を祈りながらそのセリを受け取った。
そうして野草を集めつつ渓谷を進んでいく。ある程度日が落ちてきた頃合いになると、これ以上川べりを進むのは危険なのと朝頃また増水する可能性も考慮し、渓谷の上方面へと退避した。
傾斜ばかりだがやや平らな場所もあったので、そこで今日は野宿することにする。
「よし、今日の夕食は私が作るよ」
野草を食べようと言いだしたのは私だし、魔法薬を生業としているので草花の扱いも手慣れている。
「最近はベアトリスが料理してたから、リリアのお料理を見るのは久しぶりね」
ライラに言われ、私は頷いた。こうして料理するのは本当に久しぶりだ。ベアトリスと比べて私の料理の雑さにびっくりするといい。なんて心の中で謎の強気になる。
「それで、何を作るつもり?」
「野草を入れたおかゆ。ちょっと苦いと思うけど多分おいしいよ」
ベアトリスへ答えながら、早速料理開始。といってもそんなに難しい物ではない。
まずは収穫した野草の根っこと花を切り落とし、茎と葉を軽く水洗いをして、やや大きめにざく切り。
その後は魔術で火を起こし、たき火で底が深めのフライパンに油を入れ軽く熱する。
ちょうど良い温度になってきたら、まずは野草を軽く炒める。炒めながらスパイスをちょっと振りかけた。炒めたのと加えたスパイスで野草の独特な香りを抑え目にする狙いだ。
そして炒めた野草が入ったフライパンに、そのままお米を適量入れる。そこからすぐに水を目分量でたっぷり入れた。
今回作るのはおかゆなので、水の分量はそこまで気にしなくていい。ただ多めに入れないと普通にごはんが炊けてしまうのでそこは注意。目安はリゾットを作る時よりも意識して多めにすることだ。まあ水が少なくても後から加えればいいんだけど。
そして後はベースの味となる出汁を加え、二十分ほど煮ていくだけ。
ベースの味にはコンソメやブイヨンなどあるが、今回はカツオ出汁。どれも粉末状で色んな町に売っている。カツオ出汁の粉末系なんかは、乾燥したカツオをそのまま削って粉状にしているからか、風味が豊かだ。
待ってる二十分は暇なので、お茶でも準備していた。他の三人は適当に過ごしている。クロエなんか本を持っていたらしく、ランプの明かりで読書をしていた。
そして二十分後。おかゆが完成。
出来たての野草のおかゆを前に、ベアトリスが匂いを嗅ぐ。
「良い匂いがするわね」
「魚ベースの出汁だけど、生臭さとかないのが凄いよね」
生魚から出汁を取ろうとするとしっかり下処理しないと匂いが残るから大変なのだ。その辺りを簡単に解決できる粉末系の出汁はやはり偉大。
お米がしっかり炊けている事を確認し、それぞれの器におかゆをよそっていく。
できたてだからまだお米はつぶが立っているというか、ドロっとしたのり状ではない。おかゆというより雑炊といった具合だ。
それぞれおかゆが入ったお碗を前にして、ランプが灯る暗がりの中で頂きます。
まずは出汁の方を一口。熱々でヤケドしそうなのを息で冷ましながらずずっと飲む。
「ん……あっさりしてておいしい」
カツオ出汁はシンプルであっさりながらも旨みがある。いつも私達はコンソメベースのスープが多いが、カツオ出汁のスープも悪くない。お味噌を入れれば以前食べたお味噌汁になるのかな。お味噌がその辺の町で売ってるのかわからないけど。
そして野草と一緒にお米をぱくり。野草はスパイスで炒めているのでそこまで強い香りはない。ただ苦みが結構あった。しかし苦みの中においしさが隠れているというか、なんとも大人な味。
「苦いけどおいしいわね、セリ」
ライラが感慨深げに唸っていた。昼間愛でていたセリのお花をおいしく食べるのって妖精的にはどんな気分なのだろう……。でも満足気だ。
「リリアのシンプルな料理はなんだか落ち着くわ」
「え? 本当?」
しゃくしゃくおかゆをすするライラにそう言われ、ちょっと嬉しさで食べる手が止まった。
「そうね、リリアのシンプルな料理もたまにはいいわ」
と言ったベアトリスに続いて、クロエが頷く。
「うん、リリアの原始的魔女料理はシンプルながらおいしい」
「……あのさ、シンプルシンプル言われると、なんだか褒められている気がしないんだけど……」
なんだろう、最初は嬉しかったのに段々シンプルという一言に引っかかる私だった。
まあ皆が満足してくれたのならそれでいっか。
朝頃は渓谷下の川が増水していたけど、昼を過ぎると落ち着きを取り戻したので、傾斜道を行くよりは楽だという理由で底の川べりを歩いていた。
川べりは砂利道で大きな石ころもごろごろしていたが、しばらく進むと緑が生い茂っているのが目立ち始める。
近くに清涼な水もあり、空からも日差しが降り注ぐ良い地形だからか、花を咲かせる野草も多い。そのせいかライラは結構上機嫌で、いつもなら私の魔女帽子のふちに座っているのに、ふわふわ漂いながら花へ近づき愛でていた。
「わぁ、この小さくて白い花はなにかしら?」
「ああ、それはセリだよ」
一つの茎から小さく白い花がたくさん咲いて密集している植物を指先でつつくライラに、私はそう答えた。
「セリ?」
「湿地とか水気の多い場所によく自生する植物だね。魔法薬でもたまに使うよ、これ」
「さすが、魔法薬を生業とする魔女」
クロエからそっけないお世辞がとんでくる。
魔女にはそれぞれ得意分野がある。例えばモニカは、私もよく使う物体を手を使わずに操作したり固定するテレキネシスなどの魔術が専門で、クロエは魔術遺産などの他、魔力が宿る鉱石などの物質の性質や活用法を研究するのが専門。
そして私は魔法薬専門の魔女なのだ。披露する場面全くないけど。
魔法薬も旅の場面で便利な物はあるだろうけど、それを実際旅しながら作るとなると……大変なのだ。調合だけで数時間かかる時もあるのに、素材を集めるところからとなると……難しい。
でも植物にはそれなりに詳しいから、そういった知識は旅の最中でも役に立つかも。
「へえ~、あなたはセリって名前のお花なのね~。がんばって咲いてていい子いい子~」
ライラがセリの花に喋りかけながら花びらを撫ではじめる。ほんわかする光景だが、それを見ながら私はふと思っていた。
……そういえばセリって食べられるんだよね。
辺りを見てみると、他にも様々な野草が生えている。その中には食用に適したものがちらほらあった。
……。
「最近お肉ばっかりだったし、今日は野菜でも食べない?」
日光から逃げるように日陰から日陰に移動するベアトリスへ向けて問いかけると、彼女はいい案ね、と頷いた。
「でもあまり野菜は持ってないわよ? さすがに日持ちしないもの」
「ああ、それは大丈夫。この辺にいっぱい生えてるから」
言いながら、近くに生えていたセリを根元からぶちっと引き抜いた。
「セリのお花がーー!?」
「ごめんライラ。これ食用だから食べちゃうね……」
一応引き抜いたのはライラが可愛がってたセリとは別の個体だ。それでもいきなりセリをぶち抜いた私にライラは衝撃を受けていた。
「そう……なんだ……この子達食べられるお花なのね……」
「いや、花部分は食べないよ。食べるのは茎と葉っぱ部分。花は……押し花にでもしておくよ」
「ああ……可哀想なセリと他の草花……せめておいしく食べるわね……えいっ」
ライラもごはんの為ならばと、なんだか悲し気ながらも愛でていたセリを引き抜いていた。いや、その子は許しても良かったんじゃないかなー?
でもライラ自身が収穫したので使わないのももったいない。心の中で冥福を祈りながらそのセリを受け取った。
そうして野草を集めつつ渓谷を進んでいく。ある程度日が落ちてきた頃合いになると、これ以上川べりを進むのは危険なのと朝頃また増水する可能性も考慮し、渓谷の上方面へと退避した。
傾斜ばかりだがやや平らな場所もあったので、そこで今日は野宿することにする。
「よし、今日の夕食は私が作るよ」
野草を食べようと言いだしたのは私だし、魔法薬を生業としているので草花の扱いも手慣れている。
「最近はベアトリスが料理してたから、リリアのお料理を見るのは久しぶりね」
ライラに言われ、私は頷いた。こうして料理するのは本当に久しぶりだ。ベアトリスと比べて私の料理の雑さにびっくりするといい。なんて心の中で謎の強気になる。
「それで、何を作るつもり?」
「野草を入れたおかゆ。ちょっと苦いと思うけど多分おいしいよ」
ベアトリスへ答えながら、早速料理開始。といってもそんなに難しい物ではない。
まずは収穫した野草の根っこと花を切り落とし、茎と葉を軽く水洗いをして、やや大きめにざく切り。
その後は魔術で火を起こし、たき火で底が深めのフライパンに油を入れ軽く熱する。
ちょうど良い温度になってきたら、まずは野草を軽く炒める。炒めながらスパイスをちょっと振りかけた。炒めたのと加えたスパイスで野草の独特な香りを抑え目にする狙いだ。
そして炒めた野草が入ったフライパンに、そのままお米を適量入れる。そこからすぐに水を目分量でたっぷり入れた。
今回作るのはおかゆなので、水の分量はそこまで気にしなくていい。ただ多めに入れないと普通にごはんが炊けてしまうのでそこは注意。目安はリゾットを作る時よりも意識して多めにすることだ。まあ水が少なくても後から加えればいいんだけど。
そして後はベースの味となる出汁を加え、二十分ほど煮ていくだけ。
ベースの味にはコンソメやブイヨンなどあるが、今回はカツオ出汁。どれも粉末状で色んな町に売っている。カツオ出汁の粉末系なんかは、乾燥したカツオをそのまま削って粉状にしているからか、風味が豊かだ。
待ってる二十分は暇なので、お茶でも準備していた。他の三人は適当に過ごしている。クロエなんか本を持っていたらしく、ランプの明かりで読書をしていた。
そして二十分後。おかゆが完成。
出来たての野草のおかゆを前に、ベアトリスが匂いを嗅ぐ。
「良い匂いがするわね」
「魚ベースの出汁だけど、生臭さとかないのが凄いよね」
生魚から出汁を取ろうとするとしっかり下処理しないと匂いが残るから大変なのだ。その辺りを簡単に解決できる粉末系の出汁はやはり偉大。
お米がしっかり炊けている事を確認し、それぞれの器におかゆをよそっていく。
できたてだからまだお米はつぶが立っているというか、ドロっとしたのり状ではない。おかゆというより雑炊といった具合だ。
それぞれおかゆが入ったお碗を前にして、ランプが灯る暗がりの中で頂きます。
まずは出汁の方を一口。熱々でヤケドしそうなのを息で冷ましながらずずっと飲む。
「ん……あっさりしてておいしい」
カツオ出汁はシンプルであっさりながらも旨みがある。いつも私達はコンソメベースのスープが多いが、カツオ出汁のスープも悪くない。お味噌を入れれば以前食べたお味噌汁になるのかな。お味噌がその辺の町で売ってるのかわからないけど。
そして野草と一緒にお米をぱくり。野草はスパイスで炒めているのでそこまで強い香りはない。ただ苦みが結構あった。しかし苦みの中においしさが隠れているというか、なんとも大人な味。
「苦いけどおいしいわね、セリ」
ライラが感慨深げに唸っていた。昼間愛でていたセリのお花をおいしく食べるのって妖精的にはどんな気分なのだろう……。でも満足気だ。
「リリアのシンプルな料理はなんだか落ち着くわ」
「え? 本当?」
しゃくしゃくおかゆをすするライラにそう言われ、ちょっと嬉しさで食べる手が止まった。
「そうね、リリアのシンプルな料理もたまにはいいわ」
と言ったベアトリスに続いて、クロエが頷く。
「うん、リリアの原始的魔女料理はシンプルながらおいしい」
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