スルドの声(反響) segunda rezar

桜のはなびら

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おしゃべり

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「あー、今日は甘いもので始まって甘いもので終わってくー」


 ガラス製の器にムースが敷かれ、その上にアイスクリームと凍ったフルーツ、生チョコが乗っていて、更にチョコレートソースがかけられた、甘さの多重奏に頬を緩めているみこと。


「あ! そうだよ! みこと苺大福食べてんじゃん! おねーちゃんも! ねー、わたしの分は?」と絡むひいをみことは一瞥し、


「ひいケーキにそのアイスのやつと、カヌレまで食べてるじゃん。甘数で言ったら互角じゃん」


 甘数? 今日食べた甘いものの数のことかな?


「みこと、知らないの? 便利な言葉があるんだよ。『それはそれ、これはこれ』」


 便利って言っちゃってる!

 何故かひいは自信ありげな笑顔を見せている。
 ほづみは複雑そうな顔をして、「またひいが暴君みたいなこと言ってる」と呟いていた。


 そこに、「お待たせしましたー。ホットドッグのお客様?」と、スタッフさんが。

「あ、はーい」と無邪気に答えるひい。


「え、まじで? スイーツ食べようってここ来てんのになんでそっち行ってんの」


 さすがに引いている様子のみこと。


「これ、ラクレット掛かってるんだよ」


 ひいはまるで悪びれる様子はない。


「だから?」とでも言いたげなみことに、ひいは「スイスといえばチーズじゃん」と得意気だ。


「単純に食べ過ぎだし、どちらにしてもひいの分の苺大福はないから」


「えー」


 この流れでまだ不満そうな感じを出せるひいにブレない強さすら感じた。


「ねえ、ねえって、柊、見てっ、みことの顔......!」


 がんちゃんがひいの腕をつつく。
 みことは明らかに呆れた顔をしていた。


「え? みことの顔? まあまあかわいい?」


「まあまあ⁉︎」
 余計な副詞に噛み付くみこと。


「ぶはっ」


 見映えの良いふたりの意外と幼いやりとりを見ながら優雅にペパーミントティーを口に含んでいたら、思いがけないリズミカルなやり取りがツボに入り吹き出してしまった。


「わ、いのり大丈夫?」


 ほづみが背をさすってくれる。
「うん、ありがとう」言いながら紙ナプキンで口元を拭う。


「......太っても知らないよ?」


 私が吹いて文字通り水を差された形のみことは、少し冷めたようで、話題を収める方向に持っていく。


「大丈夫! 運動してるから!」


「摂取カロリーと消費カロリーの足し算引き算して、ちゃんとマイナスになってるの?」


 学校でできた初めての友達であり、サンバに出会わせてくれた恩人でもあるひいではあるが、さすがのがんちゃんもフォローしきれないのか、ひいへと疑念をぶつけている。


「もー、がんちゃんはすぐ難しいこと言うー」


「え? 難しい? かなぁ......?」


「ひいは運動さえしてればなんでも許されると思ってるよねー」


 もはや飽きてきているのか、みことは溶けかけたアイスクリームに注意を戻している。


「大丈夫よね? ひいの体型が少しでも緩んだら私が締め上げるから」


「え、やだ......」


 笑顔で言ったほづみに、ひいははじめて不安そうな顔を見せた。


「ひいちゃんは覚悟決めて食べてるんだもんね? おねーちゃんのフレンチトーストも食べる?」


「うんん、大丈夫、わたし、もう、おなか、いっぱい」


 尚凄みを増す笑顔のほづみに、片言のように答えるひい。


 がんちゃんが笑っていた。私も笑った。
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