48 / 120
第四十八話 死にたくない
しおりを挟む
(まだ、こんなとこで死にたくない!!!)
薄れる意識の中、最期の足掻きとばかりにそう心の中で叫ぶと、ぼうっ! と私の身体が焔に包まれる。
「あっちぃい! あっちあっち! げげ、……くそうっ、げげ……」
「がはっ! げほっ、ごほっ、ごほ、はぁっ、はぁ、はぁ……」
オーガはあまりの熱さに私を床に投げつける。
私の身体は何度かバウンドしたあと壁にぶつかり、あまりの痛みに意識が飛びそうになりながらも呼吸を整え、必死に立ち上がった。
「絶対、死んでたまるもんですか……っ!」
やっと引きこもりを脱したばかりなのだ。
せっかくNMAに来て友達もできて魔法も楽しくなってきたというのに、こんなに寒くて薄暗い誰もいないところでオーガに食べられて死ぬなんて絶対にごめんである。
「何度だって味あわせてあげるわ! 私も苦しめられた焔だからね! とくと味わえ!! 這い回る焔よ、その者の肌を舐めよ! 炙って焼いてその身を焦がせ!!」
「ぎぎぎぎあああああー! 熱い、熱いゾ!! げげげー!」
ぼわっと燃え盛る焔がオーガに纏わりついた。
その姿はまるで火炙りにされたときの自分を連想させて胸が苦しくぶわっと冷や汗が湧いて出てくる。
だが、死にたくない一心で震える足を地につけて必死にオーガと対峙した。
オーガはジタバタとのたうち回りながら火を消そうと躍起になっているが、私も追撃で何度も何度も焔を出してオーガを燃やし続ける。
「うぎぎぎぎー! 熱い、熱い……あつイぃいいいい!!!!!」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……まだ倒せないの……?」
オーガは怯みはすれど、決定打を与えることはできない。
魔力がだんだんと枯渇していくのが自分でもわかり、気が急いてくる。
(このまま根比べだと先に私の魔力のほうがすっからかんになりそう……!)
どうにかして決定打を与えたいけれど、弱点も何もわからない状態ではどうしようもない。
残りの魔力もせいぜい焔をあと数発出せるだけである。
というのも、私はまだ効率的な魔力の出し方がわかっていないために消耗が激しく、無駄な魔力を消費していた。
「あっちもだいぶ焦げついてきてるし、勝てる確率は五分五分といったところかしら」
オーガが先にやられるか、私の魔力が先に尽きるか、現状どちらが先に力尽きるかの戦いになっている。
そしてそれは魔力が尽きた瞬間、私に死が訪れることを意味していた。
「ぎぎぎ、……エサ……ぎぎ」
「あー、頭痛も酷いし、目眩もしてきた! こんなことなら引きこもってないで、ちゃんとミドルスクール行って魔法習っておけばよかった!!」
唐突な死を間際にすると、容姿がどうとか嫉妬がどうとかはもはやどうでもよくなってくる。
またしても前世同様、悔いの残る死に方になりそうだと、私は頭の片隅で今世での人生を後悔した。
(もう今は喪女だとか引きこもりだとかどうでもいいから、今世こそはちゃんと生きたい……!)
ただそれだけが願いなのに、これほどまでに難しいとは思ってもみなかった。
けれど、難しいからといって今回ばかりは諦めたくなかった。
「絶対に死なないんだからーーーー!! もし、食べられても一生呪ってやるーーーー!!」
大声を出して自分を鼓舞する。
絶対食べられないぞ、絶対にこんなとこで死なないぞ、もし食べられたら前世のときのように延々と味わう火炙りの痛みを味わわせてやる! と闘志を燃やしながら、このピンチを逃れるべく、次の案を考えているときだった。
薄れる意識の中、最期の足掻きとばかりにそう心の中で叫ぶと、ぼうっ! と私の身体が焔に包まれる。
「あっちぃい! あっちあっち! げげ、……くそうっ、げげ……」
「がはっ! げほっ、ごほっ、ごほ、はぁっ、はぁ、はぁ……」
オーガはあまりの熱さに私を床に投げつける。
私の身体は何度かバウンドしたあと壁にぶつかり、あまりの痛みに意識が飛びそうになりながらも呼吸を整え、必死に立ち上がった。
「絶対、死んでたまるもんですか……っ!」
やっと引きこもりを脱したばかりなのだ。
せっかくNMAに来て友達もできて魔法も楽しくなってきたというのに、こんなに寒くて薄暗い誰もいないところでオーガに食べられて死ぬなんて絶対にごめんである。
「何度だって味あわせてあげるわ! 私も苦しめられた焔だからね! とくと味わえ!! 這い回る焔よ、その者の肌を舐めよ! 炙って焼いてその身を焦がせ!!」
「ぎぎぎぎあああああー! 熱い、熱いゾ!! げげげー!」
ぼわっと燃え盛る焔がオーガに纏わりついた。
その姿はまるで火炙りにされたときの自分を連想させて胸が苦しくぶわっと冷や汗が湧いて出てくる。
だが、死にたくない一心で震える足を地につけて必死にオーガと対峙した。
オーガはジタバタとのたうち回りながら火を消そうと躍起になっているが、私も追撃で何度も何度も焔を出してオーガを燃やし続ける。
「うぎぎぎぎー! 熱い、熱い……あつイぃいいいい!!!!!」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……まだ倒せないの……?」
オーガは怯みはすれど、決定打を与えることはできない。
魔力がだんだんと枯渇していくのが自分でもわかり、気が急いてくる。
(このまま根比べだと先に私の魔力のほうがすっからかんになりそう……!)
どうにかして決定打を与えたいけれど、弱点も何もわからない状態ではどうしようもない。
残りの魔力もせいぜい焔をあと数発出せるだけである。
というのも、私はまだ効率的な魔力の出し方がわかっていないために消耗が激しく、無駄な魔力を消費していた。
「あっちもだいぶ焦げついてきてるし、勝てる確率は五分五分といったところかしら」
オーガが先にやられるか、私の魔力が先に尽きるか、現状どちらが先に力尽きるかの戦いになっている。
そしてそれは魔力が尽きた瞬間、私に死が訪れることを意味していた。
「ぎぎぎ、……エサ……ぎぎ」
「あー、頭痛も酷いし、目眩もしてきた! こんなことなら引きこもってないで、ちゃんとミドルスクール行って魔法習っておけばよかった!!」
唐突な死を間際にすると、容姿がどうとか嫉妬がどうとかはもはやどうでもよくなってくる。
またしても前世同様、悔いの残る死に方になりそうだと、私は頭の片隅で今世での人生を後悔した。
(もう今は喪女だとか引きこもりだとかどうでもいいから、今世こそはちゃんと生きたい……!)
ただそれだけが願いなのに、これほどまでに難しいとは思ってもみなかった。
けれど、難しいからといって今回ばかりは諦めたくなかった。
「絶対に死なないんだからーーーー!! もし、食べられても一生呪ってやるーーーー!!」
大声を出して自分を鼓舞する。
絶対食べられないぞ、絶対にこんなとこで死なないぞ、もし食べられたら前世のときのように延々と味わう火炙りの痛みを味わわせてやる! と闘志を燃やしながら、このピンチを逃れるべく、次の案を考えているときだった。
25
あなたにおすすめの小説
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
五珠 izumi
恋愛
城の下働きとして働いていた私。
ある日、開かれた姫様達のお見合いパーティー会場に何故か魔獣が現れて、運悪く通りかかった私は切られてしまった。
ああ、死んだな、そう思った私の目に見えるのは、私を助けようと手を伸ばす銀髪の美少年だった。
竜獣人の美少年に溺愛されるちょっと不運な女の子のお話。
*魔獣、獣人、魔法など、何でもありの世界です。
*お気に入り登録、しおり等、ありがとうございます。
*本編は完結しています。
番外編は不定期になります。
次話を投稿する迄、完結設定にさせていただきます。
【完結】殺されたくないので好みじゃないイケメン冷徹騎士と結婚します
大森 樹
恋愛
女子高生の大石杏奈は、上田健斗にストーカーのように付き纏われている。
「私あなたみたいな男性好みじゃないの」
「僕から逃げられると思っているの?」
そのまま階段から健斗に突き落とされて命を落としてしまう。
すると女神が現れて『このままでは何度人生をやり直しても、その世界のケントに殺される』と聞いた私は最強の騎士であり魔法使いでもある男に命を守ってもらうため異世界転生をした。
これで生き残れる…!なんて喜んでいたら最強の騎士は女嫌いの冷徹騎士ジルヴェスターだった!イケメンだが好みじゃないし、意地悪で口が悪い彼とは仲良くなれそうにない!
「アンナ、やはり君は私の妻に一番向いている女だ」
嫌いだと言っているのに、彼は『自分を好きにならない女』を妻にしたいと契約結婚を持ちかけて来た。
私は命を守るため。
彼は偽物の妻を得るため。
お互いの利益のための婚約生活。喧嘩ばかりしていた二人だが…少しずつ距離が近付いていく。そこに健斗ことケントが現れアンナに興味を持ってしまう。
「この命に代えても絶対にアンナを守ると誓おう」
アンナは無事生き残り、幸せになれるのか。
転生した恋を知らない女子高生×女嫌いのイケメン冷徹騎士のラブストーリー!?
ハッピーエンド保証します。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
一夜限りの関係だったはずなのに、責任を取れと迫られてます。
甘寧
恋愛
魔女であるシャルロッテは、偉才と呼ばれる魔導師ルイースとひょんなことから身体の関係を持ってしまう。
だがそれはお互いに同意の上で一夜限りという約束だった。
それなのに、ルイースはシャルロッテの元を訪れ「責任を取ってもらう」と言い出した。
後腐れのない関係を好むシャルロッテは、何とかして逃げようと考える。しかし、逃げれば逃げるだけ愛が重くなっていくルイース…
身体から始まる恋愛模様◎
※タイトル一部変更しました。
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
「白い結婚最高!」と喜んでいたのに、花の香りを纏った美形旦那様がなぜか私を溺愛してくる【完結】
清澄 セイ
恋愛
フィリア・マグシフォンは子爵令嬢らしからぬのんびりやの自由人。自然の中でぐうたらすることと、美味しいものを食べることが大好きな恋を知らないお子様。
そんな彼女も18歳となり、強烈な母親に婚約相手を選べと毎日のようにせっつかれるが、選び方など分からない。
「どちらにしようかな、天の神様の言う通り。はい、決めた!」
こんな具合に決めた相手が、なんと偶然にもフィリアより先に結婚の申し込みをしてきたのだ。相手は王都から遠く離れた場所に膨大な領地を有する辺境伯の一人息子で、顔を合わせる前からフィリアに「これは白い結婚だ」と失礼な手紙を送りつけてくる癖者。
けれど、彼女にとってはこの上ない条件の相手だった。
「白い結婚?王都から離れた田舎?全部全部、最高だわ!」
夫となるオズベルトにはある秘密があり、それゆえ女性不信で態度も酷い。しかも彼は「結婚相手はサイコロで適当に決めただけ」と、面と向かってフィリアに言い放つが。
「まぁ、偶然!私も、そんな感じで選びました!」
彼女には、まったく通用しなかった。
「なぁ、フィリア。僕は君をもっと知りたいと……」
「好きなお肉の種類ですか?やっぱり牛でしょうか!」
「い、いや。そうではなく……」
呆気なくフィリアに初恋(?)をしてしまった拗らせ男は、鈍感な妻に不器用ながらも愛を伝えるが、彼女はそんなことは夢にも思わず。
──旦那様が真実の愛を見つけたらさくっと離婚すればいい。それまでは田舎ライフをエンジョイするのよ!
と、呑気に蟻の巣をつついて暮らしているのだった。
※他サイトにも掲載中。
【完結】ここって天国?いいえBLの世界に転生しました
三園 七詩
恋愛
麻衣子はBL大好きの腐りかけのオタク、ある日道路を渡っていた綺麗な猫が車に引かれそうになっているのを助けるために命を落とした。
助けたその猫はなんと神様で麻衣子を望む異世界へと転生してくれると言う…チートでも溺愛でも悪役令嬢でも望むままに…しかし麻衣子にはどれもピンと来ない…どうせならBLの世界でじっくりと生でそれを拝みたい…
神様はそんな麻衣子の願いを叶えてBLの世界へと転生させてくれた!
しかもその世界は生前、麻衣子が買ったばかりのゲームの世界にそっくりだった!
攻略対象の兄と弟を持ち、王子の婚約者のマリーとして生まれ変わった。
ゲームの世界なら王子と兄、弟やヒロイン(男)がイチャイチャするはずなのになんかおかしい…
知らず知らずのうちに攻略対象達を虜にしていくマリーだがこの世界はBLと疑わないマリーはそんな思いは露知らず…
注)BLとありますが、BL展開はほぼありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる