行ってみたいな異世界へ

香月ミツほ

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行ってみたいな異世界へ

22 魔術で3分クッキング

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魔術で3分クッキング!

ジャガイモの皮と中身の間に魔力を送り込み発火。一瞬で皮が剥けます。次に紡いだ魔力に熱を与え熱線で野菜を切ります。あ、これは包丁の方が楽かな?水を入れた鍋に肉と野菜と調味料を入れ加熱して煮込みます。火力が強すぎると一瞬で蒸発するので注意しましょう。あ、具材に直接熱を入れた方が早いわ。
電子レンジならぬ魔力レンジ。

ポトフの完成まで2分ちょうど。

時間が余ってしまいました~♪

……何これ!すごい。

魔力は糸状だから切る時は支えになる金属が欲しいけど、皮むきは隙間を手探り(魔力探り?)で良いからめっちゃ楽!タマネギのみじん切りも涙の元の硫化アリルを燃やしちゃうからすっごい楽!!

俺は今モーレツに感動している!!

魔術しゅごい!!

ただし、ご飯や焼き芋は時間をかけて加熱する事でデンプンが糖に変わるので普通の調理が美味しさの秘訣。合理的に柔軟に~。

今夜は大量のタマネギを使ってハンバーグ!タマネギのみじん切りが面倒で避けてたメニューのお出ましです。あれ?俺、テンションおかしい?

ポトフとハンバーグとクレソンのサラダとジャーマンポテトで良いかな?

ハンバーグは1つ600gにしたんだけどストゥさんはそれでも足りないらしいので追加分をテーブルに置いた七輪で網焼き。食べてるうちに焼けるはず。600gを2枚って……俺は200gでじゅうぶんです。

風呂の前に筋トレ。花見で情けない自分を実感したので出来る範囲で腹筋背筋腕立てにスクワットをやリ始めた。治癒できるから筋肉痛も怖くないし、成長期なんだし!!

3日坊主にならないよう、2人に協力をお願いしている。

「そう言えば遠征中はお風呂に入れないんですよね?」

と聞いてみた。
北東の山には温泉があるが魔獣が強くて中級以上じゃないと参加できないし下手したら死人も出るので無理。今回行く南西は魔獣が弱い分、数が多いので初級でもやる気のあるやつにどんどん参加して欲しい、けど温泉はない、って。

残念……。

いや、仕事だから贅沢言っちゃぁダメって分かってるけど!
地属性の魔術で温泉掘り当てられないかな?


**********************


朝食を食べてギルドに向かう道……死屍累々。
昨夜で花見が終わり生け贄を免れたものの家に辿り着けずに力つきた人達。
春の風物詩と言うにはあまりにも見苦しい。……言い過ぎかな?

ギルドで大規模討伐への参加登録をするついでに3人でパーティー登録もする事になった。
リーダーの名前であいつのとこの、って呼ばれるのでパーティー名は考えなくて良い。ホッとした。

2人は討伐班、俺は医療班。
あ!まだ治癒の練習できてない!
ストゥさんは治癒できなけりゃ食事班でも良いぞ?って言うけど手が足りないのは医療班だよね?

ぶっつけ本番は不安なのでこのままギルド内で怪我人を捜して練習させてもらう事にした。
もちろん許可をもらって。

受け付けの横に立って怪我人を待つ。
幸か不幸か花見の際に転んだりケンカしたりして練習にちょうど良い小さな怪我をした人が何人も来た。出かける前のちょっとした時間をもらって治癒をする。小指の骨折まで治せちゃった!

ついでにちょっと考えて二日酔いの人は体内のアルコールを解毒して水分補給をさせたら直ぐに回復した。

これにはみんなびっくりして我も我もと二日酔いの人達が集まって来た。……酒臭い。
匂いを我慢しつつ30人程治癒したところでティスさんに今日はここまでにしましょう!って言われた。遠征前に無理はしないように、だって。まだ全然平気だけど、ここは先輩の言う事を聞きましょう。

受け付けに治癒した内容と人数を報告したら驚かれ、喜ばれた。

「ストゥさんはどこへ行ったんですか?」

姿が見えないのでティスさんに聞くと、先日のツタの分析結果が出たので報告書を届けに行ってるそうだ。あの樹液美味しかったなぁ……。でも……媚薬効果があったかも知れないんじゃダメだよなぁ。樹液に解毒は効かないかなぁ?

そんな事を考えてたらストゥさんが戻って来た。
片道2時間くらいだったハズなのにまだ3時間くらいしか経ってないよ。

「あぁ、早駆けしてきた。」

上気した肌がに光る汗がカッコいい。俺も乗馬できるようになりたいな。

「明日は馬車が混まないうちに行きますから、朝早いですよ。帰りましょう。」

ストゥさんに見惚れてたらティスさんに引っ張られた。
これって焼きもち? えーっと…… ちょっと嬉しい。


**********************


遅いお昼を食べて家に帰って明日からの準備の続き。

結局、深型のフライパンを1つだけ持って行く事にした。あと七輪の火種。
支給される食事はパンとシチューと肉が基本で、食べ放題ではないから1人分の量も限られる。七輪の火種は魔力を補充すればずっと使えるし、石を並べて作ったかまどでも充分使えて火力調節も簡単!

あとは根菜と乾物と調味料、ドライフルーツ。1週間分の補助食だからそんなにたくさんはいらない。

着がえが少なくて良いのもありがたい。



準備が終わったくつろぎタイムにストゥさんが小さなビンを取り出した。

「タケル、見覚えがあるか?」

ビンに入っているのは一粒が1cmくらいの青い実。
見覚えならある。巨大ツタの実だ。

分析結果が出て毒性と言うか薬効と言うかがあったのがこの実。樹液には薬効も毒性も無かったそうだ。

「……それはつまり…」

「これも食べたな?」

己の食い意地を反省してます。つまり樹液じゃなくてこの実を食べたせいであんな事になった訳ですね。何の味もしなくて1粒しか食べなかったからあの程度で済んだけど、もっと食べてたらとんでもなく恥ずかしい事に!?

……じゅうぶん恥ずかしい事になりましたが。他人の目がある所でエロエロにならずに済んだ、と捉えればよろしいですか?

「もう絶対、怪しい物は口に入れません!!」

2人に笑われたー……

そしたらティスさんが手を伸ばして来て膝に乗せられた。

「この遠征でタケルは中級になるかも知れませんよ?そうしたら初級者の手本にならないとダメですからね。」

優しく髪を梳きながら言われる。そんな簡単にランクアップするかな?疑問を口にすると賭けますか?って。

「私はすると思ってます。ランクアップしたら私の願いを叶えてくれますか?」

「じゃぁ、オレもランクアップに賭けるぞ。」

それフラグ!

「日本では『この戦いが終わったら』『これができたら…』と言うと生きて帰れないと言われてるんですよ!ダメです!今できる事ならやりますから言って下さい!!」

いくら強い魔獣が出ないと言っても何があるか分からないのに、死亡フラグ立てちゃダメ!

「私の願いは先日も言いましたが、ストゥと同等の立場になりたいので口づけを許して欲しいんです。」

それってストゥさんも例のお手伝いして欲しいって事?
ストゥさんを見ると目尻をほんのり染めて色気を含んだ笑顔で頷いている。

「そ…れは… 俺もそろそろ良いかな、って思ってたから……」

目をまん丸にして声もなく驚くティスさんを見上げて顔を近づける。顔が熱い、心臓がうるさい、息が苦しい……

俺の後頭部に右手を添えて恐る恐る近づくティスさんの上気した顔はすでに蕩けている。軽く触れるだけのキスを何度か角度を変えてしているうちにぽーっとして唇が緩む。唇の隙間からゆっくりと侵入する舌はそっと歯列をなぞり上顎を愛撫して俺の反応を確かめて行く。

「ん……ちゅっ…ふっ……んぅ…」

おずおずと舌を差し出すと搦め捕られ吸われて唾液が混じりあう。ちゅくちゅくと聞こえて来るいやらしい音が快楽を煽る。頭がぼぅっとして体が熱くて力が入らなくて……快楽の象徴に熱が集まる。

離れかけた唇を追いかけてもっとと強請ると再び熱く応えてくれる。

気持ち良い気持ちいい気持ちいい

キスだけでこんなに気持ち良いなんて思わなかった。これでもっと先に進んだら……体を重ねたら……

「ふぅっ…んんぅん!!」

体をこわばらせてしがみつき絶頂へと達してしまった。
キスだけでイクって… その先を想像しちゃったせいもあるけど本当に?

「タケル!タケル!タケル!!」

ティスさんの涙を浮かべた嬉しそうな顔。

恥ずかしすぎる! 俺はもう、どうしたら良いんだ!!

パニック寸前になっていたらストゥさんが次はオレだと抱き上げてお風呂に連れて行かれた。体に力の入らないオレを座らせ、自分の服を脱いでから俺の服を脱がして運んでくれる。かけ湯をして一緒に湯船に浸かり……

「…負けた…」

ぽつりと呟くその言葉に顔を見上げると、頬を染め悔しそうに眉をひそめている。

「口づけだけでイかせるとか…くっそ!!」

「恥ずかしいから…あんまり言わないでください…」

消え入る様な声でお願いすると、大きなため息をついてうしっ!と気合いを入れるストゥさん。

「じゃぁ、切り替えてお手伝いしてもらうかな?」

俺は真っ赤な顔で頷く。ギルドの部屋と違って小さなバスタブが無いから広い洗い場でするのは更に恥ずかしい気がする……

浴槽を囲む10cm程の縁に腰を下ろしたストゥさんの足の間に跪き、通常でも質量のあるストゥさんのそれを見る。人の物をまじまじと見るのがこんなに恥ずかしいなんて……

ドキドキしながらストゥさんの顔を見上げると色っぽい顔で穏やかに微笑んでて俺の鼓動は更に早くなった。慌ててうつむくとさっきより質量を増している。腿に手を添えてちょうどいい距離に進むと腿を撫でられた刺激のせいか触れてもいないのにゆるゆると立ち上がる。

「やべぇ……」

ごくりと喉を鳴らして呟く声が聞こえる。半勃ちのそれを両手で包み込むと一気に硬度を増した。まだ先走りもなくぬめりの無いまま扱くと痛い事は経験で知っているので唾液を垂らして滑りを良くする。

「っっ!! どこでそんな…」

修学旅行の夜、自慰をどうやるのが気持ち良いかを同じ部屋の奴らが話しているのを聞いていたからだが、自分の姿を想像して硬直する。

「友達が…1人でする時、ぬめりが足りない時どうすると気持ち良いか…話してたのが聞こえて…」

「オレを煽ろうとした訳じゃ「違います!!」

なんて事言うんだ!煽り方とかいやらしい見せ方とか考えた事無いし!!
泣きそうになって抗議するとスマン、って謝られる。見た目の破壊力で出るかと思って焦ったんだって。

……それはちょっと試したい。

イタズラ心が沸き上がるのが顔に出たのかむにっと頬をつねられた。

2人でふふっと笑ってリラックスした所でお手伝い再開。
さっきより顔を近づけて見せつけるように唾液を追加するとうぐって変な声が聞こえた。

ゆっくりと上下に扱いてぬめりを広げて行く。すぐに雫が溢れて来て感じてくれている事が分かる。すごく恥ずかしいのに喜んでもらえるのは嬉しくて興奮する。

強さの加減が分からない俺に焦れたのか大きな手で握る。だんだん速くなる動きに終わりが近い事を悟り自分が気持ち良い所についっと指を滑らせると、不意の刺激に押し上げられたのか勢い良く白濁を吐き出した。

俺の腹も胸も顔もストゥさんの精液が飛び散っている。

軽く息を乱しながらうっとりとこちらを見つめるその顔は壮絶に色っぽくて目が離せない。

ぼぅっとしていると優しく押し倒されて緩く立ち上がっていた中心を温かくて柔らかな感触が包み込む。

「あぁ!…それ……ダ、メ…やぁぁぁん!!」

ぬるぬると動き回る舌に翻弄され、あっという間に果てる。ぴゅくぴゅくと吐き出した精液を最後の一滴まで搾り取るように吸い上げられ目の前がスパークする。

「タケル?大丈夫か?」

一瞬意識が飛んでたようで心配された。大丈夫だと頷くと安心したストゥさんはそれはもう機嫌良く世話を焼いてベッドに姫抱きで運んでくれた。

そのまま朝まで寝てしまったので夕飯を作れなかった。
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