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自殺未遂
第二十八話
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二年に上がってすぐに同級生に襲われたこと。
それによって、妊娠・中絶したこと。
停学処分のこと。
文化祭で元同級生にまた襲われそうになったこと。
修学旅行で引率教師に襲われそうになったこと。
それぞれが少しずつ桃の心を傷つけていた。
「だからね、あたしの体汚いんだよ。両親もあたしがいない方がいいに決まってる」
「誰がそんなこと決めた?」
「……………………………」
「お前がいなくなって悲しむ人もいる。お前の体は汚くなんかない」
「誰の子か分からない子を妊娠したのに?」
「あぁ」
「色んな人に襲われたのに?」
「あぁ」
「本当に汚くなんかないの?」
「汚くなんかない。俺が保証する」
「……………………………」
桃の目から大粒の涙がボロボロと流れ始めた。
「ずっと怖かった。汚いって誰かに言われると思ってた」
「そんなこと言う奴はいねぇよ」
「分かんないじゃん。影で言ってるかもしれないじゃん」
「そんなこと言う奴は俺がぶっ飛ばす」
「それ、洒落になってないよ?」
「洒落じゃねぇよ」
「目がマジだよ?」
「マジもマジ。大マジだからな」
「…………ふふ」
桃は久々に笑った。
「もうこんな馬鹿な真似はしないな?」
「うん」
「約束だぞ?」
「うん。あたしと久世の約束」
「ちょっと電話してくるから休んでろ」
「うん」
保が病室から出ようとした時、桃が不意に呼び止めた。
「久世…………」
「ん?」
「起きた時側にいてくれて、ありがと…………」
それだけ言うと桃は布団をかぶってしまった。
布団からはみ出している耳が真っ赤だ。
そんな姿を見た保も顔が熱くなってくるのを感じる。
「大人しく寝とけ」
(きっと今の顔は誰にも見せられるもんじゃねぇ…)
その時の保の顔も桃に負けないくらい真っ赤であった。
それによって、妊娠・中絶したこと。
停学処分のこと。
文化祭で元同級生にまた襲われそうになったこと。
修学旅行で引率教師に襲われそうになったこと。
それぞれが少しずつ桃の心を傷つけていた。
「だからね、あたしの体汚いんだよ。両親もあたしがいない方がいいに決まってる」
「誰がそんなこと決めた?」
「……………………………」
「お前がいなくなって悲しむ人もいる。お前の体は汚くなんかない」
「誰の子か分からない子を妊娠したのに?」
「あぁ」
「色んな人に襲われたのに?」
「あぁ」
「本当に汚くなんかないの?」
「汚くなんかない。俺が保証する」
「……………………………」
桃の目から大粒の涙がボロボロと流れ始めた。
「ずっと怖かった。汚いって誰かに言われると思ってた」
「そんなこと言う奴はいねぇよ」
「分かんないじゃん。影で言ってるかもしれないじゃん」
「そんなこと言う奴は俺がぶっ飛ばす」
「それ、洒落になってないよ?」
「洒落じゃねぇよ」
「目がマジだよ?」
「マジもマジ。大マジだからな」
「…………ふふ」
桃は久々に笑った。
「もうこんな馬鹿な真似はしないな?」
「うん」
「約束だぞ?」
「うん。あたしと久世の約束」
「ちょっと電話してくるから休んでろ」
「うん」
保が病室から出ようとした時、桃が不意に呼び止めた。
「久世…………」
「ん?」
「起きた時側にいてくれて、ありがと…………」
それだけ言うと桃は布団をかぶってしまった。
布団からはみ出している耳が真っ赤だ。
そんな姿を見た保も顔が熱くなってくるのを感じる。
「大人しく寝とけ」
(きっと今の顔は誰にも見せられるもんじゃねぇ…)
その時の保の顔も桃に負けないくらい真っ赤であった。
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