113 / 418
逢瀬
今後の展望
しおりを挟む
エウロペはレジィリアンスをじっ…と見つめると、尋ねる。
「…エルデリオンに…されるのは、好き?」
聞かれた途端、レジィは赤い頬のまま、エウロペからさっ!と顔を背け、呟く。
「…好きかどうか分からないけど…」
「けど?」
デルデロッテとエウロペは、口を挟むラステルを思わず見た。
「…嫌じゃ無い…」
デルデロッテが、半ば呆れて呟く。
「基準はそこ?」
エウロペは顔を上げて、デルデロッテを睨んだ。
「…説破詰まってたんだ!
レジィに選んでる余裕なんて、無かった」
ラステルは更に聞く。
「…エウロペ殿相手は、どうしても…恥ずかしくて頼めなかった?
君が頼めば、彼は火の中水の中。
君の興奮した男の印を口に含む事なんて、屁でも無いのに。
…ああ失礼。
デルデロッテの口の悪いのが、移ってしまった」
「自身の下品さを、私のせいにする?」
デルデロッテに異論を唱えられ、ラステルは顔を背けてバックレた。
レジィはエウロペに振り向き、また頬を真っ赤に染めて、俯く。
途端、思春期の少年の、微妙な心に踏み込みかねるようなエウロペの、狼狽える様子に、ラステルもデルデロッテもが目を見開く。
エウロペは躊躇った後、囁く。
「…デルデロッテ殿の…そんな事は何でも無い。
と言える程の厚顔無恥に、本当はなるべきだ。
将来は、国王となるべき身なのだから」
“厚顔無恥”の件で、デルデロッテが口を開きかけた。
が、エウロペは口を挟ませまいと、急いで告げる。
「…が、私は貴方の…繊細で優しい心根が大好きだから…。
出来るだけ、そのままの貴方を護りたい。
けれどレジィリアンス。
これだけは言える。
エルデリオンは貴方を心から、欲してる。
このままエルデリオンに許せば…男しか、愛せない体にされる」
レジィリアンスは呆けてエウロペを見つめた。
「…そんな…違いが、あるの?」
エウロペはレジィを見ないまま、頷く。
「女性には、男を快感に叩き込む、後腔を抉る一物が無い」
レジィリアンスは顔を下げ…けれど思い当たって、頬を真っ赤にした。
「…何にしろ!
一番始めにそんな…場所に刺激を与えるなんて、最悪だ!」
エウロペに吐き捨てるように言われ、デルデロッテとラステルは思わず顔を見合わせ、首を横に振り合った。
エウロペはレジィに、控えた小声で囁く。
「…もし…また、エルデリオンとしたくなっても構わない。
けれど何をされたか。
私に…言う事は、出来る?」
レジィリアンスは頬を赤くしたまま俯き、掠れた声で言った。
「…凄く…恥ずかしいけど、言える…」
その言葉を聞いて、ラステルとデルデロッテはまた、顔を見合わせた。
「…自分の親か兄弟に、夕べの情事を事細かく、どこをどうした…って具体的説明、貴方なら言える?」
デルデロッテに聞かれ、ラステルは呟く。
「…言わなければならないとしたら。
流石の私も、顔から火が出るほど恥ずかしいから。
そんな事態は上手く避けるな。
…シュテフザインの民は、そっちの方が恥ずかしくないなんて、信じ難い」
ラステルの言葉に、エウロペとレジィリアンスが、同時に顔を上げてラステルを見つめた。
「…エルデリオンに…されるのは、好き?」
聞かれた途端、レジィは赤い頬のまま、エウロペからさっ!と顔を背け、呟く。
「…好きかどうか分からないけど…」
「けど?」
デルデロッテとエウロペは、口を挟むラステルを思わず見た。
「…嫌じゃ無い…」
デルデロッテが、半ば呆れて呟く。
「基準はそこ?」
エウロペは顔を上げて、デルデロッテを睨んだ。
「…説破詰まってたんだ!
レジィに選んでる余裕なんて、無かった」
ラステルは更に聞く。
「…エウロペ殿相手は、どうしても…恥ずかしくて頼めなかった?
君が頼めば、彼は火の中水の中。
君の興奮した男の印を口に含む事なんて、屁でも無いのに。
…ああ失礼。
デルデロッテの口の悪いのが、移ってしまった」
「自身の下品さを、私のせいにする?」
デルデロッテに異論を唱えられ、ラステルは顔を背けてバックレた。
レジィはエウロペに振り向き、また頬を真っ赤に染めて、俯く。
途端、思春期の少年の、微妙な心に踏み込みかねるようなエウロペの、狼狽える様子に、ラステルもデルデロッテもが目を見開く。
エウロペは躊躇った後、囁く。
「…デルデロッテ殿の…そんな事は何でも無い。
と言える程の厚顔無恥に、本当はなるべきだ。
将来は、国王となるべき身なのだから」
“厚顔無恥”の件で、デルデロッテが口を開きかけた。
が、エウロペは口を挟ませまいと、急いで告げる。
「…が、私は貴方の…繊細で優しい心根が大好きだから…。
出来るだけ、そのままの貴方を護りたい。
けれどレジィリアンス。
これだけは言える。
エルデリオンは貴方を心から、欲してる。
このままエルデリオンに許せば…男しか、愛せない体にされる」
レジィリアンスは呆けてエウロペを見つめた。
「…そんな…違いが、あるの?」
エウロペはレジィを見ないまま、頷く。
「女性には、男を快感に叩き込む、後腔を抉る一物が無い」
レジィリアンスは顔を下げ…けれど思い当たって、頬を真っ赤にした。
「…何にしろ!
一番始めにそんな…場所に刺激を与えるなんて、最悪だ!」
エウロペに吐き捨てるように言われ、デルデロッテとラステルは思わず顔を見合わせ、首を横に振り合った。
エウロペはレジィに、控えた小声で囁く。
「…もし…また、エルデリオンとしたくなっても構わない。
けれど何をされたか。
私に…言う事は、出来る?」
レジィリアンスは頬を赤くしたまま俯き、掠れた声で言った。
「…凄く…恥ずかしいけど、言える…」
その言葉を聞いて、ラステルとデルデロッテはまた、顔を見合わせた。
「…自分の親か兄弟に、夕べの情事を事細かく、どこをどうした…って具体的説明、貴方なら言える?」
デルデロッテに聞かれ、ラステルは呟く。
「…言わなければならないとしたら。
流石の私も、顔から火が出るほど恥ずかしいから。
そんな事態は上手く避けるな。
…シュテフザインの民は、そっちの方が恥ずかしくないなんて、信じ難い」
ラステルの言葉に、エウロペとレジィリアンスが、同時に顔を上げてラステルを見つめた。
0
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる