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第二十八話 王妃宣誓
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第二十八話 王妃宣誓
王妃就任の承認が下りた日、ヴァルディア王城は静かな緊張に包まれておりました。
祝祭の華やかさよりも、歴史の重み。
飾られた花も、音楽も、どこか厳粛。
私は白ではなく、深い蒼の礼装を選びました。
この国の色。
外から来た者であっても、ここに立つ覚悟を示すため。
「緊張しておられますか」
教育係が問う。
「少しだけ」
嘘ではございません。
けれど逃げたいわけでもない。
大広間に足を踏み入れた瞬間、視線が一斉に集まる。
王族、貴族、商会代表、そして小国の使節。
橋は、いまや多国に渡っている。
アルノルト陛下が、静かに宣言する。
「本日より、アーデルハイトはヴァルディア王妃となる」
言葉は短い。
だが、重い。
私は前に進み、宣誓する。
「ヴァルディアの安定を第一とし、均衡を守ります」
恋を誓う言葉はない。
代わりにあるのは、責任。
そして。
陛下が私の手を取る。
温度がある。
合理だけではない。
式が終わったあと、陛下は私に言った。
「後悔はないか」
「ございません」
「いまもか」
「いまこそ、でございます」
その夜。
王国から祝辞が届いた。
――王妃就任を祝す。橋は両国の誇りだ。
エーヴェルハルト殿下の署名。
守ると言った人は、いま支える言葉を選ぶ。
しかし。
王妃就任は終わりではない。
翌朝早く、最初の報告が届いた。
北方小国で不作。
交易量の見直しが必要。
あら。
即座に試されますのね。
私は陛下と並び、対策会議に出席した。
「援助は必要だ」
陛下が言う。
「ただし無償ではなく、技術供与と交換」
私は続ける。
「短期救済と長期自立を同時に」
会議は迅速にまとまる。
王妃としての最初の決断。
夜。
城壁の上に立ち、風を受ける。
かつての公爵令嬢。
婚約破棄された令嬢。
橋となった者。
いまは、王妃。
ロマンスは小説だけで充分。
だが。
この物語は、もう三流ではない。
泥も、噂も、議会も越え。
いまは国家を背負う立場。
アルノルト陛下が隣に立つ。
「橋は柱になったか」
「まだ途中でございます」
彼はわずかに笑う。
「ならば共に支える」
その言葉は、誓約よりも静かで確か。
真実の愛は、まだ形を持たない。
けれど。
真実の信頼は、ここにある。
橋は柱へ。
そして柱は、国を支える。
物語は、終盤へ向かう。
だが。
揺れは、まだ完全には止まっていないのです。
王妃就任の承認が下りた日、ヴァルディア王城は静かな緊張に包まれておりました。
祝祭の華やかさよりも、歴史の重み。
飾られた花も、音楽も、どこか厳粛。
私は白ではなく、深い蒼の礼装を選びました。
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外から来た者であっても、ここに立つ覚悟を示すため。
「緊張しておられますか」
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「少しだけ」
嘘ではございません。
けれど逃げたいわけでもない。
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だが、重い。
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恋を誓う言葉はない。
代わりにあるのは、責任。
そして。
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「後悔はないか」
「ございません」
「いまもか」
「いまこそ、でございます」
その夜。
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エーヴェルハルト殿下の署名。
守ると言った人は、いま支える言葉を選ぶ。
しかし。
王妃就任は終わりではない。
翌朝早く、最初の報告が届いた。
北方小国で不作。
交易量の見直しが必要。
あら。
即座に試されますのね。
私は陛下と並び、対策会議に出席した。
「援助は必要だ」
陛下が言う。
「ただし無償ではなく、技術供与と交換」
私は続ける。
「短期救済と長期自立を同時に」
会議は迅速にまとまる。
王妃としての最初の決断。
夜。
城壁の上に立ち、風を受ける。
かつての公爵令嬢。
婚約破棄された令嬢。
橋となった者。
いまは、王妃。
ロマンスは小説だけで充分。
だが。
この物語は、もう三流ではない。
泥も、噂も、議会も越え。
いまは国家を背負う立場。
アルノルト陛下が隣に立つ。
「橋は柱になったか」
「まだ途中でございます」
彼はわずかに笑う。
「ならば共に支える」
その言葉は、誓約よりも静かで確か。
真実の愛は、まだ形を持たない。
けれど。
真実の信頼は、ここにある。
橋は柱へ。
そして柱は、国を支える。
物語は、終盤へ向かう。
だが。
揺れは、まだ完全には止まっていないのです。
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