前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ

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第十八話 ハーパーとオリビア

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「~~~~っ!?」
「やーーーーん! お人形さんみたいって聞いてたけど、本当に可愛いー!!」
「さっきの魔力見たわよ~!! すっごかった! あれってどうやるの!?」
「ハーパー、オリビア、落ち着いて。クラリスが死ぬわよ」

 酸欠であうあうしてると「あら、ごめんなさい!」「つい、興奮しちゃって!!」とそれぞれ離れてくれて、私はふらふらになりながら近くの椅子に腰を下ろした。

「クラリス、さっき言ってた同室のハーパーとオリビアよ」
「は、はじめまして、クラリス・マルティーニです」
「いやん! 声まで可愛い! 私はハーパー・ブランシルよ! ハーちゃんとかハープちゃんとか呼んでちょうだい」
「私はオリビア。オリビア・キャリーよ。本当にもうなんという美しさなの? 美の秘訣を教えてほしいわ~! 魔法使ってるわけじゃないのよね?」

 ハーパーは肩まであるブロンドの髪がウェーブがかった多少背の低い可愛らしい女性だ。どうやら可愛いものが好きなのか、ハイテンションで可愛い可愛いと言われ、あまりの勢いに圧倒されて怖がる暇もなかった。

 オリビアはマリアンヌよりも身長が高く、細身で長い黒髪の中性的な顔立ちの女性だ。ハーパーより多少テンションは劣るものの、私の魔力や美容が気になるようで手や頬など色々触られて、思わず目が白黒してしまう。

「ハーパー、オリビア。もう夜なのだからもう少し声は抑えめで話してちょうだい。あと、クラリスは先程まで寝込んでたんだから、あまりちょっかい出さないであげて」
「ちぇー。マリアンヌはいいわよねぇ~! 幼馴染だからってクラリスちゃんに昔から会ってたんでしょう?」
「そうよそうよ。いつも自慢ばかり聞かされて、私達はずっと会いたいのを我慢して今を迎えたんだから、ちょっとくらいはしゃいだっていいじゃない!」
「べ、別に自慢はしてないでしょう!」
「えー、マリアンヌったら『クラリスって可愛いお友達がいるの』っていつも言ってたじゃなーい」
「そうそう。魔力も高くて素晴らしいお友達だって!」

 マリアンヌは自分のいないところでそんなことを言ってくれてたのか、と私は彼女の視線を向ける。珍しく恥ずかしがっている様子で耳まで真っ赤にしたマリアンヌは恨めしげに二人を見ていた。

 そんな様子のマリアンヌを見て、二人はニヤニヤすると「とにかく、私達ずっと貴女とお友達になりたかったのよ?」「そうそう、やっと会えて嬉しいわ! 人見知りとは聞いているけど、ぜひともマリアンヌだけでなくて私達とも仲良くしてちょうだい」とにっこりと微笑まれる。

「こ、こちらこそ。よろしくお願いします」
「やーーーーん、かーわーいーいーーー!!」
「クラリスちゃんって呼んでいい? っていうか、呼ぶわね? あー、もう今日は初めて一緒に寝るんだし、ベッドをフラットにしてみんな同じベッドで寝ましょうよ~!!」
「いいわね。そうしましょう~!」

 二人はこちらの意見も聞かずにキャッキャキャッキャと魔法を使い出す。
 そして、ベッドの配置換えをしてサイドボードなどを取っ払って一つの大きなベッドを作り上げた。

「これ、怒られないの?」
「大丈夫じゃない? 朝、直せばいいでしょ!」
「私はクラリスちゃんのとーなり!」
「私も隣もーらい!!」
「あ、抜け駆けはズルいわ! 私だってクラリスと一緒に寝たかったのに~」
「マリアンヌはいつも独り占めしてるんだからいいでしょ~?」
「そうよそうよ~」
「だから違うってばー! あーもー!! 今度は私がクラリスの隣に寝るからね!」
「ふふ、どうしようかしら」
「ねぇ?」
「きーーーーー!!」

 珍しいマリアンヌの姿が見れてちょっと面白くなる。
 入学式は不安なことも多かったが、こうして受け入れてもらえるのは嬉しかった。

「あ、クラリスちゃん笑った? 笑顔も素敵!」
「顔も小さくて天使だわ~! 今日はいい夢が見られそう」
「もういいから寝るわよ、貴女達」
「はーい」

 魔法で寝間着に着替えるとそのままベッドに横たわる。
 傍らにはハーパー、その反対にはオリビアと二人に挟まれて、ぎゅうぎゅうとくっつかれた。
 これはなかなかすぐには寝れそうにもないな、と思いながらも久々に感じる人の温もりに胸がほんのりと温かくなる。

(仲良くなれそうでよかった)

 ハーパーとオリビアが良い子そうで良かったと安心しながら、私は明日から始業だから早く寝なければと目をギュッと瞑り、まだ起きたばかりで眠くないながらも寝ることに努めるのだった。
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