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第四十六話 見知らぬ女生徒
「アイザック、どこにいるんだろう……」
探すといないのがアイザックだ。
以前、お礼を言おうとしてたときも全然会わなかったことを思い出しながら、私は校内をあちこち歩き回る。
それにしてもNMAの校内は広すぎる。
授業に行くときは移動魔法で目的地まで移動できるが、対象が移動してるとなるとしらみつぶしに歩いて探さないといけないため、非常に難易度が高くなるのだ。
「あー、全然見つからないよー……」
探しても探しても見つからない。
もしかしたら入れ違いになってしまってもう寮に戻ったのかもしれない、と思ったそのときだった。
「何をしているの?」
不意に声をかけられてそちらを向くと、見知らぬ女生徒がこちらを見ていた。
普段、知り合い以外に声をかけられる機会が全くなかった私は、緊張で心臓が痛くなる。
「あ、あの、人を探してて……」
「誰を探しているの?」
「えっと、アイザック・ノースくんを……」
ちらっとタイを見るとどうやら同じ一年生らしい。
NMAは少人数とはいえ、全員の顔と名前が一致してるわけではないので、「こんな子いたんだ」と頭の隅で考える。
「彼なら、地下室に向かったわよ」
「地下室?」
「えぇ、先生に頼まれごとをしたのだとか言ってたわ」
「そうなのね。あ、ちなみに地下室ってどこにあるのか知ってる?」
「そこの先を真っ直ぐにいったとこにあるわ」
「わかったわ。教えてくれてどうもありがとう」
「どういたしまして」
私は彼女にお礼を言うとそのまま教えてもらった通りに進んでいく。
だから私は気づかなかったのだ。
その少女の姿がどろりと変わり、私の後ろ姿を見ながらにやりと笑っていたことを。
◇
「なんか、冷える……というか、NMAにこんなとこあったんだ……」
奥に進めば進むほどひんやりとしてくる。
湿気なのかなんなのか、ジメッとしていて肌寒く、そしてカビ臭さも感じてつい顔を顰めた。
地下だから光も届かず、魔法で手元を明るくしてやっと見えているくらいの明るさで、正直心許ない。
こんなとこにアイザックは何の頼まれごとをしにきたのか、と思いながらも地下へと続く階段を降りていった。
バタン……っ
「うぎゃっ!」
大きな音が鳴って思わず身体が飛び跳ねる。
「え、ドアが閉まった……?」
ここに入るとき、ドアは持ち上げ式の扉で非常に重かったため、わざと開けっぱなしにしておいたのだが、誰かが間違えて閉めてしまったのかもしれない。
(戻って開け直そうかな。でも、戻るのも面倒だし。まぁ、私だけだったら開けるのは難しいだろうけど、アイザックがいるなら彼に開けてもらえばいいか)
なんて呑気なことを考えながら、私はさらに下へ下へと降りていった。
「暗いし、なんか気味悪いし、アイザックったら本当にこんなところにいるのかしら」
やっと階段を降り切ったと思えば、中はさらに暗くて震えるほど寒い。
こんなところならいつもみたいに式服のローブを羽織ってればよかった、と思いつつ「アイザック~? どこにいるのー? いたら返事をしてー!!」と声をかけたときだった。
「っっっっっっっ!」
声を出した瞬間、ざわざわざわっと背筋に殺気が走って身体が震え上がる。
ピシッと空気が凍りつき、何かが奥からのそりのそりとやってくる感覚に、足が竦んだ。
「な、何……? アイザック……なの……?」
アイザックではないことは察しながらも、私は彼の名を呼ばずにはいられなかった。
震える足をゆっくりゆっくりと動かしながら、平然を装って後ろに後退りする。
(ここにいてはダメだ。このままここにいると死ぬ……!)
探すといないのがアイザックだ。
以前、お礼を言おうとしてたときも全然会わなかったことを思い出しながら、私は校内をあちこち歩き回る。
それにしてもNMAの校内は広すぎる。
授業に行くときは移動魔法で目的地まで移動できるが、対象が移動してるとなるとしらみつぶしに歩いて探さないといけないため、非常に難易度が高くなるのだ。
「あー、全然見つからないよー……」
探しても探しても見つからない。
もしかしたら入れ違いになってしまってもう寮に戻ったのかもしれない、と思ったそのときだった。
「何をしているの?」
不意に声をかけられてそちらを向くと、見知らぬ女生徒がこちらを見ていた。
普段、知り合い以外に声をかけられる機会が全くなかった私は、緊張で心臓が痛くなる。
「あ、あの、人を探してて……」
「誰を探しているの?」
「えっと、アイザック・ノースくんを……」
ちらっとタイを見るとどうやら同じ一年生らしい。
NMAは少人数とはいえ、全員の顔と名前が一致してるわけではないので、「こんな子いたんだ」と頭の隅で考える。
「彼なら、地下室に向かったわよ」
「地下室?」
「えぇ、先生に頼まれごとをしたのだとか言ってたわ」
「そうなのね。あ、ちなみに地下室ってどこにあるのか知ってる?」
「そこの先を真っ直ぐにいったとこにあるわ」
「わかったわ。教えてくれてどうもありがとう」
「どういたしまして」
私は彼女にお礼を言うとそのまま教えてもらった通りに進んでいく。
だから私は気づかなかったのだ。
その少女の姿がどろりと変わり、私の後ろ姿を見ながらにやりと笑っていたことを。
◇
「なんか、冷える……というか、NMAにこんなとこあったんだ……」
奥に進めば進むほどひんやりとしてくる。
湿気なのかなんなのか、ジメッとしていて肌寒く、そしてカビ臭さも感じてつい顔を顰めた。
地下だから光も届かず、魔法で手元を明るくしてやっと見えているくらいの明るさで、正直心許ない。
こんなとこにアイザックは何の頼まれごとをしにきたのか、と思いながらも地下へと続く階段を降りていった。
バタン……っ
「うぎゃっ!」
大きな音が鳴って思わず身体が飛び跳ねる。
「え、ドアが閉まった……?」
ここに入るとき、ドアは持ち上げ式の扉で非常に重かったため、わざと開けっぱなしにしておいたのだが、誰かが間違えて閉めてしまったのかもしれない。
(戻って開け直そうかな。でも、戻るのも面倒だし。まぁ、私だけだったら開けるのは難しいだろうけど、アイザックがいるなら彼に開けてもらえばいいか)
なんて呑気なことを考えながら、私はさらに下へ下へと降りていった。
「暗いし、なんか気味悪いし、アイザックったら本当にこんなところにいるのかしら」
やっと階段を降り切ったと思えば、中はさらに暗くて震えるほど寒い。
こんなところならいつもみたいに式服のローブを羽織ってればよかった、と思いつつ「アイザック~? どこにいるのー? いたら返事をしてー!!」と声をかけたときだった。
「っっっっっっっ!」
声を出した瞬間、ざわざわざわっと背筋に殺気が走って身体が震え上がる。
ピシッと空気が凍りつき、何かが奥からのそりのそりとやってくる感覚に、足が竦んだ。
「な、何……? アイザック……なの……?」
アイザックではないことは察しながらも、私は彼の名を呼ばずにはいられなかった。
震える足をゆっくりゆっくりと動かしながら、平然を装って後ろに後退りする。
(ここにいてはダメだ。このままここにいると死ぬ……!)
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