可愛がって下さい。

香月ミツほ

文字の大きさ
5 / 21

5 体験入店してみます。

しおりを挟む
この世界に来て2週間が経った。
ぼくは今、スカウトされている。

夜の蝶を束ねるこの人は狐の獣人のタッツィーネさん。キャバクラと娼館とバーと宿屋と、つまりそっち関係を手広く商売にしている人。そんな人がぼくの噂を聞きつけて自らスカウトにやって来た。

「ぼく、娼館は絶対無理です。他のお店だってどうしたら良いか分かりませんし、今のお店が大好きなので他に行くなんて考えられません。」

営業前のマスターのお店の中で狐さんの話を聞いている。ぼくの保護者的立場のマスターが側に居てくれるのが心強い。

「お給料はここの3倍、いえ、5倍にはなるわよ!」

間に合ってます。
みんなの家に転がり込んでるし食事はここのお客さんが分けてくれるし、服もこだわりがないからそんなに要らないし。

「獣人がほとんど居ない所から来たんでしょ?うちのお店なら色んな獣人が来るわ。触って欲しくて来る人もたくさんいるから、耳や尻尾触りまくれるわよ?」

ぐぅっ!!
なんでぼくがそこを触りたがってるなんて分かるの!?このお店の唯一の不満は常連さんばかりだから迂闊にお触りできない事だ。性感帯だと言うもふもふのケモ耳や尻尾を触ったら、それこそ商売替えした事になってしまう。

「ね、まずはお客さんとして来てみない?見学って事でタダで良いから!お友達も少しなら連れて来て良いわよ!」

見に行くだけ?
行く!行きたい!!

ぼくの気持ちを察してマスターがヤマネとメルを連れて行け、って言った。



タッツィーネさんのお店に行くと、ボックス型の席がたくさんある大きな店だった。この町って割と大きな町だったのかな?マスターのお店とは反対方向にあるのでこの辺は全く来たことがなかった。

「いらっしゃい! どんな獣人が見たい?近くに座らせてあげるわよ。」

ヤマネさん達が緊張感丸出しだけど、大丈夫かな?どう言う緊張なんだろう?

「山猫さんとタヌキさんとイタチさんしか知らないので、それ以外の方が居たらお願いします!」

席に案内されて座ると、ウサギ獣人のラブさんと犬の獣人のハニーさんが来た。この2人はお店の人なので同じデザインの制服を着ている。ミニ浴衣風で袖は腕の付け根から手首に向かって広がっている。2人はヤマネさんとメルさんにしなだれかかって嬉しそうに接客をする。ぼくは放置?

「あなたは見習いだから私たちがお客さんに何をするのか見せるように、って店主に言われてるの。」

まだ見習いにもなってませんが?

「ダメ! ミッツにこのお店は向かないよ!」

メルさんが犬の獣人さんを押しのけて言う。恋人なの?って聞かれたけどどう答えたら良いんだろう…

ラブさんとハニーさんに耳や尻尾のお触りについて聞く。結構な確率で触られたがるらしい。いちゃいちゃするのが目的だから当たり前だけど、ここではお触り以上の事は禁止だって。それ以上の事がしたいなら本人の意思確認を店主がして、2階の部屋に行くそうだ。無理やりじゃないか、飲み過ぎておかしくなってないか。タッツィーネさんが店の人達を大切にしている事がうかがえる。

あ、ヤギの獣人さんだ。
隣のボックス席に来たヤギの獣人さん。角がある!確かに耳を触らせてうっとりしている。ちょっと羨ましい。

ヤマネさんもメルさんもかっこいいからラブさんもハニーさんも仕事を超えてメロメロだ。飲み物と食べ物が運ばれて来たけど、正直マスターの方が料理が美味しい。

でもウサ耳も犬耳も可愛くて触らせてもらったら2人ともヤマネさんとメルさんにしがみついて喘いで身を震わせた。

…?

感じやすいのかな?隣のヤギさんも驚いた顔で真っ赤になってる。

「ちょっと! 何をしたの!?」

タッツィーネさんが飛んで来た。
責めるような口調に慌てて口ごもるぼくのした事を、ぐったりとした2人が身を起こして説明してくれた。

「耳を触っただけ、ですって…?」

信じられないでいる店主さんに試してみろとヤマネさんが言う。

席を移動して狐耳を触らせてもらった。
ふかふかの耳毛をそろりと触り、ゆっくりと耳の付け根に指を近づける。指先で優しくつまんでやわやわと揉むとタッツィーネさんは「んんっ…」と堪え切れない小さな喘ぎ声を漏らした。

気持ちいいんだ…と思うと愛おしくって耳を撫でまくる。そして調子に乗ってしっぽも撫でると

「ふっ、あぁ…あっ、あっ…、はぁぁぁん!!」

身を強張らせた後、がっくりと弛緩する狐さんは緑色の瞳を潤ませて壮絶な色香を放っている。

「こんな事って…」

こう言う仕事をしていたら百戦錬磨だろうに耳としっぽを触られただけでイくとか、可愛すぎる。耳としっぽの性感すごすぎぃ!

「やっぱり…ミッツの手が特別なんだ!」

メルさんの感想にヤマネさんが力強く頷く。ぼくが特別なの?

隣のヤギさんがこっちを気にしてたけとど、隣の人が腕にすり寄って浮気しちゃダメ、って感じで甘えて注意を引き戻してた。

「この子、絶対うちに欲しいけど取り扱いに注意しないと危険だわ!」

ラブ&ハニーさんが着替えに行った。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

騎士団長の秘密

さねうずる
BL
「俺は、ポラール殿を好いている」 「「「 なんて!?!?!?」」 無口無表情の騎士団長が好きなのは別騎士団のシロクマ獣人副団長 チャラシロクマ×イケメン騎士団長

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

黒豹拾いました

おーか
BL
森で暮らし始めたオレは、ボロボロになった子猫を拾った。逞しく育ったその子は、どうやら黒豹の獣人だったようだ。 大人になって独り立ちしていくんだなぁ、と父親のような気持ちで送り出そうとしたのだが… 「大好きだよ。だから、俺の側にずっと居てくれるよね?」 そう迫ってくる。おかしいな…? 育て方間違ったか…。でも、美形に育ったし、可愛い息子だ。拒否も出来ないままに流される。

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

処理中です...