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第二十七話 ご意見箱
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お披露目の儀を終えてから日が経ち、もうすぐ春に差し掛かろうかという頃だった。
だいぶ寒さも和らいで過ごしやすい気候になり、花琳の体調も回復して、倒れたとは思えないほど普段通りに生活していた。
ちなみに、花琳は相変わらず峰葵や雪梅に会わぬように忙しくしているため、今は私室で割り振られた書簡に目を通しながら、黙々と自分の印鑑を押印する作業をしている。
本当は寝込んでいたときにこれ以上にたっぷりと仕事が溜まっていたらしいが、それを峰葵が丸々と引き継ぎ、最近まで寝る間も惜しんで捌いていたらしい。
またやられたと思いつつも、その間は雪梅と一緒にいなかったであろうことを想像してホッとしてしまう花琳。
考えないように意識しても、やはり長年の想いは早々には薄まってはくれずにヤキモキしてしまうが、時が経つにつれだんだんと自分でも平静を装えるまでには落ち着いてきた。
「そういえば、好評みたいですよ。ご意見箱」
「えぇ、市井での陛下の評価はうなぎ上りだとか」
ふと、静寂を破ったのは良蘭だった。
それに追従するように明龍も口を開く。
「よかった。やった甲斐があったわね」
以前、良蘭の言葉を手がかりに、花琳が思いついたのは民衆の困っている声を拾ってそれを実行するための「意見箱」だった。
もちろん全ての意見を叶えるわけにはいかないが、情報を精査し、不便だと言われた場所には橋をかけたり道を作ったり、盗難や事件が発生しやすいところには官吏を配置して巡回を増やすなどできることから実行している。
橋や道を作る際も、上層部が余計な談合するのを防ぐためと手抜き工事などしないように、その土地で生活している人々達の手を借りる形にした。
これは当事者意識があるほうが欠陥が少なくなるだろうし無駄な金をかけないだろうという判断からだ。
それが功を奏したのか、短期で立派な橋や道ができ、余ったぶんの金は関わった人々に分配し、不公平が出ないよう配慮した。
この話は国民の間でどんどんと広まっていき、各地の不平不満を拾いながら改善していくという道筋ができたのだった。
「まぁ、上層部の甘い汁を啜ってた人達はおかんむりのようですが」
「でしょうね。仲考殿の取り巻き含めて、上層部は身内が稼げるようにしておりましたからね」
「まぁ、そのうちその辺も上手く手綱が握れればいいとは思っているわ。自分達の管理する土地の采配を上層部に任せるとかね」
民意ばかり気にして身近な敵を作っては本末転倒だということは花琳もわかっていた。
そのため、上層部達が当事者だという意識を持つようにするためにはどうすればよいかと思考する。
彼らは自分達の益になることは率先してやることはわかっているとはいえ、今まで歩み寄ることなどなかったため、花琳もどのような方向性に落ち着かせるか四苦八苦していた。
「それにしても、随分と大盤振る舞いですね」
「何が?」
「いえ、お披露目だったりご意見箱だったり国民に益になるようなことをたくさんなさっているなと」
「まぁ、そうかもね。前までは粛々とやっていたけど、もっと堂々とわかりやすい政策のほうがいいと思って。わかる人にはわかるだなんて傲慢でしょう? コソコソとやっても秋王をよく思わない人を増やすだけだし」
やるならいっそわかりやすく。
民衆から支持されるほうがやり易い。
先日秋王として毒に倒れて恥を晒して以来秋王に対して懐疑的な人が増えたらしいということを利用して、いっそ落ちるとこまで落ちたならやりたいようにやればいいのではないかと思ったのだ。
「ですが、やはりここのところ働き詰めすぎでは? 最近、花琳さまが無理しすぎてまたお倒れになるのではないかと心配する声も……」
「どうせその声って峰葵でしょ。大丈夫よ。働くの好きだし、むしろ働いてないと気が休まらないの。余計なことばかり考えてしまって」
「花琳さま……」
「でも、そうね。息抜きにちょっと散歩にでも出ましょうか。新しい国家改革案なども出るかもしれないし」
良蘭の気持ちを汲んでそう提案すれば、パッと顔が明るくなる良蘭。
花琳を心配し過ぎて顔色が悪いのは良蘭も一緒で、だからこそあまり彼女に心配をかけたくないのは花琳も同じだった。
「では、支度して参りますねっ!」
「えぇ、そうして」
「どこに参りますか?」
「そうね。兄さまの墓所にでもどうかしら」
「よろしいかと。余暉さまもきっとお喜びになりますわ」
寒くならないように厚手の羽織りなどをせっせと用意し始める良蘭。
寒さが薄れてきたとはいえ、病み上がりと疲労が溜まった身体には冷えは堪えるからだ。
良蘭が忙しなく働いている姿を見ながら、働いてると気が紛れるのはお互いさまだろうな、と花琳は思いつつも口には出さずに良蘭にされるがままになっていた。
「寒くありませんか?」
「大丈夫よ。明龍も行ける?」
「もちろんです」
「あまり長居してると身体にも障りますでしょうから、手短に済ませましょう」
「はいはい。わかってるわよ~。でも、だいぶ体力も戻ってきたし、いつも通りなんだけどなぁ~」
「なりません」
「怒らないでよ。わかってるわよ。じゃあ、行きましょうか」
良蘭に手を引かれながらゆっくりと私室を出る。
やはり寒さが和らいだとはいえ、冷えは身に沁みた。
「何かお首に巻きましょうか?」
「そこまで重装備しなくても大丈夫よ」
「ですが」
「良蘭は心配性なんだから。ねぇ、明龍」
「そこで急に僕に振らないでくださいよっ! 良蘭さんも僕を睨まないでくださいっ!!」
軽口を言い合いながら、ゆっくりとした足取りで墓所を目指す。
余暉などが眠る墓所は霊廟にあり、私室からそう遠く離れてはいないため、散歩にはちょうど良かった。
◇
霊廟に到着すると毎日手入れがされているからか、とても綺麗な状態の霊廟が佇んでいた。
寒さで空気が澄んでいるのもあって、気持ちが研ぎ澄まされたような気になってくる。
「貴方達も来る?」
「いえ、私はこちらで待っております」
「僕もさすがに入る勇気は」
「そう? じゃあ、すぐに戻るから待っていてちょうだい」
花琳は二人を霊廟の外に待たせると、自分だけ中へと入っていった。
だいぶ寒さも和らいで過ごしやすい気候になり、花琳の体調も回復して、倒れたとは思えないほど普段通りに生活していた。
ちなみに、花琳は相変わらず峰葵や雪梅に会わぬように忙しくしているため、今は私室で割り振られた書簡に目を通しながら、黙々と自分の印鑑を押印する作業をしている。
本当は寝込んでいたときにこれ以上にたっぷりと仕事が溜まっていたらしいが、それを峰葵が丸々と引き継ぎ、最近まで寝る間も惜しんで捌いていたらしい。
またやられたと思いつつも、その間は雪梅と一緒にいなかったであろうことを想像してホッとしてしまう花琳。
考えないように意識しても、やはり長年の想いは早々には薄まってはくれずにヤキモキしてしまうが、時が経つにつれだんだんと自分でも平静を装えるまでには落ち着いてきた。
「そういえば、好評みたいですよ。ご意見箱」
「えぇ、市井での陛下の評価はうなぎ上りだとか」
ふと、静寂を破ったのは良蘭だった。
それに追従するように明龍も口を開く。
「よかった。やった甲斐があったわね」
以前、良蘭の言葉を手がかりに、花琳が思いついたのは民衆の困っている声を拾ってそれを実行するための「意見箱」だった。
もちろん全ての意見を叶えるわけにはいかないが、情報を精査し、不便だと言われた場所には橋をかけたり道を作ったり、盗難や事件が発生しやすいところには官吏を配置して巡回を増やすなどできることから実行している。
橋や道を作る際も、上層部が余計な談合するのを防ぐためと手抜き工事などしないように、その土地で生活している人々達の手を借りる形にした。
これは当事者意識があるほうが欠陥が少なくなるだろうし無駄な金をかけないだろうという判断からだ。
それが功を奏したのか、短期で立派な橋や道ができ、余ったぶんの金は関わった人々に分配し、不公平が出ないよう配慮した。
この話は国民の間でどんどんと広まっていき、各地の不平不満を拾いながら改善していくという道筋ができたのだった。
「まぁ、上層部の甘い汁を啜ってた人達はおかんむりのようですが」
「でしょうね。仲考殿の取り巻き含めて、上層部は身内が稼げるようにしておりましたからね」
「まぁ、そのうちその辺も上手く手綱が握れればいいとは思っているわ。自分達の管理する土地の采配を上層部に任せるとかね」
民意ばかり気にして身近な敵を作っては本末転倒だということは花琳もわかっていた。
そのため、上層部達が当事者だという意識を持つようにするためにはどうすればよいかと思考する。
彼らは自分達の益になることは率先してやることはわかっているとはいえ、今まで歩み寄ることなどなかったため、花琳もどのような方向性に落ち着かせるか四苦八苦していた。
「それにしても、随分と大盤振る舞いですね」
「何が?」
「いえ、お披露目だったりご意見箱だったり国民に益になるようなことをたくさんなさっているなと」
「まぁ、そうかもね。前までは粛々とやっていたけど、もっと堂々とわかりやすい政策のほうがいいと思って。わかる人にはわかるだなんて傲慢でしょう? コソコソとやっても秋王をよく思わない人を増やすだけだし」
やるならいっそわかりやすく。
民衆から支持されるほうがやり易い。
先日秋王として毒に倒れて恥を晒して以来秋王に対して懐疑的な人が増えたらしいということを利用して、いっそ落ちるとこまで落ちたならやりたいようにやればいいのではないかと思ったのだ。
「ですが、やはりここのところ働き詰めすぎでは? 最近、花琳さまが無理しすぎてまたお倒れになるのではないかと心配する声も……」
「どうせその声って峰葵でしょ。大丈夫よ。働くの好きだし、むしろ働いてないと気が休まらないの。余計なことばかり考えてしまって」
「花琳さま……」
「でも、そうね。息抜きにちょっと散歩にでも出ましょうか。新しい国家改革案なども出るかもしれないし」
良蘭の気持ちを汲んでそう提案すれば、パッと顔が明るくなる良蘭。
花琳を心配し過ぎて顔色が悪いのは良蘭も一緒で、だからこそあまり彼女に心配をかけたくないのは花琳も同じだった。
「では、支度して参りますねっ!」
「えぇ、そうして」
「どこに参りますか?」
「そうね。兄さまの墓所にでもどうかしら」
「よろしいかと。余暉さまもきっとお喜びになりますわ」
寒くならないように厚手の羽織りなどをせっせと用意し始める良蘭。
寒さが薄れてきたとはいえ、病み上がりと疲労が溜まった身体には冷えは堪えるからだ。
良蘭が忙しなく働いている姿を見ながら、働いてると気が紛れるのはお互いさまだろうな、と花琳は思いつつも口には出さずに良蘭にされるがままになっていた。
「寒くありませんか?」
「大丈夫よ。明龍も行ける?」
「もちろんです」
「あまり長居してると身体にも障りますでしょうから、手短に済ませましょう」
「はいはい。わかってるわよ~。でも、だいぶ体力も戻ってきたし、いつも通りなんだけどなぁ~」
「なりません」
「怒らないでよ。わかってるわよ。じゃあ、行きましょうか」
良蘭に手を引かれながらゆっくりと私室を出る。
やはり寒さが和らいだとはいえ、冷えは身に沁みた。
「何かお首に巻きましょうか?」
「そこまで重装備しなくても大丈夫よ」
「ですが」
「良蘭は心配性なんだから。ねぇ、明龍」
「そこで急に僕に振らないでくださいよっ! 良蘭さんも僕を睨まないでくださいっ!!」
軽口を言い合いながら、ゆっくりとした足取りで墓所を目指す。
余暉などが眠る墓所は霊廟にあり、私室からそう遠く離れてはいないため、散歩にはちょうど良かった。
◇
霊廟に到着すると毎日手入れがされているからか、とても綺麗な状態の霊廟が佇んでいた。
寒さで空気が澄んでいるのもあって、気持ちが研ぎ澄まされたような気になってくる。
「貴方達も来る?」
「いえ、私はこちらで待っております」
「僕もさすがに入る勇気は」
「そう? じゃあ、すぐに戻るから待っていてちょうだい」
花琳は二人を霊廟の外に待たせると、自分だけ中へと入っていった。
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