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第二十九話 溜め息
「はぁぁぁぁ」
図書館の中で大きな溜め息をつきながら、私は重い足取りで一人とぼとぼと歩く。
昨夜はマリアンヌと喧嘩……いや、一方的に私が大嫌いと言ってしまったせいで、ずっと彼女とは気まずいままだ。
ハーパーとオリビアがいるだけまだ救いがあったが、同室だとこういうデメリットがあるのかと今更ながら思いつつ、今だけに関して言えば、クラスが別でよかったと心から思えた。
もし同室だけでなく、クラスまで一緒だったら気持ち的に逃げ場がなくて、本当にNMAを辞めることになるかもしれなかったからだ。
「はぁ……。とはいえ、勝手に辞めたら家帰るのも気まずいし、八方塞がりね……。あー、もー……考えてもしょうがないから、早く気持ち切り替えないと」
今は魔法史の授業なのだが、まずは各自テーマを決めてレポートを作成するそうで、今回は図書館の利用方法もかねて図書館で授業をするらしい。
気が重いままではあるが、来ている以上授業は受けなければとうろうろと図書館を歩き回る。
だがさすがNMAの図書館、一日では回りきれないほど広かった。
「どうしよう……」
魔法史といっても範囲は漠然としている。
この世界の始まりの原世から現代まである魔法の歴史で、具体的にどの魔法についての変遷を辿ろうか、時間のこともあるしあまり難しくないテーマは何だろう? と私は頭を悩ませた。
「はぁぁぁぁ」
マリアンヌのこともそうだが、授業を含めて非常に気が重い。
このレポートは必要なら誰かとチームを組んでいいとのことだが、そんな相手はもちろんいない。
いや、正確にはエディオンが私と組みたがっているのはわかっていた。
だが、彼が第三王子だという事実や婚約者がいると知ってしまった以上、今以上に喪女生活が脅かされるのは勘弁なので、私は彼の存在を察知しては書架に隠れて逃げ回っている。
それを何度か繰り返しているせいでまともに集中してテーマを絞れる状態ではなく、落ち着かないまま図書館の中をぐるぐると当てもなく彷徨っていた。
けれど、他のクラスメートは既にテーマを決めたのか、だんだんと書架にいる人数も減ってきていてさすがに焦りが生まれてくる。
「このままだったら必然的にエディオンと組むハメになりそうだし、ちょっと難しいけど防衛術の歴史にしようかしら」
防衛術は最近確立された魔法であり、歴史が浅いぶん資料が少ない。
そのため選択する生徒もいないだろうと、私は防衛術関連書籍のコーナーに向かった。
図書館の中で大きな溜め息をつきながら、私は重い足取りで一人とぼとぼと歩く。
昨夜はマリアンヌと喧嘩……いや、一方的に私が大嫌いと言ってしまったせいで、ずっと彼女とは気まずいままだ。
ハーパーとオリビアがいるだけまだ救いがあったが、同室だとこういうデメリットがあるのかと今更ながら思いつつ、今だけに関して言えば、クラスが別でよかったと心から思えた。
もし同室だけでなく、クラスまで一緒だったら気持ち的に逃げ場がなくて、本当にNMAを辞めることになるかもしれなかったからだ。
「はぁ……。とはいえ、勝手に辞めたら家帰るのも気まずいし、八方塞がりね……。あー、もー……考えてもしょうがないから、早く気持ち切り替えないと」
今は魔法史の授業なのだが、まずは各自テーマを決めてレポートを作成するそうで、今回は図書館の利用方法もかねて図書館で授業をするらしい。
気が重いままではあるが、来ている以上授業は受けなければとうろうろと図書館を歩き回る。
だがさすがNMAの図書館、一日では回りきれないほど広かった。
「どうしよう……」
魔法史といっても範囲は漠然としている。
この世界の始まりの原世から現代まである魔法の歴史で、具体的にどの魔法についての変遷を辿ろうか、時間のこともあるしあまり難しくないテーマは何だろう? と私は頭を悩ませた。
「はぁぁぁぁ」
マリアンヌのこともそうだが、授業を含めて非常に気が重い。
このレポートは必要なら誰かとチームを組んでいいとのことだが、そんな相手はもちろんいない。
いや、正確にはエディオンが私と組みたがっているのはわかっていた。
だが、彼が第三王子だという事実や婚約者がいると知ってしまった以上、今以上に喪女生活が脅かされるのは勘弁なので、私は彼の存在を察知しては書架に隠れて逃げ回っている。
それを何度か繰り返しているせいでまともに集中してテーマを絞れる状態ではなく、落ち着かないまま図書館の中をぐるぐると当てもなく彷徨っていた。
けれど、他のクラスメートは既にテーマを決めたのか、だんだんと書架にいる人数も減ってきていてさすがに焦りが生まれてくる。
「このままだったら必然的にエディオンと組むハメになりそうだし、ちょっと難しいけど防衛術の歴史にしようかしら」
防衛術は最近確立された魔法であり、歴史が浅いぶん資料が少ない。
そのため選択する生徒もいないだろうと、私は防衛術関連書籍のコーナーに向かった。
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