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強姦
第九話
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翌日の十九時半。老舗割烹に保は現れた。
見るからに高そうなスーツを着こなして。
予め予約しておいたので、女将に挨拶をして部屋へ案内してもらう。
相手方はまだ来ていないようだ。
二十時ちょうど。相手方が現れた。
相手は学園理事長だった。
レガーロ学園は寄付金の額が権力の強さを表す。
久世家は学園トップの寄付金を納めている。
保が職員としているだけだから寄付しなくてもいのだが、今回のように桃に対して何かあった時力を行使することができないと困る。
そのためだけに寄付金を納めているのだ。
「お呼び立てして申し訳ありません」
『構わないよ。久世君たっての連絡なんて何かあったんだろう?』
「相変わらず察しがいいですね、理事長。二年甲組の桜井桃が校内で強姦され、妊娠しました」
『相手は分かっているのかね?』
「全員の名前、クラスが判明しております」
『私を呼んだということは理事会メンバーの子息ということかな?』
「さすがは理事長でいらっしゃる」
『久世君はどうしたいんだい?』
「然るべき処分をお願いします」
『と言うと?』
「全員の退学と社会的地位の剥奪です」
『やり過ぎではないかい?』
「それだけのことをしたと分からせないと連中は同じ過ちを繰り返します」
『分かった。全員の名前、クラスを後でメールしておいてくれ。明日の理事会で決定させる』
「ありがとうございます」
理事会とは前年度のレガーロ学園への寄付金トップテンの面々で構成され、毎年メンバーも変わる。
久世家は保が在学中から毎年メンバーであった。
明日の理事会には保も父親の代理で参加する。
機は熟した。あとは実行するのみである。
翌日午前九時。
学園の大会議室で緊急理事会が開催された。
招集されたのは理事長以下十家である。
久世家、浅野家、葛城家、京極家、佐竹家、島津家、戸田家、丹羽家、細川家、山本家。
内容は先日起こった桃の強姦事件である。
口火を切ったのは保だった。
「本日はお忙しいところ、緊急理事会にご参加頂きまして誠にありがとうございます。先日学園内で強姦事件が発生致しました。被害生徒は女子で、オメガです。強姦されたことにより、妊娠致しました。堕胎治療は完了しております。これにより、肉体的、精神的苦痛は甚だしく、現在は担当医より休養を言い渡されており、自宅休養中です。犯人は判明しております」
ここまで一気に言うと、周りがざわつき始めた。
メンバーの様子から察するに、親は何も知らないようだ。
保は続けた。
「犯人は五名」
犯人の名前を挙げると、理事長が席を立った。
『以上五名は今日付けで退学とし、それぞれの家から被害生徒へ慰謝料を支払うこと。慰謝料の額は追って伝令する。また、五名のメンバーは今日付けで理事会メンバーから離脱を命ずる』
有無を言わさぬ声音だった。さすが理事長。
それぞれの親は何も聞かされておらず、青天の霹靂だったのだろう。
まさか自分の子供が強姦事件を起こし、被害者に妊娠までさせていたとは…。
真っ青な顔でガタガタと震えている。
桃の苦しみはこんな程度じゃない。
(もっと苦しんでもらう…)
保はあの日ただ呆然とあの酷い言葉を聞いていたわけではない。
動画として残していた。
もちろん顔もはっきり分かる。
インターネットに晒した。
瞬く間に連中の素性がバレて、それぞれの家の家業の株価が暴落し、お家断絶となった。
これで桃の苦しみは少しは晴れただろう。
来週学校に来ても桃に害悪となる物はない。
いつも通りの平穏な毎日が戻ってくるだけなのだ。
五名の加害生徒が退学となり、お家断絶となったことは瞬く間に噂として広まった。
見るからに高そうなスーツを着こなして。
予め予約しておいたので、女将に挨拶をして部屋へ案内してもらう。
相手方はまだ来ていないようだ。
二十時ちょうど。相手方が現れた。
相手は学園理事長だった。
レガーロ学園は寄付金の額が権力の強さを表す。
久世家は学園トップの寄付金を納めている。
保が職員としているだけだから寄付しなくてもいのだが、今回のように桃に対して何かあった時力を行使することができないと困る。
そのためだけに寄付金を納めているのだ。
「お呼び立てして申し訳ありません」
『構わないよ。久世君たっての連絡なんて何かあったんだろう?』
「相変わらず察しがいいですね、理事長。二年甲組の桜井桃が校内で強姦され、妊娠しました」
『相手は分かっているのかね?』
「全員の名前、クラスが判明しております」
『私を呼んだということは理事会メンバーの子息ということかな?』
「さすがは理事長でいらっしゃる」
『久世君はどうしたいんだい?』
「然るべき処分をお願いします」
『と言うと?』
「全員の退学と社会的地位の剥奪です」
『やり過ぎではないかい?』
「それだけのことをしたと分からせないと連中は同じ過ちを繰り返します」
『分かった。全員の名前、クラスを後でメールしておいてくれ。明日の理事会で決定させる』
「ありがとうございます」
理事会とは前年度のレガーロ学園への寄付金トップテンの面々で構成され、毎年メンバーも変わる。
久世家は保が在学中から毎年メンバーであった。
明日の理事会には保も父親の代理で参加する。
機は熟した。あとは実行するのみである。
翌日午前九時。
学園の大会議室で緊急理事会が開催された。
招集されたのは理事長以下十家である。
久世家、浅野家、葛城家、京極家、佐竹家、島津家、戸田家、丹羽家、細川家、山本家。
内容は先日起こった桃の強姦事件である。
口火を切ったのは保だった。
「本日はお忙しいところ、緊急理事会にご参加頂きまして誠にありがとうございます。先日学園内で強姦事件が発生致しました。被害生徒は女子で、オメガです。強姦されたことにより、妊娠致しました。堕胎治療は完了しております。これにより、肉体的、精神的苦痛は甚だしく、現在は担当医より休養を言い渡されており、自宅休養中です。犯人は判明しております」
ここまで一気に言うと、周りがざわつき始めた。
メンバーの様子から察するに、親は何も知らないようだ。
保は続けた。
「犯人は五名」
犯人の名前を挙げると、理事長が席を立った。
『以上五名は今日付けで退学とし、それぞれの家から被害生徒へ慰謝料を支払うこと。慰謝料の額は追って伝令する。また、五名のメンバーは今日付けで理事会メンバーから離脱を命ずる』
有無を言わさぬ声音だった。さすが理事長。
それぞれの親は何も聞かされておらず、青天の霹靂だったのだろう。
まさか自分の子供が強姦事件を起こし、被害者に妊娠までさせていたとは…。
真っ青な顔でガタガタと震えている。
桃の苦しみはこんな程度じゃない。
(もっと苦しんでもらう…)
保はあの日ただ呆然とあの酷い言葉を聞いていたわけではない。
動画として残していた。
もちろん顔もはっきり分かる。
インターネットに晒した。
瞬く間に連中の素性がバレて、それぞれの家の家業の株価が暴落し、お家断絶となった。
これで桃の苦しみは少しは晴れただろう。
来週学校に来ても桃に害悪となる物はない。
いつも通りの平穏な毎日が戻ってくるだけなのだ。
五名の加害生徒が退学となり、お家断絶となったことは瞬く間に噂として広まった。
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