34 / 325
第33話 【BLACK EDGE 其の33 紅茶】
しおりを挟む
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第33話
【BLACK EDGE 其の33 紅茶】
ブラッドとフェアはアリエルに紅茶を渡される。
「どうも……」
本を片付けた後、話を聞くために一階にあるリビングに案内された。真ん中にある大きなテーブルに座らされると、アリエルが紅茶を持ってきてくれたのだが……。
テーブルの上は本や物だかけ、それに床にもいろんなものが散らかっており椅子に座るだけでも一苦労だった。
そしてアリエルに出してもらった紅茶だが……。コップが汚い。何度も使ったコップをそのまま洗わずに使った感じだ。それに臭い。
ブラッドが飲むのを躊躇していると、横で啜る音がする。
「フェア…………」
隣を見るとフェアは平然と飲んでいた。ブラッドはフェアの耳元で話しかける。
「お、おい。これ飲んで大丈夫なのか? 腹壊したりしないか?」
目の前ではアリエルがニコニコとコチラを見ている。紅茶を美味しいと言ってほしい感じだ。
フェアはひっそりと答える。
「バレない程度に私の方に寄せて」
ブラッドはフェアに言われた通り、紅茶の入ったコップを違和感がない程度、フェアの方に近づける。
すると、紅茶の中からほんの少し、アリエルにバレない程度光った。
「白龍の力で毒は浄化した。とりあえずこれで飲みなさい」
ブラッドがコップを手に持って中を見てみると、それでも汚い感じだ。
しかし、フェアが龍の力を使っていたのは確かだ……ってことは、あのまま飲んでたら毒があったの!?
アリエルは紅茶を飲むまで話を切り出そうとはしない様子だ。というかこちらの飲む様子をガン見している。
もう、こうなったら飲んでやるよぉ!!
ブラッドは紅茶を一気飲みする。マズイ。正直言ってマズイ。しかし、
「な、なかなか美味しいですね」
「でしょ~、お気に入りなのよ」
そう答えるとアリエルも汚れたコップで紅茶を飲んだ。
この人は一体何者なんだろうか。いや、魔女か、……魔女だ。
だが、とりあえずは紅茶を飲んだことだし……。
「それで、フリジアの魔女。俺達はお前の噂を聞いてここにきた。本当に不思議な力があるのか?」
本題を切り出すことにした。
ブラッド達の目的は子供たちの捜索だ。そして救出すること。ここでヒントを得られなければ、今のところは手がかりはない。
ブラッドの問いにアリエルは紅茶をテーブルに置いた。
「不思議な力……ね…………」
そう言うと雰囲気が変わった。さっきまでののんびりとした感じから、突然ブラッドは寒気を感じる。それはフェアも同じだったようだ。
テーブルの下では隣にいるブラッドの服を掴んでいる。
「……アンタたちは何を求めるの?」
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第33話
【BLACK EDGE 其の33 紅茶】
ブラッドとフェアはアリエルに紅茶を渡される。
「どうも……」
本を片付けた後、話を聞くために一階にあるリビングに案内された。真ん中にある大きなテーブルに座らされると、アリエルが紅茶を持ってきてくれたのだが……。
テーブルの上は本や物だかけ、それに床にもいろんなものが散らかっており椅子に座るだけでも一苦労だった。
そしてアリエルに出してもらった紅茶だが……。コップが汚い。何度も使ったコップをそのまま洗わずに使った感じだ。それに臭い。
ブラッドが飲むのを躊躇していると、横で啜る音がする。
「フェア…………」
隣を見るとフェアは平然と飲んでいた。ブラッドはフェアの耳元で話しかける。
「お、おい。これ飲んで大丈夫なのか? 腹壊したりしないか?」
目の前ではアリエルがニコニコとコチラを見ている。紅茶を美味しいと言ってほしい感じだ。
フェアはひっそりと答える。
「バレない程度に私の方に寄せて」
ブラッドはフェアに言われた通り、紅茶の入ったコップを違和感がない程度、フェアの方に近づける。
すると、紅茶の中からほんの少し、アリエルにバレない程度光った。
「白龍の力で毒は浄化した。とりあえずこれで飲みなさい」
ブラッドがコップを手に持って中を見てみると、それでも汚い感じだ。
しかし、フェアが龍の力を使っていたのは確かだ……ってことは、あのまま飲んでたら毒があったの!?
アリエルは紅茶を飲むまで話を切り出そうとはしない様子だ。というかこちらの飲む様子をガン見している。
もう、こうなったら飲んでやるよぉ!!
ブラッドは紅茶を一気飲みする。マズイ。正直言ってマズイ。しかし、
「な、なかなか美味しいですね」
「でしょ~、お気に入りなのよ」
そう答えるとアリエルも汚れたコップで紅茶を飲んだ。
この人は一体何者なんだろうか。いや、魔女か、……魔女だ。
だが、とりあえずは紅茶を飲んだことだし……。
「それで、フリジアの魔女。俺達はお前の噂を聞いてここにきた。本当に不思議な力があるのか?」
本題を切り出すことにした。
ブラッド達の目的は子供たちの捜索だ。そして救出すること。ここでヒントを得られなければ、今のところは手がかりはない。
ブラッドの問いにアリエルは紅茶をテーブルに置いた。
「不思議な力……ね…………」
そう言うと雰囲気が変わった。さっきまでののんびりとした感じから、突然ブラッドは寒気を感じる。それはフェアも同じだったようだ。
テーブルの下では隣にいるブラッドの服を掴んでいる。
「……アンタたちは何を求めるの?」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる