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三人の前にある企画
しおりを挟む「ねえ、先生が言ってたやつ、やってみない?」
学校併設のカフェで美羽とひよりは玲奈からランチに誘われていた。
開口一番の玲奈の言葉に、ふたりは少々驚きの表情を見せた。
中村からの発表を、ひよりはなんとなく面白そうだなぁと思いながら聴いていた。
美羽はあまり自分事とは思っておらず、聞いてはいたが頭にはあまり入っていなかった。
ふたりとも、参加しようという考えはほとんど持っていなかった。
生徒が、先生から伝えられた内容はこのようなものだった。
要約すれば、サンバパレードで演者が着用する衣装の製作を手伝うというもの。
授業でも課題でもないから義務ではない。特に評価にも寄与せず、報酬もない。
良い体験はできると思うと言った内容。
「浅草サンバカーニバルって知ってるかな? 結構有名だと思うけど、意外と見たことなかったなぁ。ニュースなんかでちらっと聞いたことはあったけどね」
この話が来たことをきっかけに、調べてみたところ、演者だけでも数千人、来場者は五十万人弱くらい来る大規模なイベントで、いくつかのチームが順位を競うコンテストでもあることが分かった。
「サンバのパレードって言うと、サンバダンサーが練り歩くのかなって思ったけど、どちらかと言えばディズニーのパレードに近いね」
チームごとにテーマがあり、テーマに合わせたストーリーがある。テーマを表現する楽曲が作られる。チーム内にいくつかのグループやユニットを作り、ストーリーに沿って順番に登場し、テーマを表現する楽曲に合わせてグループ単位で振り付けを踊ったり、演出やパフォーマンスを実施するのだ。
パレードにとって、切っても切れないのが、演者がストーリーを表現する際に身に着けている衣装だ。
例えば桃太郎というテーマであれば、流れてくる桃。おじいさんとおばあさんと誕生した桃太郎。冒険しながら犬去る記事の仲間を増やしてく桃太郎。海を渡りいよいよ決戦の地へ。迎え撃つ鬼たち。そして、鬼との最終決戦。大勝利をおさめ、戦利品を獲得し、故郷へと凱旋する……そんなストーリーを、場面ごとに演者が演出するのだ。
桃ならば、桃のような衣装を身につけることで、観客に今何をしているのかを目で見て伝えられなく他はならない。
衣装の役割は重要だ。
コンテストだから審査員が審査し、点数を付けるのだが、ダンスや演奏など、サンバの本質を問う項目と同様の立ち位置で、テーマの表現性、衣装など、見た目の演出に絞られた項目が複数存在している。
その項目の評価の大部分を担うのが、衣装の見栄えと出来栄えとなるのだ。
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