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甘い愛撫

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 アイリスが、抱き寄せて来るから…。
彼の肩の上に顔を埋め、だが直ぐ顔を上げて口付ける。

顔を傾け…暫く、幾度も軽くアイリスの唇に口付けていると…。

その蜜のように甘くとろけそうな唇にすっかりイカれ、つい舌を差し入れ、再びアイリスの股間に手を這わす。

アイリスは慌てて、身をよじる。
が、追いかけて…。

真っ赤に染まる、唇を塞ぐ。
アイリスは腰を捻るが、のし掛かる俺から身動きが満足に取れないらしく…。
俺は果てた彼の性器を手の中で…ゆっくり弄ぶ。

「…スフォルツァ………!」

アイリスが焦れば焦る程、もっと困らせたい衝動に駆られる。

「…あ…っ!ん……っ!」

彼の性器の先端を指の腹で幾度も軽くなぞってやると、もうアイリスは感じたように、顔を揺らす。

あんまり…それが甘やかに感じ、再び顔を倒して口付ける。

そうして…ゆっくり。
今だ彼の身を包む上着を、脱がせて行く……。

白い肌が暗い室内に灯るランプの灯りの中、さらけ出されるのを目の端に、ゆっくり惜しそうに唇を離す。

唾液が糸を引き、銀に輝き二つの唇を結ぶのを俺は…感極まって見つめた。

彼を再び抱ける喜びで、一度果てたばかりだと言うのに、一気に興奮が戻って来る。

がそのまま顔を降ろし、アイリスの盛り上がった胸の、ピンクの突起に唇を擦りつける。

反応が殆ど無かったから…アイリスが今まで男相手の時あまり、乳首に愛撫を受けなかった様子を見、気持ちはますます盛り上がり、いきなりきつく吸い上げてやると、アイリスが身を大きく、くねらせた。

「あ…んっ!」

甘い…女のような喘ぎ声を聞くと、興奮は更に高まる。
もう片方のピンクの乳首に喰らい付き、やはり同様きつく吸い上げる。
アイリスは大きく身を揺らし、逃れようと俺の肩をきつく握る。

が、歯で挟み込み捻ってやると、泣き出しそうな声を上げた。

「っ……んっ……っ!」

つい顔を上げて顔を伺う。
激しく表情を崩した事の無い、アイリスが。

眉を切なげに寄せ、身を、震わせてる。

優しげな仮面の下に気概を隠し持つアイリスの、そんなしどけない様子に…。
一発で心を持って行かれ、アイリスをもっと…!
あられも無く乱れさせようと、躍起やっきになる。

手でアイリスの性器を握り込み、指の腹で敏感な先端に立て続けに愛撫を加えながら。
顔を倒し、左右交互の乳首に唇を這わせ…幾度も歯で挟み込み、舌先で先端をつつく。

「あっ!あ!」

アイリスの手がきつく腕にしがみつくともう…夢中で。
もっと乱れさせたくて、彼の胸に喰らい付く。

舌先で敏感な先端を転がし、幾度も歯を立ててやる。
アイリスはその都度首を、横にひっきりなしに振って泣き叫ぶ。

「駄目だ…め……!
人前で、衣服が脱げなくなる!
そんな…場所を腫らしたら!
頼むから止め…!あっ!」

抗議を無視し、左右順番にきつく吸い上げてやると、アイリスはもう…感じて声も無く顔を小刻みに震わせながら、首を激しく横に振る。

彼の良く手入れの行き届いた、艶やかな焦げ茶の巻き毛が。
寝台の上に、乱れ散る。

そっ…と顔を上げると、アイリスの瞳は泣いたように潤み切り、肩で息を吐き、顔を深く俯けていた。

両の乳首は…アイリスが懸念したように、最初ピンク色の
(…色白の肌にそれは、薔薇の花びらを散らした様に綺麗だった)
…それでも確かに、男の胸に見えていた。

が。
今や真っ赤に染まり、初め目にした時より確かに…。
ぷっくり膨らんで、愛されるべき感覚器官で、男に可愛がられるのに相応しい、色香を放って見えた。

が、握るアイリスの性器を手放すと、両手で彼の胸に手の平を当てて挟み込み、逃れようと身を揺する彼の揺れる胸を、きつく揉み上げて乳首を立たせ、左右交互に舌先を這わせる。

「…っ!止め……あっ…!」

女の胸で経験済みだったが、きつく寄せ上げ乳首を立たせてやると、感覚は倍増されるらしく、女達は半端無くよがっていたから…。

盛り上がってるとは言え、女の胸とは違うアイリスの胸を、それでも両手で挟み込んで、寄せ上げる。

その胸は激しく揺れて抵抗を示すが、がっちり掴み押さえながら、つん。と立ち上がる乳首に、尚も舌先で突いて唇を這わす。

アイリスが、動揺しきって叫ぶ。

「止めろって……言っ……あっ…ん………」

更に歯で挟んで捻り上げると、アイリスは身を、跳ね上げる。

「やっ……や!
いい加減……!」

が俺はどうしたって、もっと…!
アイリスを追い詰めたくって、更にきつく吸い上げた。

とうとう、アイリスの俺の両腕掴む手に、力が籠もる。

瞬間、身を上に持ち上げられ、胸から顔を力ずくで引き剥がされた。

そのアイリスの力技に、息が止まりそうな程驚き、つい、アイリスの顔を伺う。

アイリスは怒っていて…。
その瞳は濡れたまま、真っ直ぐ俺を見つめ…そして低い声でささやく。

「夜、君と過ごすと。皆、感づいているのに!
もし明日、激しい運動の後で体を拭く時。
肌を晒す機会があって、これを見つけられたら………!」

俺は、乗馬の授業を思い描いた。
風を切って走る。
…とは言え、午後は必ず汗ばむ。

講師が
『布を用意しとけ。次回はもう少し遠乗りして、川で体を拭くから』

…確かそんな事を、言っていた…ような気も、した。

アイリスの眉はまだ、切なげに寄っていて、与えられた愛撫の余韻で震えていた。
が、その言葉ははっきりし出した。

「見つけられなくても、脱げば一発で解る!
君が何をしたのか!
女の胸みたいで、恥ずかしくってさらせやしないぞ!」

「だが凄く感じていた。
そうじゃないのか?」

聞くとアイリスは顔を小刻みに震わせ……呻く。

「こんな…事をされたら普通感じる!
こんな……やり方をされたら!
君は私が…不感症だと思ったのか?!」

俺は不安になって、そっと尋ねる。

「良く…無かったのか?」

だがアイリスは応えず、抗議した。

「女の胸と、間違えてるだろう!
ならこんなへん平を相手にせず、立派な巨乳に顔を埋めろ!」

俺は横たわる彼の顔の脇に両手を付いて、真上から見下ろし、つぶやく。

「君の胸だからいいんだ」

アイリスが顔を、横に背ける。
その顎がまだ…激しい愛撫の余韻で震えていて、俺はつい…彼を見つめた。

そして手を、股間に這わす。
アイリスが激しく、首を横に振った。

アイリスの性器を握る俺の手首を。
押さえるように、握って来る。

「私を…その気にさせて、何度挿入れる気だ?」

その声が掠れていて…。
ついまた、ぞくり…!と背筋が震う。

「良く…無かったか?さっき………」

耳元で息を吹きかけながら、そう尋ねてやると、アイリスは女達のように…感じたように首を振ったから…。

興奮が、また一気に高まる。

「それとこれとは、別だ!」

アイリスの拒絶の言葉。
けれど、泣き声のようにも聞こえる。

俺は顔を傾け、耳元で囁く。

「だが…君だってもう、とっくにその気だ。
そうだろう?」
「君が触るから…!」

唇を…アイリスの首筋に這わせ、また…耳元で。
唇が触れるほど近づけて、ささやく。

「でも…嫌じゃない……。
理由は、恥ずかしいから。
みんなに俺に、抱かれたと知れ渡るのが。
そう…なんだろう?でも決して……」

手の中で握り込むアイリスの、勃ち上がりかける性器を可愛がると、アイリスはまた、甘やかに首を横に振った。

俺は彼の反応を感じ、ささやきかける。
「…止めてなんか、欲しく無い筈だ。
だって…自分でするより、ずっといい………。
そうなんだろう………?」

「んっ………」

それが返事だと、勝手に解釈した。
その甘い喘ぎが『先を続けろ』と、そう……………。

促してると、確信して。
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