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3 自宅学習に切り替えた結果
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自宅療養をして一週間後。
ドロテアは爪先に魔力を集中させ、手にしていた羽ペン、その潰れたペン先を魔力で削いだ。そしてその中心に縦の切れ込みも入れる。
鋭く斜めに切られたペン先は勢いよくインクを吸い上げ、再び紙に向けられた。
「お見事です。お嬢様は変わった魔力の使い方をされますね」
侍女のライラが紅茶とクッキーを運んできた。針仕事が得意な、背の高い糸目の女性だ。
「騎士は武器……とくに剣や拳に鋭い魔力を纏わせるでしょう?」
「……はぁ。お嬢様は爪先に魔力を纏わせたのですか」
「爪は女性にとったら武器だからねっ」
ドロテアの言葉にライラは内心苦笑いした。何故ならば騎士は剣に魔力を纏わせてそこでようやく一人前と認められるからだ。それと似たことを難なくやってのけたドロテアに、お嬢様は魔法研究科より騎士科の方が向いているのではないかと……そう言葉にすることはせずライラは労るように声を出した。
「……そうですね。しかし美しく磨かれた爪を武器にしないで下さい。ペンは言ってくれればわたくし共がいくらでも削りますから」
「いつも削ってくれてるじゃない。朝には三本ある羽ペンが綺麗に書けるようになってるわ」
「わかりました、では本数を増やしておきます」
「ふふ」
クッキーを摘まみながら自習をするドロテアの元に、父親であるヴァルキンが現れた。ドロテアと同じ茶髪で、すらっとした背の高い黒目の男性だ。
「ドロテア、今日はオレンジカヌレを買ってきたよ」
「まあお父様、それ凄く美味しいやつ!」
「はは、調子はどうだい? 怪我の具合は……」
「アンナ医師に言われた通り、毎日きちんと流水で洗って軟膏を塗っていたら治りましたわ」
「こんなに早く……本当かい?」
その言葉に傍らにいたライラがドロテアの足首まであるスカートをそっと捲り、もう殆ど外傷のない足を見せた。
「膝の痣がまだ痛そうだね……可哀想に」
「アンナ医師いわく、内出血は真ん中から徐々に消えていくそうで、見た目はまだ痛そうに見えますがもう殆ど治っているのですよ。痛みもありません」
ネイサンに力任せに引っ張られた腕にも内出血はあったが、それは昨夜には消えていた。
「ホッ……学園に優秀な医師がいてよかったよ」
ドロテアを抱き締めたヴァルキンはある提案をした。経過良好ということで学園に戻るのもいいが、自宅学習をさせたドロテアの成績がすこぶる優秀だったので、このまま屋敷に残り、試験日だけに登校しないかと提案したのだ。
「それは……貴族として良いのですか?」
「ああ。授業の出席日数は関係ないからな。単位さえ取得していれば卒業はできる。それに正直、……アトス家には呆れた」
「……ネイサンもわざとではなかったのですが」
「そうだが……リチャードがドロテアに傷が残るようならネイサンを婿にして責任を取らせると、婚約を打診してきただろう? 全く親子揃って無神経というか……誠意が足りない。そういうことではないのだがね」
呆れた様子のヴァルキンに苦笑いを返すドロテア。
──先日、旧友であったリチャード・アトス伯爵が責任逃れをするようにネイサンをドロテアの婿にするから全て無かったことにしてくれと手紙で婚約を打診してきた。
ちなみにネイサンには継ぐ爵位が無いのでその親でも息子の婚約を打診する立場にない。貴族で婚約を打診できるのは後継者のみだ。婿入り先が必要な次男や三男は打診を待つ立場にあるのが普通だ。
せめて当主であるリチャードか後継者から直接謝罪の訪問があればヴァルキンの不興を買うことは免れたのだが、リチャードは後継ぎでもないネイサンを謝罪に送り込んできた。
リチャードが加害者自ら謝罪を、と思った故の行動ではない。リチャードは貿易商を営んでおり、常日頃から多忙で長男とあちこちを飛び回っている。たんに仕事が詰まっていて面倒だったからだ。それにリチャードはヴァルキンと幼馴染でもあったことから、多少のいざこざは時間が解決すると軽視していた。しかし彼等の子供は軽い傷でも謝って終わりの男同士じゃない。そのことがリチャードの頭から抜けていた。
「……でもドロテアもよかったのかい? 意外にもネイサンの面会を断っただろう?」
「側にいると喧しいから会いたくなかったのです」
「……」
「その場限りの誠意がこもった謝罪は聞けても、どうせすぐ忘れますからね。彼はそういう人間です」
「ドロテア……大人になったね。パパ嬉しいよっ」
ドロテアが学習を自宅に移して数週間が経った頃、アンナが面会に来た。面会を快く受け入れたドロテアは、美味しい紅茶と華やかな茶菓子でアンナをもてなした。
「調子はどう?」
「もう自由で最高です! 自宅に戻ってほんとよかったぁ。これも診断書を書いてくれたアンナ先生のお陰です」
「この前とは段違いに顔色もいいわ。それになんだか……明るくなった?」
「はいっ。もう憂いを感じることが無くなりましたから。アンナ先生は女性の味方ですねっ。アンナ先生と出会えてよかったぁ」
「ふふっ」
ドロテアは意図的にアンナに友好的にしていた。貴族の屋敷には、同じく貴族がいる。ジューン伯爵家の侍女は末端も含めると半数が貴族だ。彼女達は任期を終えると殆どが嫁ぐことになる。そこでは今まで仕事で得た伝手が辿られることもしばしば。懐妊すれば男の主治医ではなく女医であるアンナを思い出して一時的に登用するかもしれない。
平民ながら伯爵令嬢と懇意にしているアンナは、それだけで彼女達の中で評価が上がっていたからだ。いずれ数珠繋がりに恩恵を得る機会もあるだろう。
それに女医と親しくしといてこの先損はないだろうと、また学園に戻ることになった場合のことも考えてドロテアはアンナに友好的にしていた。
「……実はね、アトス令息からドロテア嬢の様子を見てきて欲しいと言われたの」
「え?」
「手紙も渡してくれと頼まれてね。でも私、断ったのよ。職務外のことはしないと、ぴしゃりとね」
「……結構しつこかったでしょう?」
「ほんとっ! 見てよこれ! 掴まれた手首に手形がべったりと!」
「うわぁぁ……酷い」
「本当に乱暴な子ね。診断書は同期に書かせて、それを学園側に提出したわ。結果、アトス令息は生徒会から冷遇されて騎士科でも謹慎を言い渡されたところよ」
今日はその報告にきたの、とアンナは紅茶を飲みながら話した。
ドロテアは冷静を装おいながらも、内心はとても驚いていた。男主人公の御都合彼女をやらなかったことで、こうも原作が変わるものなのかと。
学園に入学して1ヶ月。
本来ならドロテアはネイサンに押し倒されていた時期だった。ティアラと接していく内に人生で初めての愛情と性欲を感じ、でもティアラを傷つけることはせずに近場のドロテアで発散するネイサン。
ドロテアには性欲をぶつけ、愛しいと感じるティアラには愛情のみをぶつける。卒業間近にはティアラは優しさを与え続けてくれたネイサンを愛するようになり、そこでドロテアは用無しとなる。「お前は幼馴染みだったけど、もう他人になりたい。関係を終わらせよう」と切り捨てられる。
「ネイサンもねぇ……沢山人助けをするし、悪い子じゃないんですがねぇ。少しばかり無神経で……」
「そうね。話していてもひたむきで誠実なのは伝わってくるわ。ただその誠実さを、履き違えているのよ」
確かに、とドロテアは思う。
誰かに誠実にしたいからといって、その為に他の誰かを傷つけるのは誠実とは程遠い。
ネイサンはダークヒーローなのだろう。世界を救う為に家族や恋人、そして自分を犠牲にすることは決して出来ない。逆に自身や恋人を護るため、世界を犠牲にするダークヒーローなのだ。
ドロテアはそう結論付けてネイサンを頭から切り捨てた。
ドロテアは爪先に魔力を集中させ、手にしていた羽ペン、その潰れたペン先を魔力で削いだ。そしてその中心に縦の切れ込みも入れる。
鋭く斜めに切られたペン先は勢いよくインクを吸い上げ、再び紙に向けられた。
「お見事です。お嬢様は変わった魔力の使い方をされますね」
侍女のライラが紅茶とクッキーを運んできた。針仕事が得意な、背の高い糸目の女性だ。
「騎士は武器……とくに剣や拳に鋭い魔力を纏わせるでしょう?」
「……はぁ。お嬢様は爪先に魔力を纏わせたのですか」
「爪は女性にとったら武器だからねっ」
ドロテアの言葉にライラは内心苦笑いした。何故ならば騎士は剣に魔力を纏わせてそこでようやく一人前と認められるからだ。それと似たことを難なくやってのけたドロテアに、お嬢様は魔法研究科より騎士科の方が向いているのではないかと……そう言葉にすることはせずライラは労るように声を出した。
「……そうですね。しかし美しく磨かれた爪を武器にしないで下さい。ペンは言ってくれればわたくし共がいくらでも削りますから」
「いつも削ってくれてるじゃない。朝には三本ある羽ペンが綺麗に書けるようになってるわ」
「わかりました、では本数を増やしておきます」
「ふふ」
クッキーを摘まみながら自習をするドロテアの元に、父親であるヴァルキンが現れた。ドロテアと同じ茶髪で、すらっとした背の高い黒目の男性だ。
「ドロテア、今日はオレンジカヌレを買ってきたよ」
「まあお父様、それ凄く美味しいやつ!」
「はは、調子はどうだい? 怪我の具合は……」
「アンナ医師に言われた通り、毎日きちんと流水で洗って軟膏を塗っていたら治りましたわ」
「こんなに早く……本当かい?」
その言葉に傍らにいたライラがドロテアの足首まであるスカートをそっと捲り、もう殆ど外傷のない足を見せた。
「膝の痣がまだ痛そうだね……可哀想に」
「アンナ医師いわく、内出血は真ん中から徐々に消えていくそうで、見た目はまだ痛そうに見えますがもう殆ど治っているのですよ。痛みもありません」
ネイサンに力任せに引っ張られた腕にも内出血はあったが、それは昨夜には消えていた。
「ホッ……学園に優秀な医師がいてよかったよ」
ドロテアを抱き締めたヴァルキンはある提案をした。経過良好ということで学園に戻るのもいいが、自宅学習をさせたドロテアの成績がすこぶる優秀だったので、このまま屋敷に残り、試験日だけに登校しないかと提案したのだ。
「それは……貴族として良いのですか?」
「ああ。授業の出席日数は関係ないからな。単位さえ取得していれば卒業はできる。それに正直、……アトス家には呆れた」
「……ネイサンもわざとではなかったのですが」
「そうだが……リチャードがドロテアに傷が残るようならネイサンを婿にして責任を取らせると、婚約を打診してきただろう? 全く親子揃って無神経というか……誠意が足りない。そういうことではないのだがね」
呆れた様子のヴァルキンに苦笑いを返すドロテア。
──先日、旧友であったリチャード・アトス伯爵が責任逃れをするようにネイサンをドロテアの婿にするから全て無かったことにしてくれと手紙で婚約を打診してきた。
ちなみにネイサンには継ぐ爵位が無いのでその親でも息子の婚約を打診する立場にない。貴族で婚約を打診できるのは後継者のみだ。婿入り先が必要な次男や三男は打診を待つ立場にあるのが普通だ。
せめて当主であるリチャードか後継者から直接謝罪の訪問があればヴァルキンの不興を買うことは免れたのだが、リチャードは後継ぎでもないネイサンを謝罪に送り込んできた。
リチャードが加害者自ら謝罪を、と思った故の行動ではない。リチャードは貿易商を営んでおり、常日頃から多忙で長男とあちこちを飛び回っている。たんに仕事が詰まっていて面倒だったからだ。それにリチャードはヴァルキンと幼馴染でもあったことから、多少のいざこざは時間が解決すると軽視していた。しかし彼等の子供は軽い傷でも謝って終わりの男同士じゃない。そのことがリチャードの頭から抜けていた。
「……でもドロテアもよかったのかい? 意外にもネイサンの面会を断っただろう?」
「側にいると喧しいから会いたくなかったのです」
「……」
「その場限りの誠意がこもった謝罪は聞けても、どうせすぐ忘れますからね。彼はそういう人間です」
「ドロテア……大人になったね。パパ嬉しいよっ」
ドロテアが学習を自宅に移して数週間が経った頃、アンナが面会に来た。面会を快く受け入れたドロテアは、美味しい紅茶と華やかな茶菓子でアンナをもてなした。
「調子はどう?」
「もう自由で最高です! 自宅に戻ってほんとよかったぁ。これも診断書を書いてくれたアンナ先生のお陰です」
「この前とは段違いに顔色もいいわ。それになんだか……明るくなった?」
「はいっ。もう憂いを感じることが無くなりましたから。アンナ先生は女性の味方ですねっ。アンナ先生と出会えてよかったぁ」
「ふふっ」
ドロテアは意図的にアンナに友好的にしていた。貴族の屋敷には、同じく貴族がいる。ジューン伯爵家の侍女は末端も含めると半数が貴族だ。彼女達は任期を終えると殆どが嫁ぐことになる。そこでは今まで仕事で得た伝手が辿られることもしばしば。懐妊すれば男の主治医ではなく女医であるアンナを思い出して一時的に登用するかもしれない。
平民ながら伯爵令嬢と懇意にしているアンナは、それだけで彼女達の中で評価が上がっていたからだ。いずれ数珠繋がりに恩恵を得る機会もあるだろう。
それに女医と親しくしといてこの先損はないだろうと、また学園に戻ることになった場合のことも考えてドロテアはアンナに友好的にしていた。
「……実はね、アトス令息からドロテア嬢の様子を見てきて欲しいと言われたの」
「え?」
「手紙も渡してくれと頼まれてね。でも私、断ったのよ。職務外のことはしないと、ぴしゃりとね」
「……結構しつこかったでしょう?」
「ほんとっ! 見てよこれ! 掴まれた手首に手形がべったりと!」
「うわぁぁ……酷い」
「本当に乱暴な子ね。診断書は同期に書かせて、それを学園側に提出したわ。結果、アトス令息は生徒会から冷遇されて騎士科でも謹慎を言い渡されたところよ」
今日はその報告にきたの、とアンナは紅茶を飲みながら話した。
ドロテアは冷静を装おいながらも、内心はとても驚いていた。男主人公の御都合彼女をやらなかったことで、こうも原作が変わるものなのかと。
学園に入学して1ヶ月。
本来ならドロテアはネイサンに押し倒されていた時期だった。ティアラと接していく内に人生で初めての愛情と性欲を感じ、でもティアラを傷つけることはせずに近場のドロテアで発散するネイサン。
ドロテアには性欲をぶつけ、愛しいと感じるティアラには愛情のみをぶつける。卒業間近にはティアラは優しさを与え続けてくれたネイサンを愛するようになり、そこでドロテアは用無しとなる。「お前は幼馴染みだったけど、もう他人になりたい。関係を終わらせよう」と切り捨てられる。
「ネイサンもねぇ……沢山人助けをするし、悪い子じゃないんですがねぇ。少しばかり無神経で……」
「そうね。話していてもひたむきで誠実なのは伝わってくるわ。ただその誠実さを、履き違えているのよ」
確かに、とドロテアは思う。
誰かに誠実にしたいからといって、その為に他の誰かを傷つけるのは誠実とは程遠い。
ネイサンはダークヒーローなのだろう。世界を救う為に家族や恋人、そして自分を犠牲にすることは決して出来ない。逆に自身や恋人を護るため、世界を犠牲にするダークヒーローなのだ。
ドロテアはそう結論付けてネイサンを頭から切り捨てた。
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