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解き放たれた欲望

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 夕飯の、味も丸で解らなかった。
アイリスばかりを見つめてしまって。

なので夕食の席の皆が、俺とアイリスとを交互に眺め。
その様子で完全にこの後、二人で寝室を共にする。
と当たりを付けていた事など、まるで念頭に無い。

が。
当のアイリスは。

周囲で共に食事を取る皆が
『スフォルツァがあんなにのぼせ上がるなんて。
アイリスって、スフォルツァの寝室で。
一体、どんななんだろう?』

と興味深々の視線を向け、顔を盗み見られるのを、吐息混じりで諦めてた。

つまりそれで
『もう少し、隠しておけないのか?』
とアイリスに抗議の視線を向けられ、その時ようやく事態に気づき、俯いた。

けれどもう、弾む心と甘いときめきは抑えようが無い。

アイリスは食事を終えると直ぐ、自室に戻り、その直後。
共同の居間の扉を開けて俺の方へと真っ直ぐ歩を進め、やっぱり胸ぐらをぐい!と掴み、ジロリ…!と詮索する皆に視線を投げた後。

俺を引っ張って俺の自室の扉を乱暴に開け、俺を連れ込んでやっぱり乱暴に、閉めた。

「…アイリス…!あの………」
「いつ私が君の寝室に足を運ぶかを、耳をそばだてて興味深々で詮索されるのはごめんだ!」

そう言ったアイリスはかなり強引で。
その横顔はとても青年らしく見え、つい…彼が少女達を扱う様子が、思い描けた。

優しく優雅そのもの。
けれどいざとなれば実行力もあり、強引に相手の…彼女の腰を、抱き寄せる事もしそうで……。

優美な彼の、そんな男らしさに彼女達が、くらくらするのが想像出来た。

が、寝室の扉を開けてようやく。
胸ぐらを掴む手を放し、振り向くアイリスはやっぱり、素晴らしく可憐な美少年で…。

その焦げ茶の艶やかな巻き毛に囲まれた、色白の肌に浮かぶ濃紺の輝く瞳と、赤い唇に見とれる。

直ぐ…その赤い唇を、自分の唇で塞いでた。
もう我慢なんて、出来なかった。

アイリスを抱き寄せ寝台にもつれ込んで、彼を下敷きにしながら夢中で口付ける。
「ぅ…っんっ…!
スフォル…ツァ!
スフォルツァもう少しゆっくり………あっ…!ああっ!」

彼の股間をはだけ、前合わせを性急に解いて股間の彼の性器をさっさと手の中に、握り込む。

直ぐ、顔を股間に落として握り込んだその先端を、唇でなぜるように愛撫してやると、アイリスは寝台に背を倒し、仰け反った。

「…ん………っ!」

甘やかな喘ぎ。
そのまま唇で輪郭を滑るようになぜ…いきなり…口の中に含むと、アイリスの背が反り返る。

「あっ…あ!」

そのまま熱烈に舌を、絡ませ吸い上げ…。
立て続けに舌をうねるように蠢かすと、アイリスはとても良いように、喉を晒す。

「んっ……んんっ………」

アイリスの手が、股間に張り付く俺の髪をなでる。
乱暴に彼の腰にかかる衣服を一気に剥がし、腿まで引きずり下ろす。

更に膝下まで。
そして足元にかかる衣服をまたぎ、腿の間に入り込むと。
両腿を一気に肩に担ぎ彼の尻を持ち上げ、唇を…その下に、滑らせて行く。

いきなり下半身だけをはだけられ、敏感な急所を襲うように顔を埋め、舌で絡み取られて感じさせられ、強引に足を持ち上げられて股間を広げさせられ、アイリスが恥じるように身を捩らせて、その両足は肩の上で動揺するように揺れる。

が構わず舌を、彼の蕾に差し入れる。

「んっ…!」

上ずった声。
もう夢中で舌を這わせ、彼のそこを緩めにかかる。

「あっ……あ!」

アイリスの声がどんどん…掠れ…。
高い声音にトーンが変わるのを聞きながら、舌を深く差し入れ次に唾液で濡れたそこに指を潜り込ませ、更に奥深く探る。

「んっ…!」

抗議するような声色だったが、正直地獄から天国。

そして焦らされたように一日を過ごし、高ぶりきっていたから。
もう夢中で指を刺し入れ、彼のいい場所を立て続けに指で攻めながら、体を起こす。

途端…アイリスの濃紺の潤みきった瞳が目に飛び込むと、もう我慢出来ず。
自分の腰の、衣服を探って取り出す。

唾液で濡れたアイリスの蕾に宛がうと、アイリスの身がびくん!と大きく揺れ、顎を晒す。

アイリスの眉が泣きそうに寄って、俺は思わず身を彼の上に倒し込むと、彼の両腕が背に巻き付く。

抱きしめられて彼の顔を伺うと、綺麗なその鼻筋の通った顔を傾け、俺を見つめてくるからもう…。
腰を押し出し、彼の中に挿入した。

「う…ぅんっ!」

アイリスが顎を晒し背を反り返らせ、仰け反る。
俺はもっと彼に倒れ込む。

固くしがみつくように腕に抱かれながら、腰を押し進めた。

「あっ………!あ!」

掠れた声を上げ、アイリスが腕の中で身をくねらすともう…駄目だった。
出来るだけ…抑えたつもりだったが、定かじゃない。

つい…激しく突き入れ、指で確認した彼のいい場所を狙って擦り上げる。
あんまり…良くってどうにかなりそうで。

意識が飛びかける。

こんな事は…今まで滅多に、無い事だった。

アイリスの中に銜え込まれてる。

そう…思っただけで固さと熱さは増し。
ぴっちりと包み込まれ、絶頂は間近。

あまりにも早すぎて、相手が女性だったりしたら、思い切りなじられてるところだ。
そう自重するほど、あっという間に高まりきっていた。

腕に抱くアイリスを見つめると、俺に煽られたのかその濃紺の瞳は濡れていて。
あんまり…色っぽくてつい…アイリスの股間に手を伸ばし、探り、握ると彼の性器もとっくに…汁を滴らせていたから…。

握り込んだまま、擦りあげ、同時に腰を突き入れた。

「あっ…あ!………」

彼は言葉で言わなかった。
だが情事に慣れた俺の耳に、それは…。

“とてもいい…”

そう聞こえ、そのまま一緒に絶頂へと駆け登る為、腰を激しく打ち付ける。

「あっ!」

鋭い声に、ぎくっ!とする。

アイリスが…痛んで無いか、慌てて確認する。
が、アイリスは濡れた濃紺の瞳を投げると、腕を巻き付け首を抱きしめ、ささやく。
「大丈夫だから………」

その声が、掠れていて色っぽくて…もう、たまらなかった。

「あっ……!あ……あっ!」

彼を揺さぶるほど激しく、連続で腰を打ち付けるともう……。
頭の中がまっ白に、なって来る。

彼のものもとっくに誇張しきって…ほぼ、同時にイけそうだった………。

つい、高まりきり、これで最後。
そう腰を思い切り、突き上げる。

腕の中のアイリスが激しく揺さぶられ、同時に彼の性器が握る手の中で、一瞬くっ!と突き出した彼の腰の、勢いで擦られ

「ん……あっ!」

その声と共にアイリスの性器を握った手が濡れ…。

…そして俺も彼の中から、一瞬で抜き去ると直ぐ解き放ち、吐息を大きく吐き出す。

あんまり……良くって、体中の力が、一気に抜ける。

が、そっ…と伺うと。
アイリスの蕾の周囲を汚していて、テーブル脇に置いた布に手を伸ばし、後始末する。

自分を拭き…そして彼のものも……。

切れた息を整えながら、テーブル脇に用意された酒の瓶を取り、口に含むとそのまま、ぐったりするアイリスに倒れ込む。

途端、彼が綺麗な顔をこちらに向け、濡れて艶っぽい濃紺の瞳で見つめて来るから…。
つい顔を倒し、果てたばかりだと言うのに、熱烈に。

アイリスに口付けた。

そうさせる、何かが。
アイリスには、あるんだろうか………?

終わったばかりで、こんなに熱の籠もる口づけをしたのは…初めての事だった。

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