スルドの声(反響) segunda rezar

桜のはなびら

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スタジオルーム

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 阿波ゼルコーバとの顔合わせ、挨拶は済んだ。

 あとは本番に向けて案件を進めていくだけだが、阿波ゼルコーバファン感謝イベント全体の構成も未だ確定しているわけではない。
 先方もまた、この後の時間を使って計画を進めていく。
 進めるにあたって、お互い協議や擦り合わせが必要な部分も出てくるだろう。
 必要に応じ、あと何回かは打ち合わせが必要になるとの判断があった。
 
 ソルエスからは最低限の参加者で問題はないが、がんちゃんはもちろん、ほづみやひいもできれば同席したいと言っている。
 都合よくエンサイオの日程と重なることも少ないだろう。

 接続場所は配信用の動画撮影でよく利用するスタジオも考えたが、もともと自宅でも同様の機能を持った部屋を作りたいと考えていた。
 なんとなく父には空き部屋をひとつ使用したいという話はしてあって、既に許可はもらっている。

 その部屋は少しずつスタジオ化を進めていたので、端末をつないで遠隔の会議くらいはできる状態にはなっていた。
 これも良い機会だ。そのうち防音機能も整え、スルドの演奏もできるようにしたいと思っていたが、せっかくマイスルドも手に入れたことだし、計画を前倒ししよう。そうすれば、がんちゃんとの姉妹共演もがぜん現実味を帯びてくるだろう。
 ああ、楽しみでならない。
 
 
 今はまだ簡素なその部屋は、簡易的な防音工事は済ませてあった。
 完全に防音室にするとなると数百万とかかるが、壁の内部に吸音材を入れ遮音パネルで仕上げるだけなら数十万程度。低~中音域の吸音性を高めるインテリア壁材を部分貼りした。

 集合住宅ではないし、もともと低音は完全に防ぐのは難しいから、この程度で充分。
 それでも何もしてなければ、この部屋は音のない空間にはなっていて、集中するのに向いていた。

 
 私は今、集中している。
 決して途方に暮れているわけではない。

 目の前には展開図のように、スルドがいくつかの部品となって並べられていた。

 
 スルドはヘッドと本体をつなぐネジの部分で、音の高低をチューニングできる。

 その辺の作業や、調整具合、それによってどのような音が出るのかなど、やってみて試して身体と耳で覚えるのが良い。実地に勝る訓練は無い。
 道具を身体の一部とするためには、構造を理解するのが早い。そのためにも分解し、組み立てるという作業は最適だ。

 
 そんなこんなの経緯があって、目の前にはばらされたスルドが並べられている。

 
 さて。どうしたもんかな。

 
「祷。ふたり連れてきたよー。……え、なにしてんの?」
 
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