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結婚
第四十八話
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保はこっそり式を変更することにした。
まずは、式の諸々の変更をしに式場へ。
最初から全部やり直さないといけなかったから、打ち合わせが長期に亘り、かなり骨が折れた。
だけど、桃の喜ぶ顔を見るためだ。
あとは、桃のウエディングドレスの試着のみを行うだけだ。
桃を試着室へ連れて来たが、どう言って試着させるべきか保にはいい案が浮かばなかった。
あれこれ考えている時、スタッフからのフォローが入った。
『せっかくですし、ウエディングドレスの試着してみませんか?』
結構ストレートな言い方だったが、桃は何の疑問も持たず試着しに行った。
「ありがとうございました」
『いえいえ。よくあることなので、お気になさらないでください』
やっぱり桃も着てみたかったのだろう。
あれこれと試着していく。
何着目になるか分からないが、マーメイドラインのものが気に入ったようだった。
「先生、これよくない?」
「すげぇ似合ってる」
「本当?」
「本当。写真撮ってもいいですか?」
『構いませんよ』
「写真撮るぞ」
「はぁーい」
保は大義名分を手に入れ、桃のウエディングドレス姿をスマホに収めることに成功した。
それ以降の打ち合わせは全て保一人で行った。
桃も一緒だと保の計画が全て水の泡となってしまうからだ。
四月になり、桃は大学生活が始まった。
なかなか毎日楽しいようだ。
勉強は元々よくできる子だったから、ついて行くのにそこまで苦労はないらしい。
しかし、課題が山程出ることがあり、たまに泣き言を言ってくることもある。
泣き言を言いながらもちゃんとやるのが桃である。
根の部分は至極真面目なのは昔から変わらない所だ。
そんな桃との結婚式が目前に迫った五月の晴天の暖かな日。
桃との久々のデートを楽しんでいた時だった。
桃が突然泣き出した。
「先生と結婚していいのかな?」
突然泣き出すわ、衝撃的な事を言い出すわで保は焦った。
「どうした?」
「もうすぐ先生との結婚式でしょ?」
「もう準備は終わってるからあとは式を挙げるだけだな」
「本当に先生はあたしと結婚していいのかな?」
「いいに決まってるだろ?桃以外は考えられない」
「後悔しない?」
「するわけないだろ?」
「本当に?」
「本当だ」
どうやら桃はマリッジブルーになっているようだ。
「結婚するのが嫌になったか?」
「そういうわけじゃないんだけどね…」
「うん」
「怖いんだ…」
「うん」
「幸せになっていいのかな?」
「いいに決まってるだろ?俺が桃を一生幸せにするから」
「うん…」
「少し落ち着いたか?」
「まだ。ぎゅーってしてて」
珍しく桃が甘えん坊になっている。
(かわいすぎるだろ…!)
保は少し強めに桃を抱きしめると桃も保にしがみついてきた。
どれくらいの時間抱き合っていたか分からないが、落ち着いてきたようだった。
保は桃の顔を覗き込んだ。
「大丈夫か?」
「ごめんなさい」
「マリッジブルーってやつになってるんだろう」
「これがそうなのかな?」
「多分な。まだ怖いか?」
「ううん。大丈夫」
「それならよかった」
再び二人は抱き合った。愛を確かめるように。
まずは、式の諸々の変更をしに式場へ。
最初から全部やり直さないといけなかったから、打ち合わせが長期に亘り、かなり骨が折れた。
だけど、桃の喜ぶ顔を見るためだ。
あとは、桃のウエディングドレスの試着のみを行うだけだ。
桃を試着室へ連れて来たが、どう言って試着させるべきか保にはいい案が浮かばなかった。
あれこれ考えている時、スタッフからのフォローが入った。
『せっかくですし、ウエディングドレスの試着してみませんか?』
結構ストレートな言い方だったが、桃は何の疑問も持たず試着しに行った。
「ありがとうございました」
『いえいえ。よくあることなので、お気になさらないでください』
やっぱり桃も着てみたかったのだろう。
あれこれと試着していく。
何着目になるか分からないが、マーメイドラインのものが気に入ったようだった。
「先生、これよくない?」
「すげぇ似合ってる」
「本当?」
「本当。写真撮ってもいいですか?」
『構いませんよ』
「写真撮るぞ」
「はぁーい」
保は大義名分を手に入れ、桃のウエディングドレス姿をスマホに収めることに成功した。
それ以降の打ち合わせは全て保一人で行った。
桃も一緒だと保の計画が全て水の泡となってしまうからだ。
四月になり、桃は大学生活が始まった。
なかなか毎日楽しいようだ。
勉強は元々よくできる子だったから、ついて行くのにそこまで苦労はないらしい。
しかし、課題が山程出ることがあり、たまに泣き言を言ってくることもある。
泣き言を言いながらもちゃんとやるのが桃である。
根の部分は至極真面目なのは昔から変わらない所だ。
そんな桃との結婚式が目前に迫った五月の晴天の暖かな日。
桃との久々のデートを楽しんでいた時だった。
桃が突然泣き出した。
「先生と結婚していいのかな?」
突然泣き出すわ、衝撃的な事を言い出すわで保は焦った。
「どうした?」
「もうすぐ先生との結婚式でしょ?」
「もう準備は終わってるからあとは式を挙げるだけだな」
「本当に先生はあたしと結婚していいのかな?」
「いいに決まってるだろ?桃以外は考えられない」
「後悔しない?」
「するわけないだろ?」
「本当に?」
「本当だ」
どうやら桃はマリッジブルーになっているようだ。
「結婚するのが嫌になったか?」
「そういうわけじゃないんだけどね…」
「うん」
「怖いんだ…」
「うん」
「幸せになっていいのかな?」
「いいに決まってるだろ?俺が桃を一生幸せにするから」
「うん…」
「少し落ち着いたか?」
「まだ。ぎゅーってしてて」
珍しく桃が甘えん坊になっている。
(かわいすぎるだろ…!)
保は少し強めに桃を抱きしめると桃も保にしがみついてきた。
どれくらいの時間抱き合っていたか分からないが、落ち着いてきたようだった。
保は桃の顔を覗き込んだ。
「大丈夫か?」
「ごめんなさい」
「マリッジブルーってやつになってるんだろう」
「これがそうなのかな?」
「多分な。まだ怖いか?」
「ううん。大丈夫」
「それならよかった」
再び二人は抱き合った。愛を確かめるように。
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