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本章

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「柊が本性現したっ!」
「こわー!」
「柊、顔お姉さんと似てるのになんでそんな感じになるの?」
「柊のお姉さん美人だよねー」
「あとすごい優しい。柊甘えすぎじゃない?」
「あー、だからこんな子になってもうたのかー」
「柊、甘えっ子だよね」

 みんなで口々に言っていたら、柊は「もういいー」と、唐揚げを貪り始めた。

「ごめんて、これあげるから」

 しいちゃんが玉子焼きをあげようとしたら、柊は「エビフライも欲しい」と更なる謝罪を要求している。

 まんまといくつかの食糧を手に入れた柊は少し機嫌を戻してお弁当を食べていた。

「まあ、どう言ったってなんとかするためには勉強するしかないよね」

 混乱した場を戻す意味でも、元々の話題に戻した。
 どうにかしたいことがあるなら、すべきことをするしかない。

「結局それぇ?」

 柊は不満そうだが、やれば良いのだ。それをできないのは気持ちの問題だと思えた。やる気だって、要は気持ちだ。

「じゃあさ、みんなで勉強しようよ。そしたら楽しいよね?」

「あー、いいね。やろうよ」

 わたしの提案にみやちゃんも乗ってきた。しいちゃんやルカも頷いている。柊も、「それなら、まあ」みたいな顔をしていた。

「テスト終わったらさ、みんなで遊びにも行こうよ。楽しみが待ってると思ったらもっと頑張れそうじゃない?」

 ルカが言った。
「それも良いね!」と盛り上がる一同。

 早くも、終わったら何をするかの話題になっている。

「えー、水族館行きたい!」
「シェーキーズは?」
「ナンジャタウンいこうよ。水族館も近いし」
「餃子タウンも行く?」
「お台場は? 水族館なかったっけ?」
「新大久保街ぶらしようよー」
「ホットク食べる?」
「歩くなら原宿が良いなあ」
「下北は?」
「みなとみらいは?」
「それはデートで行きたい」
「相手は?」
「いるかよ!」
「バビーズ良くない?」
「あー観覧車乗りたい」
「中華街は?」
「柊、たべるのばっか」
「しかも量いこうとしてるよね」
「葛西臨海公園は?」
「なんか地味じゃない?」
「おい、葛西臨海公園なめんな! パークライフカフェあんぞ」
「鳥類園もな!」
「鳥類園よわ」
「弱くない‼︎」
「わたし富士急いきたいなぁ」
「あーいいねー」
「えー、あそこ乗り物怖すぎる。普通にディズニーで良いじゃん」
「ディズニーこの前行ったからなぁ」
「富士急遠くない?」

 みんな思い思いのことを言っている。
 富士急は遠いよね。でも誰かに車出して貰えば行けなくもないのか?
 ふと祷が思い浮かんだ。

 いや、連れて行ってもらうという選択肢があるのなら......。

 テストの終わる時期を確認した。
 そうか、この時期なら。

 わたしと頭の中にあるアイデアが生まれた。

「ねえ、ちょっと珍しい提案があるんだけど」

 口々に好きなことを言っていたみんなが、言葉を止めてわたしに注目した。次の言葉を待っている
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