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第二十五話 何で、何も言わないの?
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「あー、よかった。やっと出られた……」
見慣れた風景に安堵するオフェリア。
いつも通りの校内の景色を拝めることを今ほど待ち望んだことはなかった。
「リアムどこだろ。ジャスパーにも遅れちゃったこと謝らないと」
「オフェリア?」
「リア……っ」
あのトンチキな部屋から出られたとホッとしたのも束の間。聞き慣れた声で名を呼ばれ、顔を上げるとそこにいたのは会いたかったリアム。……だけでなく、隣には親衛隊の一人がリアムの腕にくっつき、しなだれかかっている状態でいた。
しかも、なぜか彼女の頬は紅潮し、髪や服は乱れていて、明らかに異様な状態であるその姿にオフェリアは思わず目を見張った。
「えっと、どういう状況?」
「それは……」
「わたし達、いきなり『キスをしないと出られない部屋』というところに閉じ込められてたの」
リアムを遮るように答える傍らの少女。その表情はどこか勝ち誇っていた。
「え?」
まさかリアムも同じ状況だったとは思わなかったが、それ以上に親衛隊の少女のこの態度の異様さにオフェリアが呆気に取られていると、バツが悪そうに顔を逸らすリアム。
そんなリアムとは対照的に、彼女は嬉々としてオフェリアの前に立った。
「いきなり部屋に閉じ込められたかと思ったら、リアム様がいらっしゃって。リアム様が困っていらっしゃるからどうしたのかと思えば、わたし達『キスしないと出られない部屋』に閉じ込められてしまったというではありませんか。それで、わたしがどうしようかと困っていたら、おもむろにリアム様からギュッと力強く抱きしめられて、わたくしのことがずっと好きだったってそのまま熱い口づけをされましたの」
「え」
恍惚とした表情の少女とは正反対に、彼女の言葉にざっくりと胸が抉られたように痛むオフェリア。
信じられないとリアムの顔を見れば、彼は何とも言えない表情をしながらこちらを見ていた。
(何で……? 何で、何も言わないの?)
否定も訂正もしないリアム。そんな彼の様子に絶望するオフェリア。
オフェリアがショックを受けているのを察してか、畳みかけるように親衛隊の少女はさらに続けた。
「そして、キスしたあともリアム様は私を好きだ愛してると激しく求めてくださって。まさかリアム様があんなに情熱的だったなんて知りませんでしたわ」
うっとりしながら「素敵な時間でしたわ」と言って自分の身体を掻き抱く親衛隊の少女の姿に、オフェリアは吐き気を催す。再び視線をリアムに向けるも、なぜか何も言わないまま。
いつもの彼の様子とは違って困惑しているのか気まずそうにしているだけで、否定はおろか誤魔化すことさえしてくれなかった。
(ということは、やっぱり……本当のことなのね……)
オフェリアは彼女が言っていることは事実なのだと理解し、息が苦しくなった。
(あんなに私のこと好きだの愛してるだの言ってたくせに。私じゃないとダメだなんて言ってたくせに。やっぱり私じゃなくてもいいんじゃない)
気持ちが急激に冷めていくのがわかる。
リアムのことを想ってグランとキスしないように四苦八苦していた自分が馬鹿らしくなった。
結局、リアムの言葉に踊らされて、リアルの甘言に騙されて裏切られたのか。
様々な負の想いが頭をよぎり、オフェリアの感情はぐちゃぐちゃになっていった。
「……そ、う」
絞り出すように吐き出すオフェリア。それが彼女の今できる精一杯の答えだった。
だが、そんな反応だけでは物足りないのか、追い討ちをかけるように親衛隊の少女はオフェリアの前に立って微笑んだ。
「ということで、リアム様はわたくしのことを愛していらっしゃるみたい。貴女は勘違いなさってたようだけど、もうリアム様につきまとわないでくださる?」
「っ!」
「やだ、ごめんなさいね。ストレートに言い過ぎたかしら。でも、身の程を弁えてちょうだい。リアム様の隣にいていいのはわたくしなの」
「そ、う。わかった」
今にも涙が溢れそうになるのを、オフェリアはグッと堪える。
だが、自分はこんなにもリアムのことを好きだったのかという自覚と共に、オフェリアの意に反してだんだんと視界が滲んでいった。
(結局、私だけがこんなに好きになっていただなんて)
自分を一途に愛してくれているからこそ受け入れたあれこれが、全て空虚になるのを感じる。
つい今朝まで、幸せすぎてどうしようと思っていたはずなのに。
(そりゃ、悪の帝王になる人だもの。嘘くらい簡単につくわよね。私のこともきっと揶揄って遊んでいたのか、世界征服する上で私が邪魔だったのか。あーあ、簡単に騙されるだなんて)
都合のいい話だと思ったんだ。誰からも人気があるリアムが自分のことを好きになるだなんて。
思い上がりもいいとこだと、オフェリアは自分の勘違いを責める。
「じゃあ、邪魔者は退散するわね」
「オフェリア……っ」
オフェリアは早くこの場から去りたいとすぐに踵を返して駆けようとする。
けれどリアムに腕を掴まれ、それは叶わなかった。
「離して」
「オフェリアは、何をしてたんだ」
やっとリアムが口を開いたかと思えば、こちらに対して詮索するような物言い。
自分のことは棚に上げて、どうしてこちらを問いただすような態度をするのかわからず、オフェリアはぶっきらぼうに答えた。
「何? リアムには関係ないでしょ」
「オフェリアもいきなり現れたから、もしかしたら同じような部屋にいたのかと思って」
「だから何? リアムには関係ないでしょ」
わざと突き放すように言い放つ。
そして、オフェリアは掴まれた腕を離してもらうように腕を力いっぱい振るが、リアムはなぜか離してくれなかった。
「関係なくない」
「リアムは私のことなんてどうでもいいんでしょ? 私のことが好きじゃないんだから、放っておいてよ」
「オフェリア」
「もういい加減にして!」
今までにないくらい大きな金切り声を上げるオフェリア。リアムは滅多に見ない彼女の様子に驚いたのか、腕を離す。
オフェリア自身も普段感情を抑えていることが多いせいか、こんな絶叫に近い声が出るとは思わなかったが、それでももう止められなかった。
「そうよ! 私もリアム達と同じ部屋に閉じ込められたわ。でも、私はリアムとは違ってグランとキスしないように色々考えて、どうにかキスしないで出た! リアムのことが好きだったから、リアムも私のこと好きでいてくれてると思ったから、他の人とはしたくないから頑張って別の方法を模索したの! それなのに……ただの一人よがりだったみたいね。リアムのことを想って散々抗ってた私がバカみたい!」
「オフェリア。落ち着いて。これには訳が……」
「煩い! リアムは隠し事ばかりだし、本音で話すこともほぼなかったじゃない。いつも好きだのなんだの言ってるのも、どうせジャスパーとのゲームか何かで、私のことなんてただの遊びなんでしょ!? もうリアムと付き合うのは無理! リアムなんて大嫌い!!」
オフェリアはヒステリックに泣き喚く。
本当はこんな無様な姿を見せるつもりはなかったのに、どうしても止められなかった。
顔を上げるとリアムのザックリと傷ついた顔。何でリアムがそんな顔するんだと思いながらも、オフェリアはその場から逃げるように走り出した。
見慣れた風景に安堵するオフェリア。
いつも通りの校内の景色を拝めることを今ほど待ち望んだことはなかった。
「リアムどこだろ。ジャスパーにも遅れちゃったこと謝らないと」
「オフェリア?」
「リア……っ」
あのトンチキな部屋から出られたとホッとしたのも束の間。聞き慣れた声で名を呼ばれ、顔を上げるとそこにいたのは会いたかったリアム。……だけでなく、隣には親衛隊の一人がリアムの腕にくっつき、しなだれかかっている状態でいた。
しかも、なぜか彼女の頬は紅潮し、髪や服は乱れていて、明らかに異様な状態であるその姿にオフェリアは思わず目を見張った。
「えっと、どういう状況?」
「それは……」
「わたし達、いきなり『キスをしないと出られない部屋』というところに閉じ込められてたの」
リアムを遮るように答える傍らの少女。その表情はどこか勝ち誇っていた。
「え?」
まさかリアムも同じ状況だったとは思わなかったが、それ以上に親衛隊の少女のこの態度の異様さにオフェリアが呆気に取られていると、バツが悪そうに顔を逸らすリアム。
そんなリアムとは対照的に、彼女は嬉々としてオフェリアの前に立った。
「いきなり部屋に閉じ込められたかと思ったら、リアム様がいらっしゃって。リアム様が困っていらっしゃるからどうしたのかと思えば、わたし達『キスしないと出られない部屋』に閉じ込められてしまったというではありませんか。それで、わたしがどうしようかと困っていたら、おもむろにリアム様からギュッと力強く抱きしめられて、わたくしのことがずっと好きだったってそのまま熱い口づけをされましたの」
「え」
恍惚とした表情の少女とは正反対に、彼女の言葉にざっくりと胸が抉られたように痛むオフェリア。
信じられないとリアムの顔を見れば、彼は何とも言えない表情をしながらこちらを見ていた。
(何で……? 何で、何も言わないの?)
否定も訂正もしないリアム。そんな彼の様子に絶望するオフェリア。
オフェリアがショックを受けているのを察してか、畳みかけるように親衛隊の少女はさらに続けた。
「そして、キスしたあともリアム様は私を好きだ愛してると激しく求めてくださって。まさかリアム様があんなに情熱的だったなんて知りませんでしたわ」
うっとりしながら「素敵な時間でしたわ」と言って自分の身体を掻き抱く親衛隊の少女の姿に、オフェリアは吐き気を催す。再び視線をリアムに向けるも、なぜか何も言わないまま。
いつもの彼の様子とは違って困惑しているのか気まずそうにしているだけで、否定はおろか誤魔化すことさえしてくれなかった。
(ということは、やっぱり……本当のことなのね……)
オフェリアは彼女が言っていることは事実なのだと理解し、息が苦しくなった。
(あんなに私のこと好きだの愛してるだの言ってたくせに。私じゃないとダメだなんて言ってたくせに。やっぱり私じゃなくてもいいんじゃない)
気持ちが急激に冷めていくのがわかる。
リアムのことを想ってグランとキスしないように四苦八苦していた自分が馬鹿らしくなった。
結局、リアムの言葉に踊らされて、リアルの甘言に騙されて裏切られたのか。
様々な負の想いが頭をよぎり、オフェリアの感情はぐちゃぐちゃになっていった。
「……そ、う」
絞り出すように吐き出すオフェリア。それが彼女の今できる精一杯の答えだった。
だが、そんな反応だけでは物足りないのか、追い討ちをかけるように親衛隊の少女はオフェリアの前に立って微笑んだ。
「ということで、リアム様はわたくしのことを愛していらっしゃるみたい。貴女は勘違いなさってたようだけど、もうリアム様につきまとわないでくださる?」
「っ!」
「やだ、ごめんなさいね。ストレートに言い過ぎたかしら。でも、身の程を弁えてちょうだい。リアム様の隣にいていいのはわたくしなの」
「そ、う。わかった」
今にも涙が溢れそうになるのを、オフェリアはグッと堪える。
だが、自分はこんなにもリアムのことを好きだったのかという自覚と共に、オフェリアの意に反してだんだんと視界が滲んでいった。
(結局、私だけがこんなに好きになっていただなんて)
自分を一途に愛してくれているからこそ受け入れたあれこれが、全て空虚になるのを感じる。
つい今朝まで、幸せすぎてどうしようと思っていたはずなのに。
(そりゃ、悪の帝王になる人だもの。嘘くらい簡単につくわよね。私のこともきっと揶揄って遊んでいたのか、世界征服する上で私が邪魔だったのか。あーあ、簡単に騙されるだなんて)
都合のいい話だと思ったんだ。誰からも人気があるリアムが自分のことを好きになるだなんて。
思い上がりもいいとこだと、オフェリアは自分の勘違いを責める。
「じゃあ、邪魔者は退散するわね」
「オフェリア……っ」
オフェリアは早くこの場から去りたいとすぐに踵を返して駆けようとする。
けれどリアムに腕を掴まれ、それは叶わなかった。
「離して」
「オフェリアは、何をしてたんだ」
やっとリアムが口を開いたかと思えば、こちらに対して詮索するような物言い。
自分のことは棚に上げて、どうしてこちらを問いただすような態度をするのかわからず、オフェリアはぶっきらぼうに答えた。
「何? リアムには関係ないでしょ」
「オフェリアもいきなり現れたから、もしかしたら同じような部屋にいたのかと思って」
「だから何? リアムには関係ないでしょ」
わざと突き放すように言い放つ。
そして、オフェリアは掴まれた腕を離してもらうように腕を力いっぱい振るが、リアムはなぜか離してくれなかった。
「関係なくない」
「リアムは私のことなんてどうでもいいんでしょ? 私のことが好きじゃないんだから、放っておいてよ」
「オフェリア」
「もういい加減にして!」
今までにないくらい大きな金切り声を上げるオフェリア。リアムは滅多に見ない彼女の様子に驚いたのか、腕を離す。
オフェリア自身も普段感情を抑えていることが多いせいか、こんな絶叫に近い声が出るとは思わなかったが、それでももう止められなかった。
「そうよ! 私もリアム達と同じ部屋に閉じ込められたわ。でも、私はリアムとは違ってグランとキスしないように色々考えて、どうにかキスしないで出た! リアムのことが好きだったから、リアムも私のこと好きでいてくれてると思ったから、他の人とはしたくないから頑張って別の方法を模索したの! それなのに……ただの一人よがりだったみたいね。リアムのことを想って散々抗ってた私がバカみたい!」
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