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Part2
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「どうした公爵令嬢、何故泣いて……婚約者の王太子が見習い聖女と浮気をしている?
証拠でもあるのか? ……王太子と接吻していた浮気相手が見習い聖女が羽織る聖衣を着ていたのか。成る程、それで神殿に確認にきたのか。ではその見習い聖女の名は…………ロトス子爵家のリリス? …………いいか、よく聞くんだ。あの子爵令嬢は見習い聖女ではない。その妹のアリスが現在修行中の聖女候補だ。恐らくリリスはアリスからその聖衣を勝手に拝借している可能性がある。その理由は、アリスは神殿の規律に則って自分の聖衣を自分で洗濯しなければならない。だが毎日洗うのは面倒だから聖衣を五着くれと要求してきた女だ。土日で一気に洗うからと。すなわちアリスは平日は最大四枚の聖衣を部屋に溜め込んでいる可能性がある。それを姉のリリスに盗まれたのかもしれないな……ん? 管理が甘い? そこは見逃してやってくれ。アリスはまだ9歳だ。それに土日に一気に洗うなんて言う女は、部屋に溜め込んだ聖衣が一着減ったところで気付かないだろう? そこを狙われたんだ、姉のリリスに。
……ん? 14歳のリリスが9歳のアリスの聖衣を着るのは不可能? 上背が合わない? いや、聖衣はどれも採寸同じだぞ?
アリスなんていつも床を引き摺って着ている。とにかく、見習いとはいえ聖女と偽称する、或いはそう匂わす言動をした時点で犯罪だ。この事は祭司に報告させてもらう。その前に……そこの見習い聖女、今から同期のアリスの部屋に行って聖衣を何着溜め込んでいるか確認してきてくれ。……ふぅ。公爵令嬢、白湯でも飲むか? それを飲んで落ち着いたら後は任せてもう帰りなさい。何故睨む? ……王太子が婚約破棄を企んでいる? 証拠はあるのか? …………そうか。計画を聞いてしまったのか。恐らくそれは去年隣国の国王が崩御した事と関係している。一番年若い12歳の王子が継承権を持つ68人の王族を一人残らず皆殺しにして全てを更地にして国王となった。すなわち現時点で隣国の継承権一位は公爵令嬢、君にある。あまり言いたくないが、隣国の現国王は君が王妃にならなかったら暗殺を企てる方針だろう。王太子に婚約破棄されたらそれは実行される。王太子とその浮気相手である子爵令嬢の狙いもそこだろうな。……驚かないのか?
既に勘づいていたのに、何故動かない?
………………そうか。愛とは尊いものだな。自己犠牲を払ってまで王太子に好きな女と幸せになって欲しいなら、君が王太子を幸せにすればいいんだ。……わたくしはリリスじゃない? はは、そうか、君は王太子を美化しすぎているな。これだけは言いたくなかったが、何故王太子がただの子爵令嬢に嵌まったのか、その残酷すぎる理由を教えてやろう。さあ、大聖女の聖衣、これは私のスペアだ。正式に神殿を通して友好の証に贈る。次の夜会に羽織っていけ。着心地はどうだ? 見習いの聖衣より箔があるだろう? ……理由?
それを着て夜会にいけば解る。婚約破棄は早急に婚姻に成り代わる。見習い聖女の聖衣が大聖女の聖衣に敵うわけがないのだからな。興奮して飛び掛かってくるぞ。奴はそういう性癖だ」
後日。
「おーっほほほ! 全て聖女様の仰る通りでしたわあ!」
【終】
証拠でもあるのか? ……王太子と接吻していた浮気相手が見習い聖女が羽織る聖衣を着ていたのか。成る程、それで神殿に確認にきたのか。ではその見習い聖女の名は…………ロトス子爵家のリリス? …………いいか、よく聞くんだ。あの子爵令嬢は見習い聖女ではない。その妹のアリスが現在修行中の聖女候補だ。恐らくリリスはアリスからその聖衣を勝手に拝借している可能性がある。その理由は、アリスは神殿の規律に則って自分の聖衣を自分で洗濯しなければならない。だが毎日洗うのは面倒だから聖衣を五着くれと要求してきた女だ。土日で一気に洗うからと。すなわちアリスは平日は最大四枚の聖衣を部屋に溜め込んでいる可能性がある。それを姉のリリスに盗まれたのかもしれないな……ん? 管理が甘い? そこは見逃してやってくれ。アリスはまだ9歳だ。それに土日に一気に洗うなんて言う女は、部屋に溜め込んだ聖衣が一着減ったところで気付かないだろう? そこを狙われたんだ、姉のリリスに。
……ん? 14歳のリリスが9歳のアリスの聖衣を着るのは不可能? 上背が合わない? いや、聖衣はどれも採寸同じだぞ?
アリスなんていつも床を引き摺って着ている。とにかく、見習いとはいえ聖女と偽称する、或いはそう匂わす言動をした時点で犯罪だ。この事は祭司に報告させてもらう。その前に……そこの見習い聖女、今から同期のアリスの部屋に行って聖衣を何着溜め込んでいるか確認してきてくれ。……ふぅ。公爵令嬢、白湯でも飲むか? それを飲んで落ち着いたら後は任せてもう帰りなさい。何故睨む? ……王太子が婚約破棄を企んでいる? 証拠はあるのか? …………そうか。計画を聞いてしまったのか。恐らくそれは去年隣国の国王が崩御した事と関係している。一番年若い12歳の王子が継承権を持つ68人の王族を一人残らず皆殺しにして全てを更地にして国王となった。すなわち現時点で隣国の継承権一位は公爵令嬢、君にある。あまり言いたくないが、隣国の現国王は君が王妃にならなかったら暗殺を企てる方針だろう。王太子に婚約破棄されたらそれは実行される。王太子とその浮気相手である子爵令嬢の狙いもそこだろうな。……驚かないのか?
既に勘づいていたのに、何故動かない?
………………そうか。愛とは尊いものだな。自己犠牲を払ってまで王太子に好きな女と幸せになって欲しいなら、君が王太子を幸せにすればいいんだ。……わたくしはリリスじゃない? はは、そうか、君は王太子を美化しすぎているな。これだけは言いたくなかったが、何故王太子がただの子爵令嬢に嵌まったのか、その残酷すぎる理由を教えてやろう。さあ、大聖女の聖衣、これは私のスペアだ。正式に神殿を通して友好の証に贈る。次の夜会に羽織っていけ。着心地はどうだ? 見習いの聖衣より箔があるだろう? ……理由?
それを着て夜会にいけば解る。婚約破棄は早急に婚姻に成り代わる。見習い聖女の聖衣が大聖女の聖衣に敵うわけがないのだからな。興奮して飛び掛かってくるぞ。奴はそういう性癖だ」
後日。
「おーっほほほ! 全て聖女様の仰る通りでしたわあ!」
【終】
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