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5兄の成長ぶり
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すぐさま一番上等なドレスに着替えさせられて、公爵家の家宝であるダイヤのティアラを頭につけられました。ちなみに時間が無かったのでノーメイクです。
重いドレスを引きずってお父様達と客室に入ると、5年振りに見るお兄様がいました。
この5年で身長は既に190cmくらいになっていました。凛とした佇まいで、服の上からでもわかる肉厚な筋肉がついています。道ですれ違ってもお兄様だとは気付かないような成長ぶりです。
お兄様は現在隣国の国王陛下なので、我が国の国王陛下があらゆる式で着るようなごちゃごちゃした正装を身に纏っています。
髪はオールバックで大粒の宝石が嵌め込まれた王冠を頭に被っています。
左肩には漆黒の毛の派手な飾り、魔王ぽいです。
マラソン選手がたすき掛けするような布も身につけていました。政治家が選挙でたすき掛けするような布にも見えます。大きな金貨のような金メダルのようなものも付いていて……あ、そうでした。確かあれは勲章です。位を示すものです。お兄様は国王なので大きな金メダルなのですね。
5年振りに金メダルを持って実家に帰宅したお兄様になんと声をかけていいか解りません。せめてお兄様がマラソン選手だったら金メダルおめでとうと声をかけられたのですが。
色々と混乱して思考が絡まります。
「アリシア……」
5年振りに聞いたお兄様の声。
およそ妹に対する声の類いではない妖しい響きがありました。一気に顔が沸騰したように熱くなります。
本当に……5年振りに見たお兄様になんと声をかけていいか解らず黙ったままでいると隣にいるお父様から肘で突かれました。
「見惚れ過ぎだ。意識をしっかり持て」
白眼を剥いたお父様に言われたくありません。そして見惚れているのはお母様の方です。お兄様の成長ぶりに感動してぷるぷると涙を堪えています。
とにかく久々に会ったのだから挨拶は必要です。カーテシーをしようと一歩前に出るとお兄様がすたすたと歩いて近付いてきて、私の前で片膝をつきました。
これは……あれですか。なんですか?
「…………お兄、様……その、」
「セドリック一世と呼んでくれ。まだ誰にも呼ばせていない。初めてはアリシアがよいと、即位した時からそう望んでいた」
いえ。さっきお父様が既に「セドリック一世」と言っちゃってましたが……。
侍女が真っ青になった。
あっ……そういえば侍女もさっき「セドリック一世」と言っちゃってた。
「……セドリック一世……陛下にご挨拶致します」
「あぁ……アリシア」
カーテシーをすると手を取られました。立ち上がったお兄様が口元に柔らかい笑みを携えて、思わず仰け反ってしまいそうな熱い目を向けてきます。
「美しく成長したな。予想外に艶めかしい色香がある。もしかしてこの5年間、散々周りに口説かれてきたのかな?」
豪華なドレスと宝石を身に付けていますが、ノーメイクなので今の私はかなりアンバランスだと思うのですが……お兄様には予想外に色眼鏡がついているようです。
恋は盲目と言いますが、これではお兄様が私を愛しているということ、それが真実味を帯びてきました。
ありえない……。
足元から崩れ落ちるような感覚に思わず前のめりに倒れて、お兄様に受け止められました。
周りから拍手と歓声がわいています。ブラボー!ブラボー!と侍女がハンカチ片手に涙を拭っています。
これは……あれですか。なんなんですか。
重いドレスを引きずってお父様達と客室に入ると、5年振りに見るお兄様がいました。
この5年で身長は既に190cmくらいになっていました。凛とした佇まいで、服の上からでもわかる肉厚な筋肉がついています。道ですれ違ってもお兄様だとは気付かないような成長ぶりです。
お兄様は現在隣国の国王陛下なので、我が国の国王陛下があらゆる式で着るようなごちゃごちゃした正装を身に纏っています。
髪はオールバックで大粒の宝石が嵌め込まれた王冠を頭に被っています。
左肩には漆黒の毛の派手な飾り、魔王ぽいです。
マラソン選手がたすき掛けするような布も身につけていました。政治家が選挙でたすき掛けするような布にも見えます。大きな金貨のような金メダルのようなものも付いていて……あ、そうでした。確かあれは勲章です。位を示すものです。お兄様は国王なので大きな金メダルなのですね。
5年振りに金メダルを持って実家に帰宅したお兄様になんと声をかけていいか解りません。せめてお兄様がマラソン選手だったら金メダルおめでとうと声をかけられたのですが。
色々と混乱して思考が絡まります。
「アリシア……」
5年振りに聞いたお兄様の声。
およそ妹に対する声の類いではない妖しい響きがありました。一気に顔が沸騰したように熱くなります。
本当に……5年振りに見たお兄様になんと声をかけていいか解らず黙ったままでいると隣にいるお父様から肘で突かれました。
「見惚れ過ぎだ。意識をしっかり持て」
白眼を剥いたお父様に言われたくありません。そして見惚れているのはお母様の方です。お兄様の成長ぶりに感動してぷるぷると涙を堪えています。
とにかく久々に会ったのだから挨拶は必要です。カーテシーをしようと一歩前に出るとお兄様がすたすたと歩いて近付いてきて、私の前で片膝をつきました。
これは……あれですか。なんですか?
「…………お兄、様……その、」
「セドリック一世と呼んでくれ。まだ誰にも呼ばせていない。初めてはアリシアがよいと、即位した時からそう望んでいた」
いえ。さっきお父様が既に「セドリック一世」と言っちゃってましたが……。
侍女が真っ青になった。
あっ……そういえば侍女もさっき「セドリック一世」と言っちゃってた。
「……セドリック一世……陛下にご挨拶致します」
「あぁ……アリシア」
カーテシーをすると手を取られました。立ち上がったお兄様が口元に柔らかい笑みを携えて、思わず仰け反ってしまいそうな熱い目を向けてきます。
「美しく成長したな。予想外に艶めかしい色香がある。もしかしてこの5年間、散々周りに口説かれてきたのかな?」
豪華なドレスと宝石を身に付けていますが、ノーメイクなので今の私はかなりアンバランスだと思うのですが……お兄様には予想外に色眼鏡がついているようです。
恋は盲目と言いますが、これではお兄様が私を愛しているということ、それが真実味を帯びてきました。
ありえない……。
足元から崩れ落ちるような感覚に思わず前のめりに倒れて、お兄様に受け止められました。
周りから拍手と歓声がわいています。ブラボー!ブラボー!と侍女がハンカチ片手に涙を拭っています。
これは……あれですか。なんなんですか。
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