前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ

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第十二話 学園長

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「ようこそ、我がノワール・マジカル・アカデミアへ! 私はここの学園長をしてます、ボン・ボワーレです。どうぞ、お見知りおきを」

 学園長、というからとても老齢な人を想像していたけれど、どうやら違うらしい。

 白髪ではあるものの、伸ばした髪は綺麗に腰ほどまでで揃えられ、背筋もしゃんとしている細身の男性だった。

 あの学園長が毎年魔法で学校の場所を変えたり見た目を変えたりしてると思うと、人は見かけによらないのだなぁと感心しながら、私は彼の言葉に耳を傾ける。

「ここには世界各国より集められた精鋭の魔法使いばかりが集まっています。ここにいる人物はみんな魔法力に長け、思慮深く、そしてカリスマ性のある者ばかりです。そう、キミたちは選ばれた人間! けれど、慢心してはいけません。さらに飛び抜けた人物になるためには人のために役立ち、そのために努力する人であり、優れた能力を自身のみならず他者にも与えられる者で……」

 すらすらと遊説している学園長の声はとても心地よいものだった。

 誰でも脳内にスッと入ってくる声、音質、ボリューム。
 恐らくこれも魔法の力によるものなのだろうが、魔法ってこんな使い方もあるのか、としみじみと思った。

 よくよく考えてみたら、私は目立たないようにしていたため魔法をあまり使ったことはない。

 魔法力が人より優れているとマリアンヌに言われていても、人と比べたことがなかったのでただのお世辞だと思っていたが、学園長のように様々なことに魔法が使えたらそれはそれで素敵なことだと思った。

 そしてさらにこの容姿に対するトラウマを克服できる術があったならそれは望ましいことだ。
 喪女生活を送ることが人生の第一目標ではあるが、あくまで根底にあるのは平穏な日常を送り大往生することである。

 決して処刑などされることなく、望んだ死を得たいというのが今世の最大目標だ。
 そのため、トラウマが克服できるなら克服するに越したことはない。

「では、長々と心得について話しましたが、今度は施設の案内をしましょう。まずは、ここがカフェテリア」

 そう学園長が言うと、頭上に先程まで何もなかったはずのところに大きいビジョンのようなものが現れる。
 一瞬でこれを出したの? と驚くと、周りも私同様に驚いたのかザワザワしていた。

「学生が最もお世話になるのが恐らくこのカフェテリアでしょう。ちなみに、場所はこの地図の通り別館の一階にありまして、各教室の転移魔法陣から行き来できます」

 ビジョンに映し出されるカフェテリアはまるでそこに行った気になるような映像になっており、地図や内装なども映し出され、メニューなどの紹介などもされる。
 未知の魔法や今までの生活になかったものの数々の自然と胸が躍った。

「凄いわね、NMA」
「えぇ、想像以上だわ」

 マリアンヌとこっそりと話しながら、その後も各教室についてや教員についての紹介、履修についての案内など、私達はNMAについて一通りの説明を受けるのだった。
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