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ゲームクリア・トライ 2

ゲームクリア・トライ 2 の13

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 ステージ6の文字が出て…。
けどかなり、ピンチなんだよね…。
ゼイブン腕輪、宝石に戻って、宝石箱で、きらっ!
って…光ってるし………。

正直、ここまで来られたのだって、ほぼゼイブン宝石のお陰感が、半端無い…。
いざとなれば、一気にカタがつくもんね………。

で。
俺の格好が、恥ずかしい部分、破れたままなので。
ギュンターが、上着脱いで渡してくれた…。
顔は美貌なんだけど。
こういう時。
さりげない男っぽさと優しさが憎い…。

脱いだ後の白シャツ姿って、肩とかのラインがくっきり出て。
金の髪の垂れてて。
余計男っぽい感じする。

オーガスタス、数値40だったからステージ・クリアで10増えて50。
ギュンター、10だったから20になってる。

けど肝心の俺。
経験値は28に下がり。
剣術数値は、13のまんま………。
冗談抜きで、剣術数値の回復方法無いと、ステージ・クリアは難しい気がしてきた………。

しかもステージ上がると…直ぐ周囲変わっちゃって。
エッチで1の数値すら、増やせる時間すら無い……。

しかもこのステージ6って…周囲は野原。
空は晴天。
…なんか余計、ブキミ………。

ところが。
突然、空間に姿を現す、宙に浮く男。
青いおかっぱ頭に青い目。
青白い顔の、青と白の格子模様の上着とズボン着てる。

「ここまで来てくれたんだから、ご挨拶ぐらいしないとね」
って、馬鹿丁寧にお辞儀してる。

ギュンターが直ぐ
「サイベリアン・アメジスト・タイフーン!」
って、叫んでるんだけど。

巨大な竜巻、しゅっ!って空間に姿消して、さっさと避けちゃう…。

空間から、声が響く。
「お返しを、しないとね!!!」

その声が轟いた後。
突然…周囲の地面に霜が這い始め…。

「っ!!!」
オーガスタスが直ぐ、俺の前に立って、逞しい素敵な背中で庇ってはくれるんだけど。
周囲はどんどん凍って行って、氷の壁が聳え立ち始め…。

足元にも、霜は這い進んで来るから、氷の中に閉じ込められるのも、時間の問題…。

もう、これしかないっ!!!
「召喚カード!銀の昇竜!」

叫ぶと…エルベスさんが宙に浮かんで現れる。
周囲の氷見て呟く。
「…熱射系のアドラフレンが居たら、簡単に撃破できたろうけど…。
仕方無いね」

そう言って、オーガスタスへ、手から赤い光を放射する。
すると画面に。
『タイガーズ・アイ・トルネード。
使用準備、OK』
って出て。

オーガスタスが叫ぶ。
「タイガーズ・アイ・トルネード!」

両手胸元から真横に開くと。
周囲に風の渦のバリケードが立ち上がって、霜が足元に這い進むのを、喰い止めてるっ!

けどまた空間から声。
「いつまで保つかな!」

50あったオーガスタスの数値が…風が霜を阻む度に減って行く…。

49、48、47…。

ギュンターが、横で呟く。
「…防ぐだけじゃ、ダメだ」

解るんだけど。
でもその通りだよね…。
なので俺は、もうほぼ無い手持ちのカードを使う。
「召喚カード!黄金の光竜!」

そう叫ぶと。
今度はディアヴォロス左将軍が空間に現れる。
エルベスさんと違って、鋭い黄金の光を、オーガスタスに注ぎ込む。

すると。
画面に
『タイガーズ・アイ・ゴールデン・スパイラル使用準備、OK』
って出た後。
オーガスタスが
「タイガーズ・アイ・ゴールデン・スパイラル!!!」
って叫ぶ!

周囲の風が黄金(きん)を帯びたかと思うと。
風から、黄金の刃が幾本も飛び出し。
周囲を覆う風と共に回転して…風の壁の外を、斬り裂いて行くっ!

けど。
オーガスタスの数値が一気に20も減って。
現在27っ!

氷の柱が、黄金の回転する刃に、どんどん削り取られて崩れ始め、空間から
「ぅおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
って苦悶の叫びが。

ギュンターがオーガスタスを見るんだけど…。
まだやっぱり数値が、減って行くっ!

18、17…16っ!!!!!

このままだと、オーガスタスも、消えちゃうっ!

俺、とうとうたまりかねて。
「召喚カード!黄金の獅子っ!」
って叫んだら。

空間にアルファロイス右将軍が現れて。
手から黄金の獅子を、解き放ってるっ!

獅子は空間に真っ直ぐ飛んで行くと。
がっ!
って、口を開いて、空間を挟み込み、咥え込んだまま、首を振るっ!

透けてた青い髪の魔物が、獅子の口に咥えられた姿を浮かび上がらせ。
投げ飛ばされて、地に、落ちた………。

どさっ!

その途端、オーガスタスが技を解いて、がくっ!って右膝を折る。

オーガスタスの数値…現在、8。

魔物、それで死んだのか。
また…周囲があっと言う間に、変わって行く…。
「休み、ナシか…」

オーガスタス、そう呟くと。
折った膝、持ち上げてまた、逞しい背で、庇ってくれてる…。

俺、ついレイデンに聞く。
「(最初から黄金の獅子出せば…殺れた?!)」
“残念ながら、無理”
賢者も言う。
『その前に弱らせたから。
獅子は姿消してても、あいつを見つけられたのよっ!!!』
「(あっ…そう………)」

ステージ・クリアして7へ。
けど…オーガスタス、残存数値、18。
ギュンター、15…。

もう次で…完全に、ヤバい?!

画面に
『ステージ7』
の文字が出た途端。

周囲がはっきりしない内に突然。

前のオーガスタスと横のギュンターが、一気に凍って、氷の彫像になってるっ!!!

「…えっ?!」

すると空間から。
背まである髪も魔法使い風ローブも。
全部が真っ青の、魔物が現れて言う。
「…弟が、失礼したね…。
でもよく頑張ったよ。
私は…残存数値が30以上ある宝石は、凍らせられないからね!!!」

氷の彫像になった、ギュンターとオーガスタス…数値がどんどん、減って行く…っ!
「(…ど…どうしようっ!)」

「やっと邪魔者ナシで、君と対峙出来るね…。
ああ…美味しそうだ…。
経験値も、うんと減ったみたいだから。
ナニされても、恥ずかしいだろう…?」

「…俺も、凍らせるんじゃ…?!」
そう聞くと。
青だらけの魔物、笑う。
「…そんなコトして、どこが楽しい…?
このゲームは君を、犯して。
辱めて。
いたぶって。
嬲って。
数値を減らしてこの世界に閉じ込める為にある。
さて。
私の下部達に、うんと恥ずかしい事をされて…ゲームオーバーになろうね?」

「…だって…前のゲームオーバーは違ってた!」
「…剣術数値がうんと低いと、弱すぎて、嬲る前に終わっちゃうからねーーー」

凍り付いてる周囲から…毛むくじゃらの雪…男っ?!

「くっくっくっ…。
寒そうだから…。
お前達で、温めておやり」

デカい雪男に腕を掴まれ…俺、必死で抗う。
「やっ!
いやっ!
こんなのにされるのなんて、最悪っ!」

「お馬鹿だね…。
最悪だから…ライフが簡単に、減るんだよ…。
でも確かに、白い毛に真っ黒な猿顔じゃ…見るに耐えないビジュアルだから。
せめて…顔は私の顔にしてあげよう…」

確かにこの魔物。
顔はそれなりに美形なんだけど…。
肌は真っ白だし。
髪は真っ青だし。
目は異様に青く光ってて、ブキミ………。

「さて。
どんな体位で掘ってあげようかね?!」

両側から腕を掴まれて俺。

それでも外そうと、必死で腕を、振りまくった。
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