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3#水疱瘡
しおりを挟む「何だっ!また!そんな……笑うか?!」
「からかってるんだから笑う」
「からかうことにそんなご立派になるな!」
しゃがれた声で喚き散らす鳥の人頭フクロウ
何度も現れては僕を覗いて笑う
「おまえは盗人のくせに、僕の前にちょくちょく顔を見せに来る」
顔を蹴られた
「はぁ!」「はあ!」「はぁ!はぁ!」
「バカを言うなあ!」
「お前になんで顔を見せに来るんだ!誰が!」
「現にこうして」
「俺が見に来てるのはおまえの顔だ!」
「馬鹿な子!うははははっ!」
「馬鹿はお前だ!立腹を立派なんていいやがるお前の方が!」
また顔を蹴られた
「わあっはぁ!あーあー!ぐぉはははは!」
「俺が立派なわけがあるかぁ!」
「だかな」「確かなことはあるもんだ」
「よく聞け馬鹿な子」
「俺はお前の顔を見て初めて関心したぞ」
「関心を持ったことはあったがすることは初めてだ」
「うははははっ」
「おまえは馬鹿な子だ、なのにアヒルの子はアヒルじゃないなんて……」
「わはははははははははは」
「二つ星の子かあ?馬鹿な子と鈍足な四本足!」
断続的だった攻撃は一変する
本格的にフクロウが僕に襲いかかってきたのだ
逃げる術はない
防ごうにも手の隙間をクチバシが抜けてくる
「痛!ああ!くそっ!ああ!」
時折なけなしの拳を振り抜いて見せるが
そのほとんどは机に当たっておわる
「やっと分かるだろう」
「キューブなんてのは要らないって」
「うふふっ」「ひゃふふふ!」「あぁわふふふは」
「いひひひ……ひやあははははははは」
皆が僕を笑う
ちがうか僕を見て笑ってなどいない
空を向いて笑っているんだから
ただ僕はその下で偶然いるだけ
そんなに立派なもんじゃない
「……ぼぉ」
「……ぶぁぶっ!ぼごおっぼほっごほっ!げぇほおっ!」
僕は洗面所の前にいた
鏡の前だ
洗面台に水を張って顔をつけていたんだ
「あ!……はぁ……ぁあ……ははぁ……は……」
鏡に映る僕の顔は真っ赤になっていた
目は充血してるし
鼻水やら涙やら何にでずぶ濡れなのかもう分からないくらいに
ぐしゃぐしゃでビシャビシャになっている僕がいた
僕は壁に背中を預けてそのままへたりこんだ
もう少しで溺れて死んでしまうところだった
もう体がいっぱいいっぱいに空気を欲している
「ああ……あ……あぁ…」
その中で僕は両膝を撫でた
目に入ったからだ
膝があって
脛で、足首で、つま先まできちんと
足があったから
代表として僕は両膝を撫でた
息切れが収まるまで
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