悪役令嬢役の友人が婚約破棄されたので一緒に旅に出ることにしました

くりーむそーだ

文字の大きさ
17 / 20
第5幕 代替の国

第1話 人命救助~マスクしてるのにわざわざ外してクシャミする奴許さねぇ~

しおりを挟む
「いやー。ここのギルドも優しくてよかったよー」
「本当にー!ちゃんと教えてくれて、報酬も誤魔化さないもんねー」

セレスとグレイは話しながら歩いていた

「ん?」
「あれ?」

2人は同時に反応して顔を見合わせた後、進んでいた道を左にすぐ曲がり、路地裏を歩き始めた








「ハァッハァッ!」
「もう少しっ!もう少しです!頑張ってください!!」

2人の人間が路地裏を走っていた
白と黒のローブを頭から被っている
黒いローブの方が息切れをしながら走っているのを白いローブの人物が支えながら走っている

「あっ」

ズシャッ

足がもつれて2人は路地裏に転んだ
2人の背後にはキラリと光る刃物

「デュース!!!」

黒いローブの人物に迫る刃物から守ろうとする白いローブを着た人物

(間に合わない…!!!)

ガキィンッ

直前まで迫っていた刃物と黒いローブの人物の間にまた別の人物が間に入っていた

「路地裏といえ街中で物騒だなぁ」

声と共に刃物が飛んでいく

「ほんとー観光くらいさせて欲しいよねぇ」

ケラケラと笑う声と共に刃物が消えた
襲っていた人物が混乱してる間にさっさと気絶させてグルグルに縛っていた

「危なかったねぇー」

刃物をクルクルと回しながら2人を労る
警戒しながら2人は現れた人物を見ていた

「おっとこのままだと怪しいからかー?」

そう言って白いローブを着た暗殺者らしき人物を縛っていた方がフードを外した
それを見て黒いローブの方もフードを外した

「「えっ!?」」

「「??」」

助けた方は首を傾げていた
そして、2人のフードが外された時に息を飲む

「……はぁ??」

そこには、グレイそっくりな人物と、セレスの男装時にそっくりな人物がいたのだった







**********
「助けてくれてありがとう…」

現在私たちが借りた宿の中
暗殺者と思われる奴らはギルドに押し付けた

「…まず、自己紹介からするか…
私はセレス。こっちのグレイと冒険者してるよ」
「一応通り名はセレスが【宵闇の魔術師】で私が【瞬光の剣】だねぇ」

「俺は……私は、デュース・トワポール。
この国の第1王子だ」
「私は、その護衛のエリック・シュミット。シュミット伯爵の次男です」

胸に手を当ててお辞儀をするエリック
それにセレスと共に首をかしげた

「えっと、知ってるの・・・・・?」

セレスが2人を見ながら控えめにたずねた
2人は目を見開いた

「エリックって偽名だよねぇ」

のんびりと出したスナック菓子を食べながら私が呟いた

「…実際はシュミット伯爵の次女ってところかしら?」
「…恩人に隠し事するのは良くないな。
そうだな。エリックは性別を隠して私の護衛騎士をしている」
「殿下!!」
「大丈夫だ。この人たちは」

デュースが確信を持った目でエリックを射抜いた
エリックは口をつぐんだ

「なるほど…まぁ、王位継承について揉めてるんだろぉ?
側室の子とかじゃないかー?」
「…よく分かったな…私の母は側室で、正妃様のお子が弟にあたる」
「ならエリックちゃんの本名はー?」
「……私はエミリア・シュミットです。」
「エミリアちゃんかー!エリーって呼ぼうかな!!
どうせ殿下はリアって呼んでるんでしょ??」
「何故わかる!?」
「反応の仕方がグレイそっくりー!」

楽しそうに笑うセレスを見たあとデュースを見たけど、私こんな反応してる??

「ねね?どうしたいの??君たちは王様になりたい?それとも王位継承権捨てたい?」

セレス、ズバッと聞いちゃうなぁ
2人は困った顔をしていた

「…正直、俺がこのまま王になるイメージが湧かないんだ。
ただ、オズワルドが…弟が悪政を行うとなると…」
「オズワルド殿下は少し精神的に幼い部分があるので…」
「ふぅん?摂関政治…傀儡にされそうなんだね~」
「…そうですね。」
「この感じだと第2王子と対立が目立ってて、デュースが命が狙われてると…ふむふむ」

うーん。大変だけどやりますかね??

「なら、この問題。私らが引き受けるよ」
「そうだねぇ!ここであったのも何かの縁だしね!格安にしとく!」

グッとサムズアップするセレスにぽかんとする2人

「まぁ、エリーちゃんには沢山覚えて貰わないといけないからよろしくね」

ニッコリと笑うセレスに私はゾッとした
あれは本気の目だ

「…しばらくは意識阻害の魔法で私がデュースの従者するから、エリーはセレスに従ってねぇ
デュースは私を男として雇い…いや待って?二、三日は従者するから交代しようね!」

にこにこと笑うと混乱してるデュース
まぁ、何とかなるよねぇ!!
今後が楽しみすぎて2人で笑うのだった
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

包帯妻の素顔は。

サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...