スルドの声(共鳴2) terceira esperança

桜のはなびら

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終章 後日、マレと

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(柳沢 希)

『動画撮りすぎだってー! やっと全部観終えたよー』
 
 スマホの画面の向こう側。ビデオ通話相手のマレがやれやれみたいな顔で笑っている。
 片っ端から撮ってたの送ったからな。
 クラスの友だちや『ソルエス』でスタッフ対応をしてくれたメンバーが撮ってくれたものも送ってあった。
 
 確かに膨大な量だっただろう。
 むしろそれを律儀に全部観てくれたことに内心驚いた。マレの方こそ忙しかっただろうに。
 
『でも、まあ、ザ・学園祭って感じだよね。のんもだし、みんなも楽しそうで、こっちまで楽しくなったよ』
 
 ありきたりな学生生活。
 マレはその特異なる人生を選んだことで、手放したもののうちのひとつだ。
 
「マレの学校は学園祭みたいなの無いの?」
「日本の学校みたいな学園祭は無いねー。一般の人もチケットで観られる発表会やコンサートなんかはあるけどね」
 
 それはもはやイベント出演とイコールだ。
 学園祭も発表的な側面はあるけど、どちらかと言えばパフォーマンスの精度は多少緩い印象。バレエ学校だと、チケットを購入して観客が見に来るという点からも、ごりごりにプロとしての精度が求められることだろう。
 
 
『写真もたくさんあったねぇ。主にたばてぃが撮ったんだよね?』

「ふたばのこと? いつの間にそんな與田くんみたいな呼び方するようになったの」

『えー、かわいーじゃん?』
 マレもちょいちょい独特だよなぁ。

「さすがというか、やっぱり写真うまいよねぇ、彼女。全くブレてないのに、ダンサーとかのパフォーマーの生きた躍動感がそのまま写されてるもん」
 いつか自分のバレエも写真撮ってもらいたいなぁなんて言っている。
 ふたばに伝えたら喜んでくれるかな。


『バンドも格好良かったよ。ささっちとカヨぽんもすごいじゃん』
 また與田くんみたいな呼び方する。
 
『助っ人の軽音部の子たちは当然すごいとして、あの子! ヴォーカルの! あれ、のんいじめた子でしょ?』

「いじめってわけじゃなくてぇ。もめた時にボールぶつけられたんだよ。いじめってことではない」

『まあまあ。そんな子がさぁ、そんな子と一緒にって聞いた時も、大丈夫? って思ったりもしたけど、MCも歌もすごい良かったじゃん! ちょい感動しちゃったんだけど』
 正直ちょっとなめてた、ごめん。と笑いながらも、その感動は本物だったと、マレ。
 
『サンバチームのことも紹介してくれてたし、結構良い子じゃんね。『ソルエス』のパフォーマンスも観たけど、ほまれちゃんあんま映ってなかったなぁ』
 ほまれちゃん大好きっ子のマレはちょっと不満気だ。
 
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