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桃太郎、最終決戦
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王城を出て一週間、ようやくオーガの潜伏先である鬼ヶ島に到着しました。
辺りは重い雲に覆われて日の光が差さず、禍々しい空気が張り巡らされており、桃太郎たち以外誰も島にはいません。
海岸沿いから獣道を歩いていくと、島の中心に大きな洞窟を発見しました。
その前に下っ端と思われるオーガが二匹門番として立っていたため、そこがオーガの巣とみて間違いありませんでした。
「ここが敵の本拠地ってやつだな」
「そうみたいでありますな」
「猿さん、遅れないようについて来てくださいね。離れたら危ないですから」
「了解ウキ」
「ところで、今更な話をしてもいいですか?」
「これから大事って時に、なんだよ?」
「フェンリルさんとフェニックスさんが洞窟に入るには大きすぎると思うんですが…」
「そのことでありますか」
「体なら小さくすることができるから気にするな」
「自分も小さくなれますぞ」
「そうなんですか!?小さいとどれくらいですか?」
「子犬程度」
「インコくらいですな」
「今の体の大きさは通常状態なのでしょう?」
「そうだな。これ以上大きくはならん」
「自分もです」
「それなら、潜入の間は小さくなっていてください。戦闘が始まったら今の大きさに戻るということで、お願いします」
「あぁ」
「了解した」
「では行きましょう」
フェンリルとフェニックスが一撃で門番を仕留め、隠密に洞窟内へ潜入を始めました。
入口付近は僅かな外の光で明るかったが、それも少し中に入ると真っ暗闇です。
しかし、真っ暗闇な洞窟内の所々に松明が置かれていて、それが唯一の光源でした。
松明を一つ拝借し、桃太郎を先頭に、猿、フェンリル、フェニックスの順に進んで行きます。
奥にどんどん進んでいくと、拓けた場所に出ました。
そこには、オーガはもちろん、ゴブリン、ホブゴブリン、オークがざっと見た感じ数万の兵がいました。
「これから本土に上陸し、俺たちの国を作る!」
「「「おぉ~!!!」」」
「俺たちは強い!」
「「「俺たちは強い!!!」」」
「俺たちは強い!」
「「「俺たちは強い!!!」」」
「行くぞっ!」
「「「おぉ~!!!」」」
士気が最高潮に達しています。
桃太郎は三匹に指示を出します。
「多分ここにいるので全兵士だと思います」
「だろうな。かなり士気が上がっている」
「どういう作戦で行くでありますか?」
「いつも通り、私とフェンリルさんとフェニックスさんで戦闘、猿さんは隠れていてください。かなり激しい戦闘になると思いますので、援護はできないと思います。猿さんは自分の身は自分で守ってください」
「了解ウキ」
「では行きますよ。準備はいいですか?」
「いつでも」
「大丈夫であります」
「OKウキ」
「3…2…1…GO!!!」
フェンリルとフェニックスは体の大きさを元に戻し、桃太郎と共に戦闘部隊は敵陣に突っ込みます。
フェンリルとフェニックスはここに来るまでの道中、『どちらが多く敵を倒すか』という勝負を始めました。
フェンリルは大きな爪を駆使して、一度に多くの敵をその爪を真っ赤に染めています。
フェニックスは纏っている炎を操って、敵を一気に火だるまにしています。
その様はまるで新しい遊びを見つけた子供のようです。
桃太郎は雑魚をなぎ倒しながら、敵の親玉であるオーガマスターの元へ一直線に駆け出しました。
「お前が親玉か」
「ちっこい体で俺を殺れると思っているのか?」
「やってみないと分からないだろう?」
「生意気だな」
「吠え面かかせてやるよぉぉぉぉぉ!!!」
普段は穏やかな桃太郎も、いざ戦闘になるとかなり好戦的な性格に変わるようです。
見たことのない笑みを口元に携えて、オーガマスターとの戦闘を楽しんでいます。
そんな彼らのおかげで猿が隠れていることに気付く者は誰もいませんでした。
辺りは重い雲に覆われて日の光が差さず、禍々しい空気が張り巡らされており、桃太郎たち以外誰も島にはいません。
海岸沿いから獣道を歩いていくと、島の中心に大きな洞窟を発見しました。
その前に下っ端と思われるオーガが二匹門番として立っていたため、そこがオーガの巣とみて間違いありませんでした。
「ここが敵の本拠地ってやつだな」
「そうみたいでありますな」
「猿さん、遅れないようについて来てくださいね。離れたら危ないですから」
「了解ウキ」
「ところで、今更な話をしてもいいですか?」
「これから大事って時に、なんだよ?」
「フェンリルさんとフェニックスさんが洞窟に入るには大きすぎると思うんですが…」
「そのことでありますか」
「体なら小さくすることができるから気にするな」
「自分も小さくなれますぞ」
「そうなんですか!?小さいとどれくらいですか?」
「子犬程度」
「インコくらいですな」
「今の体の大きさは通常状態なのでしょう?」
「そうだな。これ以上大きくはならん」
「自分もです」
「それなら、潜入の間は小さくなっていてください。戦闘が始まったら今の大きさに戻るということで、お願いします」
「あぁ」
「了解した」
「では行きましょう」
フェンリルとフェニックスが一撃で門番を仕留め、隠密に洞窟内へ潜入を始めました。
入口付近は僅かな外の光で明るかったが、それも少し中に入ると真っ暗闇です。
しかし、真っ暗闇な洞窟内の所々に松明が置かれていて、それが唯一の光源でした。
松明を一つ拝借し、桃太郎を先頭に、猿、フェンリル、フェニックスの順に進んで行きます。
奥にどんどん進んでいくと、拓けた場所に出ました。
そこには、オーガはもちろん、ゴブリン、ホブゴブリン、オークがざっと見た感じ数万の兵がいました。
「これから本土に上陸し、俺たちの国を作る!」
「「「おぉ~!!!」」」
「俺たちは強い!」
「「「俺たちは強い!!!」」」
「俺たちは強い!」
「「「俺たちは強い!!!」」」
「行くぞっ!」
「「「おぉ~!!!」」」
士気が最高潮に達しています。
桃太郎は三匹に指示を出します。
「多分ここにいるので全兵士だと思います」
「だろうな。かなり士気が上がっている」
「どういう作戦で行くでありますか?」
「いつも通り、私とフェンリルさんとフェニックスさんで戦闘、猿さんは隠れていてください。かなり激しい戦闘になると思いますので、援護はできないと思います。猿さんは自分の身は自分で守ってください」
「了解ウキ」
「では行きますよ。準備はいいですか?」
「いつでも」
「大丈夫であります」
「OKウキ」
「3…2…1…GO!!!」
フェンリルとフェニックスは体の大きさを元に戻し、桃太郎と共に戦闘部隊は敵陣に突っ込みます。
フェンリルとフェニックスはここに来るまでの道中、『どちらが多く敵を倒すか』という勝負を始めました。
フェンリルは大きな爪を駆使して、一度に多くの敵をその爪を真っ赤に染めています。
フェニックスは纏っている炎を操って、敵を一気に火だるまにしています。
その様はまるで新しい遊びを見つけた子供のようです。
桃太郎は雑魚をなぎ倒しながら、敵の親玉であるオーガマスターの元へ一直線に駆け出しました。
「お前が親玉か」
「ちっこい体で俺を殺れると思っているのか?」
「やってみないと分からないだろう?」
「生意気だな」
「吠え面かかせてやるよぉぉぉぉぉ!!!」
普段は穏やかな桃太郎も、いざ戦闘になるとかなり好戦的な性格に変わるようです。
見たことのない笑みを口元に携えて、オーガマスターとの戦闘を楽しんでいます。
そんな彼らのおかげで猿が隠れていることに気付く者は誰もいませんでした。
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