いばら姫

伊崎夢玖

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文化祭

十八話

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文化祭一般公開当日が来た。
レガーロ学園の文化祭は毎年盛大に行われる。
盛大な分、変な奴も紛れ込んでくる。
警察関係者に知り合いがいる者も多く、毎年校内を巡回警備してくれている。
今年も例年以上に警察関係者が大勢巡回してくれている。
特に今年はレガーロ学園百周年記念の年なので、例年以上に盛大に行われている。
朝から皆気合を入れて準備している。
桃のクラスも全員朝から衣装に着替えて、男子も女子も準備万端だった。
『ねぇ、おかしくないかな?』
『大丈夫だよ』
『材料足りてる?』
『ちょっと多めに仕入れてるから大丈夫だと思う』
『足りなくなりそうだったら先生に車出してもらって買い出しに行けばいいよ』
活気ある会話が響いていた。
一般公開日の開幕を告げる空砲が鳴った。
各クラス繁盛に向けて呼び込みが必死に行われていた。
警官達による巡回とは別に教師陣でも巡回を行っていた。
そんな時、ふと見覚えのある姿を遠くで見かけた。
あの五人である。
保は急いで近づいて校外へ出そうとしたが、人混みがすごくてなかなか先に進めず、五人の姿を見失ってしまった。
一応無線で五人が校内に紛れ込んでいること、もしものことがあるので巡回強化を伝えた。
保は五人が桃に逆恨みをして危害を加えるとみて、急いで桃のクラスへ向かった。
桃はいなかった。
『桜井さんなら今休憩中だよ』
『さっき隣のクラスの子に呼び出されてどこかに行ってる姿見かけたけど…』
一足遅かったようだ。
どこに向かったまでは分からないとのことなので、辺りをあちこち探した。
しかし、桃は見つからない。
焦燥感ばかりが募る。
やっとの思いで桃を見つけると、あの五人とガラの悪い男共に囲まれていた。
『随分痛い目に合わせてくれたよな?』
『久世にチクりやがって…』
『お前ら付き合ってるんだなぁ』
「何のこと言ってるんだか分からないんだけど…」
『しらばっくれんなよ!』
『お前のせいで全部失ったんだからな』
『あの時よりもいい思いさせてやるよ』
「お前ら何やっている!」
今回は間に合ったようだ。
保は桃を背に庇うように立ちはだかった。
「何しに来た?」
『桜井に会いに来たに決まってんだろ?』
『あの時最後に”またな”って言ったじゃん』
『だから会いに来たんだよ』
『桜井も俺らに会いたかったよな?』
奴らはゲラゲラと下品に高笑った。
『とりあえず久世には用はないんだわ』
『席外してくんねぇかな?』
『若いモンだけで話がしたいんだわ』
『こいつどっか連れて行ってくれ』
『ボコっちゃっても構わないから』
『よろしくなぁ』
奴らはガラの悪い男共に言うと、男共は保に近づき、桃から引き剥がそうとした。
「離せ」
保は桃から離れないようにしたが、多勢に無勢である。
簡単に引き剥がされてしまった。
男共は奴らの命令に従うように保に暴力を振るってきた。
「…ぐっ………」
殴る蹴るの暴力を受ける。
意識を飛ばしかけたが、桃が心配で飛ばさずに済んだ。すぐに動くことは適わないが…。
保が動けないと分かると男共は保の元から奴らの元へ移動した。
保が近くにいない間、桃は奴らから逃げようと必死だった。
多勢に無勢で、逃げようとしてもすぐ捕まってしまう。
必死に振り解き、逃げようとしても逃げ道を塞がれてしまう。
何とか逃げた先には保が呻きながら横たわっていた。
「久世っ!」
桃は倒れている保の元へ走り寄った。
「おい、久世っ!起きろっ!」
「…うるさい、耳元で叫ぶな」
「何ボコられてんだよ」
「うるせぇ…とりあえず逃げろ…」
「逃げ道全部塞がれて逃げられない」
「ちょっとそっちの隅で耳塞いで目閉じてろ」
「何するつもりだよ?」
「ちょっとな…桜井に見られたくないから目は開けるなよ?」
「分かった。隅の方で隠れてる」
「すまないな…全部終わったら肩を叩いて合図するから」
保は桃が通路の隅で耳を塞ぎ、目を閉じたのを確認すると本性を現した。
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