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精霊も生きているし
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俺たちはそれから山を超えて川を泳ぎ南を目指す。
旅の最中に、王宮で働いていた時の知識を活用してレアメタルを集め、それを街で売り旅賃にあてた。
風の精霊の導きは時々いい加減だったけれど、俺達はその旅を多いに楽しんだ。
・
・
・
隣国の検問を避ける為に、山岳地帯を抜けて進んだが、そこで山賊に出会ってしまう。
「おいおっさん、一人か?」
と、いかにも山賊ないでたちの5人組が山道脇から飛び出てくるなり喚く。
「まぁ、一人って言えば一人……かな?」
「お?なんだぁ……持って回った言い方しやがって、舐めてるのか?」
「それで、何かようかな?」
「おいおっさん!ふざけるのもいい加減にしろ」
「悪いけど金目の物なんて殆ど持ってないよ」
「しけたオッサンだなぁ……」
と言いたい放題であったが風の精霊がついに切れてしまった。
「もう怒ったぞ!」
と風の精霊が怒っているのが俺には分かったけれど、若者達には風がビュウビュウと吹いていふようにしか聞こえない様子だ。
「なんだ、急に風が出てきやがる……」
と彼らは手で目を庇い、砂埃りが入るのを防ごうとするが突風はどんどん強くなりその場に立っているのがやっとという風情だ。
「それじゃ、お先に失礼」
と、強風で苦闘している若者の横をスタスタと通り抜ける。強風は俺には全く無害で、微風すら感じないのだ。
「風君ありがとうね」
「えっへへ」
と風の精霊は得意気だ。
俺たちはそんな調子でどんどん道を進み南の島を目指した。
・
・
・
風の精霊に案内されて着いたその島は、しかし荒らされていた。自然災害等の類ではなく人の手による開発があったのだ。
島全体が石畳で覆われたリゾート地にされていたのだ。これには俺達は酷くがっかりさせられた。南国の楽園でノンビリとスローライフを満喫する予定だったのに……。
「こんな事もあるさ……次を探そうよ」
と、風の精霊を慰めるけど暫く返事がない。
「どうしたの?」と訊くと少し疲れたという。
それで、俺達はいい風の吹く近くの岩山の頂上に登りそこに滞在することにした。そこは本当に良い風が吹いてきて、風の精霊も直ぐに元気を取り戻した様子だった。
「アキありがとう……」
「良いんだ、ここに暫く住もうか?」
俺達はそこに暫く滞在したが、少しすると地鳴りがするのが聞こえてきた。
「……地震てヤツか?」
だが、それは眠りから覚めた土の精霊だったのだ。
「おお、我が友よ……」と、その岩山の下の精霊が言う。
「その声は、土の精霊さんだね」
「よく来てくれた、友よ歓迎するぞ」
土の精霊がそう言うのが俺には判ったが、リゾート地の建物から大勢が飛び出してきて慌てている。大量の荷物を持って走り去る者、火事場泥棒を働く者、中には強姦しているものまで見えた。
「よく来てくれた、友よ」
「ありがとう……でも人があんなに酷いことに……」
「よく見てくれ、友よ、アレが人と言うものだ」
「確かに……」
俺は恥ずかしくなって唸ってしまう。だが、大異変はすぐに始まった。さらに、地鳴りが大きくなり最早俺ですら振動でガクガク頭が揺れた。
「どうしたのだ?」
「は~~~、すまぬ友よ、少しガスが出た」
すると周囲から硫黄の匂いがする。
つぎの瞬間、俺達は爆笑していた。
だが、島の人々にとっては笑い事では済まなかった。いよいよ火山が噴火するのだ!とパニックに拍車が掛かり、それまで様子を見ていた人達までが大急ぎで船に山のように乗り込み、逃げ出した。
・
・
・
「誰もいなくなったね」
暫くして風の精霊がポツリという。そこで俺は妙案を思いついた。
「ああ、静かになったね、それでね土の精霊に少し力を貸してほしい」
「勿論だよ、友よ」
それから3人で力を合わせ、人工物を海に沈め元の自然の姿に返す作業を始めた。それは延々と続いたが……その間も人間の世界では山が揺れ、強風が吹き荒れこの世の終わりのようだと言われていた。
気がついた時には少しやり過ぎて島は魔境の様になって居たが、風と土の精霊は大喜びだった。
「やり過ぎてしまったかな?」
「素晴らしいあんばいだよ、我が友よ!」
「本当本当、清々しいね」
最後の仕上げだと言って風と土の精霊が何かとなえると、急に木々が茂り実をつけ、鳥が飛び、動物が走り回る島に変貌した。
「こんな……凄い!まるで魔法だ」と溜め息をついていると精霊が教えてくれた。
「魔法はね、本来精霊が力を貸してるだけの物なのだ」と。
俺たちはそれから山を超えて川を泳ぎ南を目指す。
旅の最中に、王宮で働いていた時の知識を活用してレアメタルを集め、それを街で売り旅賃にあてた。
風の精霊の導きは時々いい加減だったけれど、俺達はその旅を多いに楽しんだ。
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隣国の検問を避ける為に、山岳地帯を抜けて進んだが、そこで山賊に出会ってしまう。
「おいおっさん、一人か?」
と、いかにも山賊ないでたちの5人組が山道脇から飛び出てくるなり喚く。
「まぁ、一人って言えば一人……かな?」
「お?なんだぁ……持って回った言い方しやがって、舐めてるのか?」
「それで、何かようかな?」
「おいおっさん!ふざけるのもいい加減にしろ」
「悪いけど金目の物なんて殆ど持ってないよ」
「しけたオッサンだなぁ……」
と言いたい放題であったが風の精霊がついに切れてしまった。
「もう怒ったぞ!」
と風の精霊が怒っているのが俺には分かったけれど、若者達には風がビュウビュウと吹いていふようにしか聞こえない様子だ。
「なんだ、急に風が出てきやがる……」
と彼らは手で目を庇い、砂埃りが入るのを防ごうとするが突風はどんどん強くなりその場に立っているのがやっとという風情だ。
「それじゃ、お先に失礼」
と、強風で苦闘している若者の横をスタスタと通り抜ける。強風は俺には全く無害で、微風すら感じないのだ。
「風君ありがとうね」
「えっへへ」
と風の精霊は得意気だ。
俺たちはそんな調子でどんどん道を進み南の島を目指した。
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風の精霊に案内されて着いたその島は、しかし荒らされていた。自然災害等の類ではなく人の手による開発があったのだ。
島全体が石畳で覆われたリゾート地にされていたのだ。これには俺達は酷くがっかりさせられた。南国の楽園でノンビリとスローライフを満喫する予定だったのに……。
「こんな事もあるさ……次を探そうよ」
と、風の精霊を慰めるけど暫く返事がない。
「どうしたの?」と訊くと少し疲れたという。
それで、俺達はいい風の吹く近くの岩山の頂上に登りそこに滞在することにした。そこは本当に良い風が吹いてきて、風の精霊も直ぐに元気を取り戻した様子だった。
「アキありがとう……」
「良いんだ、ここに暫く住もうか?」
俺達はそこに暫く滞在したが、少しすると地鳴りがするのが聞こえてきた。
「……地震てヤツか?」
だが、それは眠りから覚めた土の精霊だったのだ。
「おお、我が友よ……」と、その岩山の下の精霊が言う。
「その声は、土の精霊さんだね」
「よく来てくれた、友よ歓迎するぞ」
土の精霊がそう言うのが俺には判ったが、リゾート地の建物から大勢が飛び出してきて慌てている。大量の荷物を持って走り去る者、火事場泥棒を働く者、中には強姦しているものまで見えた。
「よく来てくれた、友よ」
「ありがとう……でも人があんなに酷いことに……」
「よく見てくれ、友よ、アレが人と言うものだ」
「確かに……」
俺は恥ずかしくなって唸ってしまう。だが、大異変はすぐに始まった。さらに、地鳴りが大きくなり最早俺ですら振動でガクガク頭が揺れた。
「どうしたのだ?」
「は~~~、すまぬ友よ、少しガスが出た」
すると周囲から硫黄の匂いがする。
つぎの瞬間、俺達は爆笑していた。
だが、島の人々にとっては笑い事では済まなかった。いよいよ火山が噴火するのだ!とパニックに拍車が掛かり、それまで様子を見ていた人達までが大急ぎで船に山のように乗り込み、逃げ出した。
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「誰もいなくなったね」
暫くして風の精霊がポツリという。そこで俺は妙案を思いついた。
「ああ、静かになったね、それでね土の精霊に少し力を貸してほしい」
「勿論だよ、友よ」
それから3人で力を合わせ、人工物を海に沈め元の自然の姿に返す作業を始めた。それは延々と続いたが……その間も人間の世界では山が揺れ、強風が吹き荒れこの世の終わりのようだと言われていた。
気がついた時には少しやり過ぎて島は魔境の様になって居たが、風と土の精霊は大喜びだった。
「やり過ぎてしまったかな?」
「素晴らしいあんばいだよ、我が友よ!」
「本当本当、清々しいね」
最後の仕上げだと言って風と土の精霊が何かとなえると、急に木々が茂り実をつけ、鳥が飛び、動物が走り回る島に変貌した。
「こんな……凄い!まるで魔法だ」と溜め息をついていると精霊が教えてくれた。
「魔法はね、本来精霊が力を貸してるだけの物なのだ」と。
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