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第二十七話 ……何を、言ってるの?
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「ん……ぅ……はっ、ここは!?」
オフェリアがハッと慌てて目を覚ますと頭に走る激痛。
立ち上がろうとするも、腕や脚はいつのまにか魔法で拘束され、身動きが取れない状態で床に座らされていた。
周りを見回すも、何かの倉庫のような暗い場所で見覚えは全くない。
自分の置かれた状況が理解できず、オフェリアは困惑しながらも先程までの記憶を思い出す。
「私、確かさっきグランに剣で刺されて……でも、生きてる……? 何で……」
「さっきのは幻覚だからだよ」
「グラン……っ!」
ハッと顔を上げるとグランがゆっくりと歩いてくる。
だが、今までの爽やかな雰囲気から一転し、禍々しいオーラが見えるほどその様子はいつもとは違っていた。
「いいねぇ、その表情。やっぱり恐怖を抱いてる人間はいい。とってもそそるよ」
「……何を、言ってるの?」
いつもと同じ顔をしているのに、まるで別人のような言動。恍惚とした表情でオフェリアを見下ろしてくるグランに、恐怖心を抱く。
明らかに害意があるのが見てとれて今すぐ逃げ出したくなるが、拘束魔法のせいか魔法が発動せず、オフェリアはグランを睨むことしかできなかった。
「すごいね。恐怖心を抱いてるのに、まだ反抗的な態度をとるだなんて。さすが、リアム様が気にいるだけはある」
「リアム、様……?」
グランの言動が理解できなくて、オフェリアは眉間に皺を寄せる。
未だに状況やグランの思惑が読めず、オフェリアはグランの意図を探るために口を開いた。
「どうしてこんなことするの? 何が目的なの?」
「目的? それはもちろん、決まってるじゃないか。……悪の帝王の復活だよ」
「っ!」
グランの言葉にリアムの言葉を思い出す。
__僕を悪の帝王にさせたいがために僕とオフェリアの仲を引き裂こうとする陣営がある
(ということは、私の命を狙ってる勢力……っ!)
わかってはいたものの、まさか本当に命を狙われていたことに衝撃を受ける。リアムを信じてなかったわけではないが、一気に現実味を帯びる命の危険に血の気が引く。
オフェリアはようやく自分の状況を把握し、なんとかここから逃げ出せないかと模索するも、魔法はダメ、自力で脱出するのもダメで、八方塞がりだった。
(どうしよう、このままだと殺される。なんとかしないと……! って、ちょっと待って。殺そうとしているのなら、既に殺されていてもおかしくないのに、何で私まだ殺されていないんだろう?)
先程まで意識を失っていたオフェリアを殺すことなど造作もないはず。それなのに今も生かされている事実に疑問を持つ。
(さっき刺されたのだって幻覚だって言ってたけど、どういうこと?)
あの状況、オフェリアを本物の剣で刺すことなど容易かったはずだ。にも関わらず、グランはなぜオフェリアに幻覚を見せたのか、オフェリアには理解ができなかった。
魔法の精神攻撃は脳内に直接攻撃するため、痛覚を刺激されて痛みが伴う。
だが、いくら痛覚を刺激されたとはいえ、殺害するにまでは至らない。
そのため、肉体に直接攻撃するほうが確実なのは間違いないはずなのだが。
(何か理由でもあるんだろうか)
「この状況でも考えごとする余裕があるんだ。つまらないなぁ。もっと命乞いとかしてよ。みっともなく地べたに這いつくばって、ボクに助けてくださいって請いすがってよ」
「嫌だと言ったら?」
「こうするまでさ」
「っぐ、ぅ……っ」
肩に深々と刺さった剣。
痛みで顔を顰めるも、次に見たときはそこには剣はなかった。
(また幻覚)
「やっぱり簡単には死なないか。あんまり精神攻撃しすぎると人間って防衛本能ですぐに気絶しちゃうから、殺せないのがつまらないんだよね。……まぁ、簡単に死なれてもボクも困るし、いいんだけど。もっとキミの苦痛に歪む顔が見たいしね」
「悪趣味ね」
「悪趣味? どこが? 最高じゃないか! 人間の苦悶の表情や恐怖の叫び声! とってもゾクゾクする。特に断絶魔だっけ? 死ぬ間際のアレを聞くのが特に興奮する!」
グランが嬉々として話し出す。
非常に饒舌で、狂気を孕んでいるような喋り方だった。
「今の世界じゃ人殺しも満足にできないだろう? だから、ボクとしてはリアム様に悪の帝王になってもらわなければ困るんだよね。彼の世界では好きなだけ殺せるからさ。しかも、誰からも咎められない! 素敵だと思わないかい?」
(そんな理由でリアムを悪の帝王にさせたいと思っていただなんて)
常軌を逸した理由に、オフェリアはグランを理解するのを諦めた。
これは会話でどうこうなるレベルではない。
(でも、逃げ出す方法が他にはない)
どうにかこの拘束さえ解ければ脱出できるかもしれないが、必死に手足を動かしてもびくともしなかった。もちろん解除魔法を使っても、全く効く気配もない。
(そういえば以前に妖精とのハーフと言っていたし、どう考えてもこれは上位魔法。さすがに今の私じゃ太刀打ちできない)
妖精魔法を攻略する方法をオフェリアは持ち合わせていない。ハーフでも妖精なだけあって、妖精特有の気まぐれで善悪の判断がつかないという性格を色濃く反映しているのを見ると、やはり会話による説得は不可能だろう。
(この状況を打開するためには、もっと大胆に攻めるしかない)
危険が伴うが背に腹はかえられない。
恐怖で身体が震えそうになるのを抑え込みながら、オフェリアはグランをしっかりと見据えて最大限口元を歪ませると意地が悪そうにニィッと笑って見せた。
「なら、さっさと私を殺せばいいじゃない。今ならこうして抵抗もできないわけだし。ここは密室で、誰にもバレないんだから」
まだ殺されないというなら、それを逆手に取って挑発する。
正直、今すぐ泣き出してしまいそうなほど怖い。
だが、オフェリアは少しでもグランに隙が生まれるならと、あえて自分を殺すように煽ってみせた。
「あっは、凄いね。この状況でそれを言えるだなんて。それともわかってて言ってるのかな?」
グランが剣、槍、弓、ノコギリなどあらゆる武器を出現させる。
そして、刃先がゆっくりとオフェリアに向けられると、それが一気に彼女に向かって飛んできた。
オフェリアがハッと慌てて目を覚ますと頭に走る激痛。
立ち上がろうとするも、腕や脚はいつのまにか魔法で拘束され、身動きが取れない状態で床に座らされていた。
周りを見回すも、何かの倉庫のような暗い場所で見覚えは全くない。
自分の置かれた状況が理解できず、オフェリアは困惑しながらも先程までの記憶を思い出す。
「私、確かさっきグランに剣で刺されて……でも、生きてる……? 何で……」
「さっきのは幻覚だからだよ」
「グラン……っ!」
ハッと顔を上げるとグランがゆっくりと歩いてくる。
だが、今までの爽やかな雰囲気から一転し、禍々しいオーラが見えるほどその様子はいつもとは違っていた。
「いいねぇ、その表情。やっぱり恐怖を抱いてる人間はいい。とってもそそるよ」
「……何を、言ってるの?」
いつもと同じ顔をしているのに、まるで別人のような言動。恍惚とした表情でオフェリアを見下ろしてくるグランに、恐怖心を抱く。
明らかに害意があるのが見てとれて今すぐ逃げ出したくなるが、拘束魔法のせいか魔法が発動せず、オフェリアはグランを睨むことしかできなかった。
「すごいね。恐怖心を抱いてるのに、まだ反抗的な態度をとるだなんて。さすが、リアム様が気にいるだけはある」
「リアム、様……?」
グランの言動が理解できなくて、オフェリアは眉間に皺を寄せる。
未だに状況やグランの思惑が読めず、オフェリアはグランの意図を探るために口を開いた。
「どうしてこんなことするの? 何が目的なの?」
「目的? それはもちろん、決まってるじゃないか。……悪の帝王の復活だよ」
「っ!」
グランの言葉にリアムの言葉を思い出す。
__僕を悪の帝王にさせたいがために僕とオフェリアの仲を引き裂こうとする陣営がある
(ということは、私の命を狙ってる勢力……っ!)
わかってはいたものの、まさか本当に命を狙われていたことに衝撃を受ける。リアムを信じてなかったわけではないが、一気に現実味を帯びる命の危険に血の気が引く。
オフェリアはようやく自分の状況を把握し、なんとかここから逃げ出せないかと模索するも、魔法はダメ、自力で脱出するのもダメで、八方塞がりだった。
(どうしよう、このままだと殺される。なんとかしないと……! って、ちょっと待って。殺そうとしているのなら、既に殺されていてもおかしくないのに、何で私まだ殺されていないんだろう?)
先程まで意識を失っていたオフェリアを殺すことなど造作もないはず。それなのに今も生かされている事実に疑問を持つ。
(さっき刺されたのだって幻覚だって言ってたけど、どういうこと?)
あの状況、オフェリアを本物の剣で刺すことなど容易かったはずだ。にも関わらず、グランはなぜオフェリアに幻覚を見せたのか、オフェリアには理解ができなかった。
魔法の精神攻撃は脳内に直接攻撃するため、痛覚を刺激されて痛みが伴う。
だが、いくら痛覚を刺激されたとはいえ、殺害するにまでは至らない。
そのため、肉体に直接攻撃するほうが確実なのは間違いないはずなのだが。
(何か理由でもあるんだろうか)
「この状況でも考えごとする余裕があるんだ。つまらないなぁ。もっと命乞いとかしてよ。みっともなく地べたに這いつくばって、ボクに助けてくださいって請いすがってよ」
「嫌だと言ったら?」
「こうするまでさ」
「っぐ、ぅ……っ」
肩に深々と刺さった剣。
痛みで顔を顰めるも、次に見たときはそこには剣はなかった。
(また幻覚)
「やっぱり簡単には死なないか。あんまり精神攻撃しすぎると人間って防衛本能ですぐに気絶しちゃうから、殺せないのがつまらないんだよね。……まぁ、簡単に死なれてもボクも困るし、いいんだけど。もっとキミの苦痛に歪む顔が見たいしね」
「悪趣味ね」
「悪趣味? どこが? 最高じゃないか! 人間の苦悶の表情や恐怖の叫び声! とってもゾクゾクする。特に断絶魔だっけ? 死ぬ間際のアレを聞くのが特に興奮する!」
グランが嬉々として話し出す。
非常に饒舌で、狂気を孕んでいるような喋り方だった。
「今の世界じゃ人殺しも満足にできないだろう? だから、ボクとしてはリアム様に悪の帝王になってもらわなければ困るんだよね。彼の世界では好きなだけ殺せるからさ。しかも、誰からも咎められない! 素敵だと思わないかい?」
(そんな理由でリアムを悪の帝王にさせたいと思っていただなんて)
常軌を逸した理由に、オフェリアはグランを理解するのを諦めた。
これは会話でどうこうなるレベルではない。
(でも、逃げ出す方法が他にはない)
どうにかこの拘束さえ解ければ脱出できるかもしれないが、必死に手足を動かしてもびくともしなかった。もちろん解除魔法を使っても、全く効く気配もない。
(そういえば以前に妖精とのハーフと言っていたし、どう考えてもこれは上位魔法。さすがに今の私じゃ太刀打ちできない)
妖精魔法を攻略する方法をオフェリアは持ち合わせていない。ハーフでも妖精なだけあって、妖精特有の気まぐれで善悪の判断がつかないという性格を色濃く反映しているのを見ると、やはり会話による説得は不可能だろう。
(この状況を打開するためには、もっと大胆に攻めるしかない)
危険が伴うが背に腹はかえられない。
恐怖で身体が震えそうになるのを抑え込みながら、オフェリアはグランをしっかりと見据えて最大限口元を歪ませると意地が悪そうにニィッと笑って見せた。
「なら、さっさと私を殺せばいいじゃない。今ならこうして抵抗もできないわけだし。ここは密室で、誰にもバレないんだから」
まだ殺されないというなら、それを逆手に取って挑発する。
正直、今すぐ泣き出してしまいそうなほど怖い。
だが、オフェリアは少しでもグランに隙が生まれるならと、あえて自分を殺すように煽ってみせた。
「あっは、凄いね。この状況でそれを言えるだなんて。それともわかってて言ってるのかな?」
グランが剣、槍、弓、ノコギリなどあらゆる武器を出現させる。
そして、刃先がゆっくりとオフェリアに向けられると、それが一気に彼女に向かって飛んできた。
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