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杉田と試食
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「つまり?遠藤さんに食べてもらう前に、他の人の感想が欲しかったってこと!?」
「まあ、そういうことだ」
俺はクレープの試作品の試食をしてもらうため、自宅マンションに杉田を呼び出していた。
「頼ってくれるのは嬉しいけどさ、どうして僕だったわけ!?組の弟分とかじゃだめだったの!?」
「そんなことしたらナメられるだろうが」
遠藤兄貴が組を抜けて一年、俺にも舎弟ができた。こんな俺を兄貴と慕う奴らがいる。だが、遠藤の兄貴と比べると、俺の実力なんてまだまだだ。なんとか立派な兄貴に見えるよう、俺なりに頑張ってはいるのだが、遠藤の兄貴の背中は遥かに遠い。
杉田は知り合いの後輩で、過去に一緒に仕事をしたことがあった。肝が座っており、ヤクザ者の俺にも物怖じすることなく話しかけてくる。少し気安すぎる気もするが。
「組の者だと意見しにくいことでも、お前なら気にせずに言ってくれるだろ」
「···ちょっと複雑な気持ちなんですけどー」
杉田がふてくされた態度で言う。
「今度、お前のためにもなんか作ってやるから、頼む。」
「ホント!?じゃーシュヴァルツベルダーキルシュトルテにしようかな!?」
「シュバ、ババ···?おい、それは俺にも作れるやつなんだろうな!?」
聞いたことがないし、そもそも何語なのかも分からない。
「確かドイツのケーキだったと思うよ。いやー楽しみだなー」
何と言ったのか聞き取れなかったので、後で詳細を送らせるか。
「それよりさ、クレープ食べようよ。どんな味にしたの!?」
「兄貴はいちごが好きだからな、とりあえずシンプルにイチゴホイップクリームのクレープ、それからイチゴ練乳クレープ、イチゴとあんこを求肥で包んだ苺大福クレープの3種類を作ってみたんだが」
「本格的だね···」
杉田と順番に一種類ずつ食べていく。
「···どうだ!?」
「イチゴホイップクリームはちょっと微妙かな。ホイップクリームがイチゴの水分でビチョってなってる。練乳の方は僕には甘過ぎかも。好きな人は好きかもだけど!?」
「苺大福はどうだ!?」
「僕はこれが一番好きかな。モチモチ食感が好きな人は間違いないと思うよ」
「まあ、そういうことだ」
俺はクレープの試作品の試食をしてもらうため、自宅マンションに杉田を呼び出していた。
「頼ってくれるのは嬉しいけどさ、どうして僕だったわけ!?組の弟分とかじゃだめだったの!?」
「そんなことしたらナメられるだろうが」
遠藤兄貴が組を抜けて一年、俺にも舎弟ができた。こんな俺を兄貴と慕う奴らがいる。だが、遠藤の兄貴と比べると、俺の実力なんてまだまだだ。なんとか立派な兄貴に見えるよう、俺なりに頑張ってはいるのだが、遠藤の兄貴の背中は遥かに遠い。
杉田は知り合いの後輩で、過去に一緒に仕事をしたことがあった。肝が座っており、ヤクザ者の俺にも物怖じすることなく話しかけてくる。少し気安すぎる気もするが。
「組の者だと意見しにくいことでも、お前なら気にせずに言ってくれるだろ」
「···ちょっと複雑な気持ちなんですけどー」
杉田がふてくされた態度で言う。
「今度、お前のためにもなんか作ってやるから、頼む。」
「ホント!?じゃーシュヴァルツベルダーキルシュトルテにしようかな!?」
「シュバ、ババ···?おい、それは俺にも作れるやつなんだろうな!?」
聞いたことがないし、そもそも何語なのかも分からない。
「確かドイツのケーキだったと思うよ。いやー楽しみだなー」
何と言ったのか聞き取れなかったので、後で詳細を送らせるか。
「それよりさ、クレープ食べようよ。どんな味にしたの!?」
「兄貴はいちごが好きだからな、とりあえずシンプルにイチゴホイップクリームのクレープ、それからイチゴ練乳クレープ、イチゴとあんこを求肥で包んだ苺大福クレープの3種類を作ってみたんだが」
「本格的だね···」
杉田と順番に一種類ずつ食べていく。
「···どうだ!?」
「イチゴホイップクリームはちょっと微妙かな。ホイップクリームがイチゴの水分でビチョってなってる。練乳の方は僕には甘過ぎかも。好きな人は好きかもだけど!?」
「苺大福はどうだ!?」
「僕はこれが一番好きかな。モチモチ食感が好きな人は間違いないと思うよ」
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