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いつまでもではない今(LINK:primeira desejo 122〜123)
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がんちゃんの成長。
がんちゃんの世界。
いつまでもは続かない、今。
やがて訪れる、別々の道を往く時。
色々と思ったけど、それはそれ。
関係性の在り方に変化はあるだろう。
それは緩やかかもしれないし、何らかのライフイベントを契機に突発的に訪れるのかもしれない。
それでも、関係性そのものが消滅するわけではない。関係の仕方はいついかなる時も選べる。
要は「私がどうしたいか」なのだ。
そんなこと、決まっている。
であれば、好きなようにさせてもらう。
「ながー!」
「こわー!」
「なんでぐるぐるにしてんの?」
「さあ? 格好良いからじゃない?」
「納めやすいようにでしょ?」
「ふつう!」
「何が悪いの⁉︎」
がんちゃんたちは渦巻き状に巻かれて真空パックされている長いソーセージを見て騒いでいる。
『リングイッサ』というブラジルのソーセージだ。豚肉や鶏肉を塩をベースに、ハーブやスパイスで味付けされていて日本人でも違和感なく食べられる味わいだ。
五十センチから、長いものでは一メートルほどのソーセージを渦巻きのように丸めた形状が特徴で、渦を崩さずに焼く。
この店舗はスーパーマーケットの業態だが、店内に軽食が摂れる店舗が入っている。テイクアウトもでき、店内でありながら食べ歩きのような動きも許されていた。
みんなでここで何かを買おうということになっているようだ。
「ほづみ! 私たちもなんか買おう」
頷くほづみと一緒に、小走りで前征く集団に追いつく。
「おーい、JKだけで楽しまないでよー。まぜてー」
私とほづみは五人の輪の中に入っていった。
「あー、祷さーん! むしろ来て来てー!」
「いぇっ! かもっ!」
「なにそのブラザーみたいな感じ」
「シスターなのにねぇ」
「おねーさんず!」
「うわ、おねーさんずはなんかやだなぁ」
「まー、がんちゃんや柊にとってはお姉さんだけど、あたしらはともだっちってことにしちゃう?」
「私だって『ソルエス』では年齢関係ない感じで接してるし、みんなも全然フランクで良いよー」
「いぇー、うちらともだちっち!」
「祷たまに年下みたいに思えるときある」
「じまー? 祷さんきゃわー!」
「うそ?」
うそ? そんなわけない。
「おねーちゃんたちとは三歳差だしね。確かにそんな変わんないよねー」
「柊と穂積さんは全然違うよ?」
「人の格みたいなのが違うよ?」
「性能が違うよ?」
「穂積さんの人間性、見習いなよ?」
「穂積さんのこと、もっと敬いなよ?」
「おい! やんのか⁉︎」
「なんで柊はバド部で上下関係仕込まれてるのにこんなに舐めた感じなの?」
「んー、わかんない。柊は子どもの頃から親に対してもあんま恐れを感じてなかったもんねぇ」
「タフガイってこと?」
「タフガイじゃないし、別に褒めてないからね?」
こんなに楽しい日々が続くなら、続く限りはその中に身を置いておけば良い。
いつか、やがて。
そんな日々に終わりは来るのだとしても。
それは移ろっただけで、それからの日々をまた、その時々の関係性で、在り方で、関わっていけば良いのだ。
私たちはげらげら笑い、大騒ぎしながら店舗の入り口付近に戻ってきた。
各々ブラジル系スナックの戦利品を手にして。
ちょうどキョウさんが店長さんとの会話を終えたタイミングだった。
がんちゃんの世界。
いつまでもは続かない、今。
やがて訪れる、別々の道を往く時。
色々と思ったけど、それはそれ。
関係性の在り方に変化はあるだろう。
それは緩やかかもしれないし、何らかのライフイベントを契機に突発的に訪れるのかもしれない。
それでも、関係性そのものが消滅するわけではない。関係の仕方はいついかなる時も選べる。
要は「私がどうしたいか」なのだ。
そんなこと、決まっている。
であれば、好きなようにさせてもらう。
「ながー!」
「こわー!」
「なんでぐるぐるにしてんの?」
「さあ? 格好良いからじゃない?」
「納めやすいようにでしょ?」
「ふつう!」
「何が悪いの⁉︎」
がんちゃんたちは渦巻き状に巻かれて真空パックされている長いソーセージを見て騒いでいる。
『リングイッサ』というブラジルのソーセージだ。豚肉や鶏肉を塩をベースに、ハーブやスパイスで味付けされていて日本人でも違和感なく食べられる味わいだ。
五十センチから、長いものでは一メートルほどのソーセージを渦巻きのように丸めた形状が特徴で、渦を崩さずに焼く。
この店舗はスーパーマーケットの業態だが、店内に軽食が摂れる店舗が入っている。テイクアウトもでき、店内でありながら食べ歩きのような動きも許されていた。
みんなでここで何かを買おうということになっているようだ。
「ほづみ! 私たちもなんか買おう」
頷くほづみと一緒に、小走りで前征く集団に追いつく。
「おーい、JKだけで楽しまないでよー。まぜてー」
私とほづみは五人の輪の中に入っていった。
「あー、祷さーん! むしろ来て来てー!」
「いぇっ! かもっ!」
「なにそのブラザーみたいな感じ」
「シスターなのにねぇ」
「おねーさんず!」
「うわ、おねーさんずはなんかやだなぁ」
「まー、がんちゃんや柊にとってはお姉さんだけど、あたしらはともだっちってことにしちゃう?」
「私だって『ソルエス』では年齢関係ない感じで接してるし、みんなも全然フランクで良いよー」
「いぇー、うちらともだちっち!」
「祷たまに年下みたいに思えるときある」
「じまー? 祷さんきゃわー!」
「うそ?」
うそ? そんなわけない。
「おねーちゃんたちとは三歳差だしね。確かにそんな変わんないよねー」
「柊と穂積さんは全然違うよ?」
「人の格みたいなのが違うよ?」
「性能が違うよ?」
「穂積さんの人間性、見習いなよ?」
「穂積さんのこと、もっと敬いなよ?」
「おい! やんのか⁉︎」
「なんで柊はバド部で上下関係仕込まれてるのにこんなに舐めた感じなの?」
「んー、わかんない。柊は子どもの頃から親に対してもあんま恐れを感じてなかったもんねぇ」
「タフガイってこと?」
「タフガイじゃないし、別に褒めてないからね?」
こんなに楽しい日々が続くなら、続く限りはその中に身を置いておけば良い。
いつか、やがて。
そんな日々に終わりは来るのだとしても。
それは移ろっただけで、それからの日々をまた、その時々の関係性で、在り方で、関わっていけば良いのだ。
私たちはげらげら笑い、大騒ぎしながら店舗の入り口付近に戻ってきた。
各々ブラジル系スナックの戦利品を手にして。
ちょうどキョウさんが店長さんとの会話を終えたタイミングだった。
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