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第四十話 恋愛トーク
「で、でも。エディオンには婚約者がいるらしいわよ?」
「え、そうなの!?」
「えぇ。パーティーのときにそう言われた」
「それは初耳! どの子か知ってるの?」
「えーっと確か……ミナって名前だったような。あと、取り巻きの子が侯爵令嬢だって言ってたわ」
「ミナ……んー、覚えがないわね」
「侯爵令嬢ってどこの侯爵令嬢かしら」
「あー! 私、知ってる! ミナ・ブランシェットでしょ! 髪が茶色くて癖っ毛で瞳が紅玉のように真っ赤な子じゃない!?」
オリビアとマリアンヌが首を傾げていると、ハーパーが大きな声を上げる。
すかさず消灯時間だから「しーーーー!!」と彼女の口を押さえると「ご、ごめんごめん」と謝られた。
「で? その子で合ってるの? クラリス」
「うん、多分その子だと思う。ウェーブかかった長い茶髪に赤い目をしてた気がするから」
「じゃあ間違いないわね!」
「マリアンヌは同じ侯爵令嬢だけど知らないの?」
「そうね、今まで会った覚えがないわ」
「ハーパーは何で知ってるの?」
「私はミドルスクールが一緒だったのよ。彼女、大魔法使いのミゲル・ブランシェットの子孫だとかなんとかで、すごい魔力を持ってるだとか」
「ミゲル・ブランシェット!??」
驚きすぎて、今度は私もつい大きな声を出してしまう。
すかさず自ら口を押さえるが、「騒いでないで早く寝なさいよー」と外から副寮長の声が聞こえてきた。これ以上騒いだら、文字通り雷を落とされる可能性がある。
さすがにそれは嫌なので、みんなで顔を見合わせたあと、声の大きさを絞ってヒソヒソと話し出した。
「クラリス、知ってるの?」
「えぇ、魔法史にも出てくるくらいすごい人物よ。確か、今日調べた防衛魔法の考案の一人が彼だったはずだわ」
「そんな凄い人だったの」
「知らなかったわ」
「でも、それなら王子の婚約者というのも頷けるわね」
「確かに」
(もしかして、私に対して話しているときに怒っているのが目に見えていたけど、あれは溢れた魔力だったのか)
今更ながら気づいて、それほどまでの力があるとは凄いと感心する。
私の力も凄いとは言われているものの、そもそもちゃんと使ってこなかったせいで上手く使いこなせていないし、恐らくだがあのレベルまでの力は持ち合わせていない。
「でも婚約者がいるのにクラリスちゃんを追っかけてるのってどうなのかしらね」
「確かに、不誠実よね」
「クラリスはエディオンさまのことどう思ってるの?」
エディオンのほうに話が戻り、マリアンヌに尋ねられて「うーん」と言葉が詰まる。
(正直に言っていいだろうか、このメンバーだし、まぁいいか)
彼女達が口が固いことは知っている。
こうして興味本位で根掘り葉掘り聞かれはするが、今までも他言無用ということで情報漏洩はなかったから信用はできた。
「正直、エディオンはなんかしつこいというか、私……目立ちたくないのもそうだけど、追いかけ回されるのがあんまり好きじゃないのよね」
「あー、わかる」
「しつこい男は嫌よね」
「うんうん、こっちはその気ないのに勝手に盛り上がるやつとか最低」
「『僕はキミの唯一の理解者だ!』みたいな顔されるの腹立つわよねー!」
「そう、本当それ! 勝手にわかった気にならないでよ。こっちは猫被ってるんだからーってね」
本音で私が話すと、それを皮切りにそれぞれの恋愛トークに花が咲く。
私は経験がないためほとんど聞くことに徹していたが、「令嬢って大変なんだなぁ」と他人事のように聞いていた。
そして、どれもこれも興味深くて、気づいたら深夜になっていて、慌ててみんなで寝るのだった。
「え、そうなの!?」
「えぇ。パーティーのときにそう言われた」
「それは初耳! どの子か知ってるの?」
「えーっと確か……ミナって名前だったような。あと、取り巻きの子が侯爵令嬢だって言ってたわ」
「ミナ……んー、覚えがないわね」
「侯爵令嬢ってどこの侯爵令嬢かしら」
「あー! 私、知ってる! ミナ・ブランシェットでしょ! 髪が茶色くて癖っ毛で瞳が紅玉のように真っ赤な子じゃない!?」
オリビアとマリアンヌが首を傾げていると、ハーパーが大きな声を上げる。
すかさず消灯時間だから「しーーーー!!」と彼女の口を押さえると「ご、ごめんごめん」と謝られた。
「で? その子で合ってるの? クラリス」
「うん、多分その子だと思う。ウェーブかかった長い茶髪に赤い目をしてた気がするから」
「じゃあ間違いないわね!」
「マリアンヌは同じ侯爵令嬢だけど知らないの?」
「そうね、今まで会った覚えがないわ」
「ハーパーは何で知ってるの?」
「私はミドルスクールが一緒だったのよ。彼女、大魔法使いのミゲル・ブランシェットの子孫だとかなんとかで、すごい魔力を持ってるだとか」
「ミゲル・ブランシェット!??」
驚きすぎて、今度は私もつい大きな声を出してしまう。
すかさず自ら口を押さえるが、「騒いでないで早く寝なさいよー」と外から副寮長の声が聞こえてきた。これ以上騒いだら、文字通り雷を落とされる可能性がある。
さすがにそれは嫌なので、みんなで顔を見合わせたあと、声の大きさを絞ってヒソヒソと話し出した。
「クラリス、知ってるの?」
「えぇ、魔法史にも出てくるくらいすごい人物よ。確か、今日調べた防衛魔法の考案の一人が彼だったはずだわ」
「そんな凄い人だったの」
「知らなかったわ」
「でも、それなら王子の婚約者というのも頷けるわね」
「確かに」
(もしかして、私に対して話しているときに怒っているのが目に見えていたけど、あれは溢れた魔力だったのか)
今更ながら気づいて、それほどまでの力があるとは凄いと感心する。
私の力も凄いとは言われているものの、そもそもちゃんと使ってこなかったせいで上手く使いこなせていないし、恐らくだがあのレベルまでの力は持ち合わせていない。
「でも婚約者がいるのにクラリスちゃんを追っかけてるのってどうなのかしらね」
「確かに、不誠実よね」
「クラリスはエディオンさまのことどう思ってるの?」
エディオンのほうに話が戻り、マリアンヌに尋ねられて「うーん」と言葉が詰まる。
(正直に言っていいだろうか、このメンバーだし、まぁいいか)
彼女達が口が固いことは知っている。
こうして興味本位で根掘り葉掘り聞かれはするが、今までも他言無用ということで情報漏洩はなかったから信用はできた。
「正直、エディオンはなんかしつこいというか、私……目立ちたくないのもそうだけど、追いかけ回されるのがあんまり好きじゃないのよね」
「あー、わかる」
「しつこい男は嫌よね」
「うんうん、こっちはその気ないのに勝手に盛り上がるやつとか最低」
「『僕はキミの唯一の理解者だ!』みたいな顔されるの腹立つわよねー!」
「そう、本当それ! 勝手にわかった気にならないでよ。こっちは猫被ってるんだからーってね」
本音で私が話すと、それを皮切りにそれぞれの恋愛トークに花が咲く。
私は経験がないためほとんど聞くことに徹していたが、「令嬢って大変なんだなぁ」と他人事のように聞いていた。
そして、どれもこれも興味深くて、気づいたら深夜になっていて、慌ててみんなで寝るのだった。
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