前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!

鳥柄ささみ

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第七十六話 国王夫妻

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 好奇心のまま振り返ると、そこには一組の保護者がいた。
 その周りには黒いローブを着ている人達がぐるりと彼らの周りを取り囲んでいる。

 どうやら黒ずくめの人達は護衛なのか、その保護者達を守るようにずっと側にくっついていて、一気に教室内が異様な雰囲気になった。

「まぁ、陛下よ……! 陛下がいらっしゃっているわ」
「王妃さまお綺麗で素敵……っ」
「いつ見ても仲睦まじいご夫婦ですわ」
「こんな間近で拝見できるだなんて! なんて幸福な日なのかしら!」

 周りの言葉を聞く限り、どうやら彼らは国王夫妻らしい。……ということは、つまりエディオンの両親である。

(生で見るのは初めてだけど、威厳やオーラが半端ないな。てか、こうして見るとエディオンにそっくり)

 一応国王夫妻について絵画などで見たことはあるが、引きこもりだったがために実物を見るのは初めてであった。

 そして、さすがエディオンの両親というべきか、それぞれ整っている顔にエディオンと同じ金髪。
 まるでキラキラと後光が差しているようなオーラは妖精からの加護のおかげのようで、誰よりも輝いて見え神々しく、眩しいくらいだ。
 現在隣にいる私の両親はまさか国王の子供が同級生だとは思ってなかったようで、あまりの衝撃からか二人とも固まっていた。

「ど、どういうこと、何で国王陛下がここに……っ!?」
「クラリス、一体どういうことなの?」
「……えっと、そこにいるエディオンは第三王子だから」
「何でそれを早く言わない……!!」
「というか、様をつけなさい! 様を!!」

 コソコソと話しかけてくる両親。
 そんな理不尽なことを言われても、と思うも手紙を出さない不義理をしている手前、下手なことは言い返せなかった。

(でもよかった。やっぱりエディオンと一緒に授業を受けてたら何を言われたか)

 自分の判断は正しかったとホッとする。
 すると、また一際ザワっと教室が大きく騒めいて、今度は何事かと思っていると、もう一人別の保護者が教室に入ってきているところだった。

(あれ、あの顔見たことある気が……?)

 その人物はやけにキリッと凛々しく、整った顔つきの男性だった。

 大きな体躯に綺麗に整えられた髭。
 濃紺の長い髪を一纏めにし、険しく感情を見せない彫りの深い顔は誰かに似ている気がする。

「キーリス、遅かったな」
「申し訳ありません。少々仕事が立て込んでいたもので」
「相変わらず真面目だな、貴様は。せっかくの息子の行事なのだから、それくらい後回しにすればいいだろう」
「陛下のようにそうやって後回しにしておりますと業務が滞りますので」
「……全く。つくづく手厳しいな、キーリスは」
「ふふふ、キーリスのほうが一枚上手だったようね」

 どうやら国王夫妻と仲がいいようで、フランクに話し始めるのが聞こえる。
 それを授業そっちのけで見る他の生徒や保護者達。
 パッと隣のアイザックを見たら、彼らのことを気にする様子もなく黙々と作業を進めていた。

「キーリスさままでいらっしゃったわよ」
「今年の授業参観は豪華ね」
「さすが、魔法統括大臣だわ。空気が一気にピリついた」
「えぇ、いるだけでちょっと緊張するもの」
「わかる。身が引き締まるわよね」
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