男主人公の御都合彼女をやらなかった結果

お好み焼き

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16 好きな男と結ばれた結果 ※R18

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「謝罪は受け取った。だが謝ったところでもう止まれないぞ?」
「初夜なので止める必要は、ない、かと」

ドロテアは歯切れ悪く言った。
夫を弄る余裕は既に無かったのだ。

はらりと落ちたガウンから肉厚な胸板が現れた。その下には盛り上がった筋肉が六つ。腕も肩もパンパンなのに、ウエストはしぼられている。しなやかな動作を連想させるボディライン。日頃から鍛練を怠っていないのが解る、見事な逆三角形。
逞しさの象徴のような体が覆い被さるように乗り掛かってくる。襲われる。やっと。ドロテアはごくりと喉を鳴らし、目を伏せた。

しゅるっと身を包む寝間着、その紐がほどかれていく。外気に晒された双丘が震える。まだ何もされていないのに中心が固くなっていくのがわかった。

「み、見ないで下さいまし……」

ああ。もう。
こうならないよう、室内も暖かくしてシーツも温めてもらっておいたのに。胸の中心が尖った様は、イボを寄せ集めたみたいで不恰好だと思う。普段なんともない時はピンク色で、それはもうぷっくらと、艶々としているのに。ドロテアがやきもきしながら両腕で胸を隠すと手首を掴まれ頭上に固定された。

「ベットの中では虚勢も意地も必要ないんだよ」

そう言って太腿に熱い塊が押し付けられる。ごりっとした感触に、先端がぬるっとドロテアの肌を滑った。何も身に付けていない肌は恐ろしい程の熱量をよりリアルに体に伝えてくる。
圧と恐怖とこれからくる衝撃を考えると背筋がぞわっとした。ドロテアは自分でもびっくりするくらい弱々しい声を出した。

「ひぇっ……」
「ほら、私のは素直だろ?」

今夜、これを受け入れるのか。
こんな太いの、私の体に挿るのか。ドロテアの思考がこんがらがる。それ以上に目の前のブラッドリーから笑みが濃くなっていって、頭の芯から蕩けていく。

「ん、ぅ」

下唇を食され、分厚い舌が口内に滑り込んできた。逞しい胸板が乳首を擦り、腰がとびはねた。胸に擦れる度に声が裏返る。その間も舌を吸われ、歯列をなぞられ、熱い掌が胸を鷲掴んだ。指が食い込む。親指が尖った中心を攻めだした。

「ひっ、ん、ああっ!」
「あぁ……可愛い……可愛いよ、ドロテア……もうずっとそうしていろ。好きに喘げ。好きに叫べ。どうせ朝まで離してやれないのだから」

全身が波打つほど乳首を擦られ、舐められ、吸われ、とにかく執拗に胸を攻められた。ドロテアはすがるようにブラッドリーの頭を抱きかかえて叫ぶことしかできなかった。

ブラッドリーが胸から下肢に標的をかえた後も同じだった。
羞恥に叫んで、太腿でブラッドリーの顔を挟んで、吸われて、また叫んで、舌が中に挿ってくる。もう許してくれと泣き声をもらせば胸の中心に両手が迫ってくる。何も考えられない。ドロテアは啼いて意味不明な声を出して時間が過ぎるのを待つしかできなかった。

気付けば涙で崩壊した視界と、自分の涎で顎はびしゃびしゃだった。叫びまくって、何度か達した気がする。腰から太腿にかけてじんじんする。お尻もひんやり。汗もかきすぎて、やけに外気が冷たく感じた。

「っ、ひぃう!?」

足の間に触れた熱い塊。
びっくりするくらい温度差のあるそれが、めりっと入り口を破った。予告無しの挿入に喉が反る。

「ああ……やはり奥は、まだ解れていなかったか」

凄い圧迫感のわりにあまり痛くなかった。入り口よりも、奥深くなるほど痛みが増していった。

馴染ませる為にブラッドリーがしばらく動きをとめている。見つめ合う、口付けが落ちてきた、舌が絡まり、唾液が吸われる。

「ンっ、」

ゆっくりと旋律を刻むブラッドリーの腰。
……気持ちいい。中が蕩けてきた。
何も考えずにその揺れに身を任せる。もっとして欲しい、もう少し強く、そんな歯痒さを感じてきた頃、耳元で「一度出していいか?」と囁かれて喘ぎ声を漏らして中を締めてしまった。その直後、中に熱いものが放たれた。まるで締め付けで了承してしまったみたいだ。恥ずかしさにドロテアが手で顔を覆うとまた手首を掴まれた。

「っ、やん」
「はは、そんなに締めたら、また出てしまうよ」

ブラッドリーの息が荒く、据わった紫色の眼が凄絶な色気と余力を醸し出していた。一回では終わらないだろうと思っていたが朝まで離してやれないと言われたのだ。ドロテアは今一度覚悟を決めた。流石に朝までは体がもたない。それでも今はただただ体の芯が熱く疼いた。

「あっ……もっと、してくださいませ、っ」

初夜の触れ合い。
限界まで貪られて、その行為は結局夜明けまで続いた。



太陽が上りきった午後。
ドロテアはまだブラッドリーの腕の中に囚われていた。朝も昼も、飲食も全てブラッドリーの手から与えられた。そして朝と昼の間に、再度拝み倒された。
陽の光の中、ドロテアが生まれたままの姿で横たわっていたのが起爆剤になったらしい。
昨夜の行為は終始ぴったりとくっついて密着感があったが、今朝は両膝裏を掴まれて激しく中を突き上げられドロテアの腰はしんだ。
ブラッドリーいわく、陽の光の中で真っ赤に染まり揺さぶられるドロテアの体がとても魅力的だったらしい。
最中もその様をじっくりと凝視され恥ずかしくてしにそうだった。でもドロテアは学んだ。今はきちんと寝間着を身に付けてベットに横たわっている。

「……ドロテアを初めて目にした、あのとき……必ず私のものにすると心が奮えた。どんな手を使ってでも必ず手掌にして、私なしじゃいられないよう体に覚え込ませて、拒まれようとも君の全てを手に入れると、あのとき己に誓ったのだ」

爽やかな日差しの中で、ブラッドリーがとんでもない誓いを暴露した。

「……まあそれは杞憂でしたでしょう。私は最初からブラッドリー様に熱をあげていましたもの」
「ああ、まさに幸運だった!」

ドロテアを初めて目にした──それは本来の私じゃない……とは思わなかった。正しくはどうでもよかった。ブラッドリーは前世を思い出す前のドロテアを見初めた。それを会話中に知り、あの時は少なからずイラッとした。自身の基盤を整えるのに必死で、そんな感情を抱いている場合ではなかったのに。しかし交流を続けていく内にブラッドリーから笑顔が増え、愛を囁いてくる時は、見初めた当初の気持ちよりも、今の自分ドロテアを見て率直な本音を言ってくるようになった。

原作ドロテアよりも、ドロテアの方が、好かれている。
きっかけなんて些細なこと。
私の方が、彼に与えられる物は多い。

それに何よりも、絶対にこのひとを離したくない。

「ドロテア……愛してる」

その言葉に顔を上げると、窓に切り取られた柔らかな日差しの中で、肩にガウンを羽織ったブラッドリーが愛おしげに何か手にしていた。
眠い目を凝らすと見えた。
昨夜シーツに敷かれていた、白い絹。その一部が汚れている。純潔であった証の血だ。

「私も……心からブラッドリー様を愛しています」

あぁ……好きなひとと結ばれることができて、いまとても幸せだわ。ドロテアは多幸感にそっと目を閉じて微睡む意識を手放した。
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